モチベーションは、つくれる
はじめに
これは、「[いちばんやさし,いきいき]+いくおの Advent Calendar 2021」初日の記事だ。
今日のテーマは「目標や計画について」。目標や計画を前に進めるためにはモチベーションが重要だと考えているため、今日はモチベーションについて書く。
目標とモチベーション
過日、目標設定の難しさとそれを突破するためにOKRが使えるのではないか、というテーマでnoteを書いた。ありがたいことにたくさんのリアクションをいただいた。
その中で、「目標設定は上司がちゃんとやってくれればいいもの」というリアクションもあった。組織にアラインメントするという意味では、そのとおりかもしれない。けれども、果たして上司からブレイクダウンされた目標を、人は追いかけることができるのだろうか。
狭い観測範囲だが、OKRがうまくまわっているチームではメンバーたち自身が主体的にOKR設定に関わっている。逆に、うまくまわっていないチームでは上司が決めたOKRをメンバーに与えるやり方をしていた。
必ずしも「上司が決めたらうまくいかない」ということではない。メンバーがどう考え、何にモチベーションを感じるか。どのくらいのスキルでどこまで達成可能か。完全に把握しているならばうまくいくだろう。しかしそこまで完璧な上司はそうそういないし、一度完全に把握したとしてもメンバーの状況は変わっていく。なればこそ、メンバー自身が主体的に目標というものと向き合うことが望ましいだろう。
内発的動機
ダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」で紹介されている「内発的動機」。自らの内から湧き出る動機。外部から与えられた動機づけではなく自ら考え行動する原動力となるこの「内発的動機」は、目標達成という文脈でも非常に重要な役割を果たす。
もし外部環境が変わり目標設定が難しくなったとき、外から与えられた動機であれば「まあ、しかたないよね」となってしまう。しかし、自分自身が強く達成したいと願う目標、内側から動機づけられた目標であれば、なんとかして達成しようと別のアプローチを模索し始める。
どんな苦境にもめげず最終的には目標を達成する人は、まわりにいるだろうか。いるのであれば、その人は「仕事」として向き合っている目標に対して、内発的動機を原動力として向き合っている可能性が高い。
いうて仕事でしょ?
「まあ内発的動機が湧いてるほうがよい、というのはわかる。でも、悲しいけどこれ、仕事なのよね」と思った方がいるかもしれない。いや、いるだろう。それはそう。すべてをライフワークにしろとは言わない。ライスワークでいい。
しかし、現実問題として自分が「ライスワーク」として向き合っている仕事に対して無尽蔵に内発的動機を燃やし続ける人がいる。エンジニア界隈だと、就業後に足繁く勉強会に通い、土日はプライベートでの開発を楽しむようなタイプだ。
そうなるべきだ、ということではない。しかし、そういう人たちとしのぎを削る市場にいるということは自覚しておいたほうがいい。
そうはいっても、土日まで使って没頭し続けるのは自分のやり方とは違う・・・そうならないといけないのか・・・そんな風に絶望したことがある人もいるだろう。自分はそうだった。
大丈夫。モチベーションは、つくれる。
「ちょっと楽しい」を見つける
やりたいことがない。自分の仕事はライスワークだ。そのスタンスでかまわないのだが、仕事をするときにちょっと以下のように行動してみてほしい。
自分の喜怒哀楽に焦点を当てる
「楽しい」「嬉しい」瞬間、仕事で何があったか記憶(記録)する
気がついたら没頭していた業務があれば、それを記憶(記録)する
なぜ楽しかったのか、なぜ没頭したのかあとでふりかえる
「楽しい」「没頭する」を増やすためにできることを考える
考えたことを実際にやってみる
私自身も、ずいぶん昔に「ふりかえり」で出た改善案を実現するという経験が楽しく、そこから「楽しい」増えるように行動していった。そこからアジャイル開発を実践するようになり、チームにスクラムを導入し、知見を深めるために勉強会に参加し、気がつけば本を書くようになっていた。
些細な心の動きをキャッチし、自分の心がもっと動くほうへ意識的に動く。そうすると楽しいし、楽しみながら熟達していける。そう、そこには内発的動機があるのだ。
目標の前にモチベーションを持て
外から与えられた目標であっても、プロフェッショナルなあなたならきっちりと達成できるかもしれない。そのやり方でずっとやってきて、それでうまくいっているというのなら、全然それでいいと思う。
一方で、与えられた目標と自分自身の行動に掛け違いのボタンのような違和感を感じているのであれば、「ちょっと楽しい」を見つけてそれを増幅させるということをぜひ試してほしい。そして、そこからあらためて目標と向き合ってみてほしい。
いきいきと楽しく仕事をして、それが会社の方向性とも合致しているのであれば、こんなにうれしいことはない。モチベーション、つくっていきましょう。