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「時間は守る」「発散はさせる」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「ファシリテーター」のつらいところだな
これはファシリテーター Advent Calendar 2024 8日目の記事です。
時間と発散のせめぎあい
アイデア出しやふりかえりなど、参加者の頭の中にあるものを引き出して話す場をつくるときに悩みの種となるのが、時間を守りつつ十分に議論を発散させることの難しさです。
あらかじめ予定したタイムテーブル通りに進行すると、十分に発散できない。
発散を優先すると話題が拡散しすぎて、時間内に結論に辿りつけない。
何とも悩ましいですが、ファシリテーターにはこの両立が求められます。
厳密に守るべき時間とそうでもない時間
この2つを両立するために、タイムマネジメントの観点から考えてみます。
まず、守らなければいけない時間は何か。
ひとつは、確保している時間。その会議に1時間確保しているとしたら、基本的には1時間以内に結論までたどり着くことが求められます。複数人が参加する場であればそれだけの人数の時間をとっているわけで、それに見合った成果としての結論が欲しいところです。
もう一つが、発散や収束それぞれのフェーズにおける必要な時間。たとえば1時間確保していたとして、発散に30分、収束に30分であれば必要な時間が割り当てられていると判断してよいでしょう。これが、発散50分収束10分だと心もとない、と私は感じます。(ここは状況によって変わるので、都度判断が必要ですが)
制限時間。必要な所要時間。このふたつのポイントをおさえて、ファシリテーションしていきます。
ファシリテーションしながらタイムテーブルを更新していく
全体の制限時間を設定し、発散・収束などその会議体の要素それぞれに時間を割り当てます。
そしてこのとき、要素それぞれに必要な最低限の時間を想定しておきます。たとえば発散は最低30分、収束は15分、などです。(繰り返しになりますが、必要な時間はコンテキストによって変わってきます)
これを設定しておけば、たとえば発散が盛り上がって30分を超過しても、収束に必要な15分を割り込むまでは発散させてもよい、と判断できます。
注意:参加者に時間を意識させすぎない
気をつけておきたいのが、時間を過ぎていることなどを強調しすぎない、ということです。特に発散フェーズにおいては、時間がもうあまりないということを意識すると本当は発言したいことがあっても控えてしまうようになります。
「もうあまり時間がありません」「時間を過ぎています」ではなく、「盛り上がっているからもう少し話しましょう」など、まだ話していて問題ないんだよ!というメッセージを出すとよいでしょう。
めざせ名ファシリテーター
発散させ、その場にいる全員が「いいたいことをいえた」という満足感をもち、かつその会議体でたどり着きたかった結論にたどり着いたとき、ファシリテーターは名ファシリテーターと呼ぶに値する存在になります。
時間は守る、発散もさせる。この2つをうまく両立させていきましょう。
覚悟はいいか?俺はできてる。