秋季埼玉大会ベストナイン2024
戦国埼玉で闊歩する次世代スターズ
投手 大野泰輝(春日部共栄)
捕手 野本大智(浦和実業)
一塁 畠山明祈(山村学園1年)
二塁 早川大地(狭山ヶ丘)
三塁 西田瞬(浦和学院)
遊撃 広瀬聡太(春日部共栄)
左翼 内藤竜暉(西武台1年)
中堅 佐藤隆成(春日部共栄)
右翼 垣内凌(浦和学院)
DH 田代寛人(西武台1年)
救援 石戸颯汰(浦和実業)
埼玉2トップ時代から急転『下剋上突入』
花咲徳栄(3回戦敗退)
昌平(3回戦敗退)
浦和学院(準々決勝敗退)
春日部共栄(準決勝敗退)
昨秋から夏まで埼玉無敗の三冠、いわゆるグランドスラム達成の花咲徳栄が早々に姿を消した、新チームによる秋季大会2024。
その徳栄に喰らいつき全て準優勝だった昌平も同じく“魔の3回戦”を突破できなかったことで俄然、大混戦と化した。
それでも徳栄を退けた浦和学院と、来年3月一杯での勇退を公表した本多利治監督率いる春日部共栄がベスト8に残り、センバツ切符の関心はこの2校に集中することに。
ところが波乱は治まらず。準々決勝で浦学を撃破した今大会ノーシードの浦和実業が、創部初の埼玉チャンピオンに輝いている。
春日部共栄も西武台を相手に最終回に大どんでん返しを喰らい、本多監督最後の甲子園出場は絶望的に。
西武台は2019年以来の秋季埼玉準Vを果たし、5年ぶりとなる関東大会の出場を決めている。
ちなみに昌平同様、昨秋~夏まで全て花咲徳栄に敗れオールベスト4だった山村学園も、今度は浦和実業の前にベスト4敗退となった。
今大会のシードは以下の4校だ。
Aシード→花咲徳栄
Aシード→昌平
Bシード→春日部共栄
Bシード→山村学園
総じて秋季埼玉大会2024は、ノーシード2校の関東大会出場で幕を閉じた。
投打ともに安定の浦実
並み居る強豪を相手に全6試合9失点と左の二枚看板によるフル稼働が光り、打線も勝負どころで投手陣を援護する活躍を見せた浦和実業。
特にベスト8以降の3戦は、エース石戸颯汰と駒木根琉空の二枚看板で交互に投げ抜き、僅か3失点しか許していない。
打線もそれに応えるように、すべて試合序盤から点を奪い、先行逃げ切りで勝ち抜いている。二枚看板をリードする5番の野本大智が6本の長打と奮闘した。
下位に座るショートの橋口拓真も大会トップの14安打と大爆発。ベストナインの選考で迷ったが、橋口は3失策の点から後述する春日部共栄の広瀬聡太に決めている。
センバツ切符に欠かせない2人のキーマン
とはいえ関東大会は、橋口からのチャンスメイクが1つの見どころになるだろう。そこを奪三振タイプではない石戸と駒木根が、どこまで抑えきれるかだ。
関東初戦の宇都宮工業(栃木2位)は、身長180cm超のエース左腕「横山健」を軸とする守りのチーム。
競り合いになった際は野本のリードと得点圏での打席が勝負を左右し、橋口の出塁も鍵を握る。
打のブダイ
昌平を退けた狭山ヶ丘、ベスト4で対峙した春日部共栄を、いずれも打ち合いで制し関東大会出場を決めたブダイこと西武台。
初陣となった浦和麗明戦で、千葉ロッテの吉川悠斗を兄に持つ、大会注目右腕の吉川翔馬を攻略している点も大きい。
決勝の浦和実業戦こそ1得点と本領を発揮できなかったものの、それまでの4戦で28得点も上げている強打のチームだ。
1年生で4番に座る体重106kgの巨漢スラッガー田代寛人を中心に、切れ目のない重量打線を形成している。
旧チームからマスクを被る金光希は、3本の長打を含むチーム最多の6打点と躍動。田代はチーム最多の9安打、そこに8安打の今沢翔太と内藤竜暉(1年生)が続いている。
関東大会のポイントは投手陣
投手陣はリリーバー左腕の加藤爽翔を軸に、4人の継投策というのがチームのパターンだ。このうち加藤を含む3人が、今大会で初マウンドを踏んでいる。
加藤は初先発となった春日部共栄戦で、10安打を浴びながらも自責点1と力投。チーム全5戦に登板し、防御率1点台半ばの火消し役として貢献している。
秘密兵器「追木渉登」
一方、旧チームでのマウンド経験を有する左腕の追木渉登は、ケガの影響が長引いているのか、この秋は1登板2イニングにとどまった。
追木が春以来の本格的な戦力に加われば、かなりのプラス材料になる。
センバツ切符のキーマンは金光希&田代寛人
関東初戦の千葉黎明は、大敗を喫した浦和実業同様に投打のバランスが取れたチームだ。
追木の復帰に期待しつつ、複数の投手陣をリードする経験豊富な金の判断力がゲームを左右する。得意の打ち合いになったら、なおさらだ。
そして試合の流れを一気に変える、佐々木麟太郎ばりの体躯とスイングスピードを誇る田代の爆発に期待するしかない。
されども鉄板の埼玉2強
この秋は徳栄が成し遂げた埼玉三冠、ひいては昌平による準グランドスラムが相まったことで、近年稀に見る群雄割拠のファイナル決戦にて終幕。
とはいえ、埼玉における過去5年の甲子園出場校を見てみると、花咲徳栄と浦和学院の2トップは揺るがない。
夏の甲子園2024 花咲徳栄
センバツ2024 当確なし
夏の甲子園2023 浦和学院
センバツ2023 当確なし
夏の甲子園2022 聖望学園
センバツ2022 浦和学院(ベスト4)
夏の甲子園2021 浦和学院
センバツ2021 当確なし
夏の甲子園2019 花咲徳栄
センバツ2019 春日部共栄
コロナ禍で中止の2020年開催を除き、ここ数年は春に弱い傾向にはあるものの、埼玉代表はほぼほぼ花咲徳栄と浦和学院の2トップだ。
この2強鉄板は、10年前まで遡ってみても変わりない。春日部共栄が2014年夏に出場したきりで、あとは全て徳栄&浦学の独占状態だ。
ただその分、仮に今回の浦和実業と西武台がセンバツに出場となれば、新たな風を吹き込むことになる。
今秋は関東制覇から10年の節目
ちなみに埼玉勢の関東大会制覇は、2014年の浦和学院が最後だ。
この時の浦学は、明治神宮大会でも埼玉勢過去最高タイとなる準優勝(2回目)まで上り詰めている。
さらに補足すると、明治神宮大会での優勝は、松坂大輔を擁した横浜と2008年の慶應による2校=神奈川勢しか成し遂げていない。
ここ10年の神宮大会は『関東パワー』が顕著
それとは対照的に、東京はこれまで10回の神宮大会制覇を誇るものの、2010年の日大三校を最後に遠ざかっている。
同決勝まで駒を進めたのも2016年の早実が最後で、逆に関東勢はここ10年間で前述の浦和学院を含む3校と善戦傾向だ。
浦和実業と西武台には10年ぶりとなる埼玉勢の関東制覇にとどまらず、そのまま一気に「秋の全国王者」という偉業達成のスタートが用意されている。
今年は2強不在のまたとないチャンスイヤーだ。これから幕を開ける「埼玉 秋の陣 第2章」で快挙報道が続々と飛び出せば、歴史は物の見事に変わる。
それだけ、この10年間が持つ力は大きい。
関東ベスト4のブダイと目下8強突破の浦実
そんなセンバツ切符を見据えた重要な秋季関東大会の出場は、これまで浦和実業が2回、西武台は倍の4回と実は経験豊富だ。
そのうち浦和実業は初戦突破1回と相性はまずまず。2000年以来、24年ぶり3回目となる関東大会で、まずは過去最高の2勝を超えたいところ。
一方、1980年代後半に一時代を築いた西武台は、初めてセンバツに出場した当時の関東ベスト4が最高成績だ。
直近では2019年の初戦突破が記憶に新しい。続く準々決勝は関東制覇の健大高崎を相手に壮絶な競り合いを展開。
9回サヨナラで敗退したが、大会注目左腕の下慎之介を最後の最後まで苦しめている。
埼玉初のセンバツ21世紀枠も
話題は浦和実業と西武台にとどまらない。昨年のセンバツ21世紀枠における埼玉推薦校として反響を呼んだ県立坂戸だ。
初推薦は惜しくも関東地区選考で漏れはしたが、旧チームの主力だったサイド右腕の髙橋孝太を軸に、この秋も昨年に続く埼玉ベスト8進出と勢いは衰えていない。
夏は3回戦で姿を消したが、プロ注目左腕「冨士大和」を擁する大宮東と0対1の白熱した投手戦を繰り広げた点を踏まえると、今年の推薦も有望だ。
昨年を上回る全国9地区による最終選考を通過できれば、埼玉初の21世紀枠が誕生することになる。
巨人の戸郷翔征を彷彿させる変則フォームの髙橋が聖地のマウンドを踏めば、それもそれで1つの話題になるだろう。
総じて埼玉からは最低でも浦実とブダイを含めた3校に、センバツ出場の望みを託せるのが現状だ。
ベストナインの選考について
そんな訳で、ここから先は花咲徳栄と昌平のほか、残りの8強進出校にも触れつつ、今回の埼玉ベストナイン球児の大会成績や特徴について見ていこう。
なお今回は8強以上の進出校、3試合以上かつ10打席以上という線引きから、ドラ穴独自によるベストナインを選出している。
西田瞬や大野泰輝らの貴重なプレイバック動画はもちろん、特別にベストナイン外ながらプロ注目の横田蒼和などの特別映像も置いてあるので、ぜひ最後まで読み進めてくれ。
田島が唯一の徳栄
花咲徳栄の埼玉グラスラおよび夏の甲子園を知る黄金メンバーのスタメン組は、不動の5番を張った田島蓮夢のみ。
この秋から3番打者を務めチーム初陣では2安打を放つも、続く浦和学院戦はエース岡部修弥の前にノーヒットと苦しんだ。
岡部は、新メンバーがズラリと名を連ねる徳栄打線に隙を与えず、7回2安打1失点8奪三振の力投を演じている。
徳栄の4番を張る水口煌志朗
徳栄は新4番の水口煌志朗が唯一のチーム2安打と気を吐いたものの、完投したサイド左腕の渡辺祐輝を援護できず、悲願のセンバツ初制覇は持ち越しに。
岩井監督次男が新リードオフマン
そうしたなか岩井隆監督の次男で、1年生の岩井虹太郎が石塚裕惺からの背番号6を引き継ぎ話題をさらっている。
中学時代は近年の成長が著しい狭山西武ボーイズの主力メンバーとして活躍し、石塚同様に走攻守・三拍子揃った身体能力を有する今後の注目株だ。
甲子園メンバー擁する浦学
花咲徳栄との宿敵対決を制した浦和学院は、続く浦和実業戦で散発2安打の完封負けを喫している。
相手エース左腕の石戸颯汰に、あわや完全試合達成というペースで抑え込まれたなか、7回ツーアウトから不動の4番に座る西田瞬がチーム初安打を放ち、名門の意地を見せている。
続く8回に2ベースを見舞った垣内凌も、この秋キャリアハイの成績を残す活躍を見せた。
西田瞬&石田陽人
1年春から浦学のスタメンに名を連ねる西田は、昨夏の甲子園で4番の仕事を全うし一躍耳目を集めた、世代を代表する埼玉のスラッガーだ。
この秋は、夏の自己キャリアハイに迫る打棒で、その存在感を示している。
西田同様に1年春からショートのレギュラーを担う石田陽人も、昨夏の甲子園戦士だ。この秋は初戦の2安打のみと不振に喘ぐも、守備でポテンシャルの高さを見せつけている。
総合力は県下トップクラス
エースナンバーを背負う岡部修弥は、1年秋から投手陣の主力として活躍する埼玉屈指の左腕の1人。緩急を駆使した、三振を奪えるタイプだ。
今年もタレント揃いの総合力が高いチームなだけに、この秋から西田に代わって4番に座る藤井健翔の覚醒が春以降の鍵になる。
浦学の新チームは、歴代と比べても劣らない。
昌平の顔「櫻井ユウヤ」
田島や西田と同じくチームの中心選手にして、関東トップクラスの長距離砲こと櫻井ユウヤを擁する昌平。
この秋から主将兼エースナンバーを背負ったが、投手デビューはしていない。注目の本塁打も期待されたが、計2戦不発で終えている。
櫻井以外で旧チームのスタメン組は、諏江武尊と中島航作(1年生)の2人のみ。諏江が4番に座り、中島は引き続き下位を担った。
やはり課題は、未知数の櫻井を含めた投手力の強化だ。旧チームの投手陣が埼玉屈指の盤石な体制を誇っただけに、育成方法には定評がある。
ここ数年に見られる昌平の強さを踏まえれば、春は確実に巻き返してくるだろう。指導方針や近年の強さについては、以下の記事で確認した方が早い。
センターラインが魅力の春日部共栄
投打の要である、大野泰輝と佐藤隆成が牽引する形で善戦した春日部共栄。あと一歩のところで関東切符は逃したが、大野と佐藤は前評判通りの結果を残している。
埼玉の新ドクターK誕生
大野はキレが増した直球を武器に三振の山を築き、旧チームのクリーンアップを担った佐藤も新たな4番打者としての仕事を果たした。
今後注目の大型ショート
この2人に加え、チーム最多の10安打と大暴れしたのが、新リードオフマンを務めた主将の広瀬聡太だ。
身長180cmの大型ショートとして、守っても無失策とグラブさばきで魅せている。同じく無失策の1年生セカンド山﨑楓との鉄壁二遊間コンビを形成できた点も大きい。
あとは本多監督を指揮を執る3月末までに、扇の要を担う金子一路から中堅・佐藤までのセンターラインを、どこまで強化できるかで明暗を分ける。
小江戸川越から甲子園狙う山村学園
意地の4季連続ベスト4
早くも来年のドラフト候補に上がる横田蒼和を軸に、旧チームから5人のスタメン組が残る山村学園。
この秋は横田がマウンドデビューを果たし話題をさらったが、肝心の投手陣にスタメン組はいない。
この秋デビュー組の投手陣で臨んだなか、期待の打線は相当の安打数を誇ったものの、思うように繋がらず、結果的に苦しい戦いを強いられている。
それでも旧チームが築いた3季連続ベスト4を引き継ぎ、この秋も4強入りと地力を見せた。
1年生巧打者「畠山明祈」
とはいえ優勝候補の一角に上がっていただけに、2強不在の今大会を落としたのは痛すぎる。創部史上、最も甲子園が近い位置まで来ていた。
そうしたなか、チーム断トツの11安打と気を吐いたのが、1年生の畠山明祈だ。4打点5盗塁もチーム最多で、まさに大車輪の活躍を見せている。
やはり課題は投手力の強化
旧チームの屋台骨を担ったドラフト候補の西川歩を上回る投手の育成は厳しいかもしれないが、ワンランク上の舞台で戦える駒全体の底上げに注力すれば、春は大本命間違いなし。
狭山ヶ丘と川口市立
埼玉制覇の2020年以来、4年ぶりに8強進出を果たした狭山ヶ丘。新型コロナによる独自開催の2020年夏、ノーシードから8戦勝ち抜きで初優勝を達成した幻の大会は埼玉の語り草だ。
早川擁するガオカ旋風
今年の新チームは、旧チームから主力メンバーとして実績を残している早川大地が中心選手。今大会もチーム最多の7安打と打線を牽引している。
早川以外では同じく旧チームのスタメン組で、扇の要を担う川鍋孝太が3安打ながらチームトップの6打点と奮闘。
引き続きショート固定のリードオフマン、野村創汰は攻守でベスト8進出に貢献している。
西武台とのベスト8決戦は、序盤の激しい打ち合いを制し、あと一歩ところまで追い込んだ。投手陣の底上げ次第では、春の再旋風も充分にあり得る。
岩菊バッテリー奮闘の川口市立
一方の川口市立は、この秋デビュー組の新バッテリーが8強進出に大きく貢献。
エース右腕の岩下直樹はチーム初陣の大宮東戦で完封劇を披露し、その後は全試合リリーバーとしてマウンドに上がり防御率0.00で終えている。
岩下の女房役を務めた菊池悠星は、チーム最多の6安打に無失策。毎試合安打を放ち、攻守でチームを牽引した。
翔んで埼玉打線を組んでみた件
1番ファースト 畠山明祈(右投左打)
打率.550 OPS 1.35 出塁率.550 長打率.800
山村学園が誇る1年の星
この秋は山村学園の3番打者として全試合マルチ安打にとどまらず、すべての試合で盗塁もマーク。
対左も打率5割(10-5)と苦にせず、2つの盗塁を決めている点にも注目だ。
2番ショート 広瀬聡太(右投右打)
打率.714 OPS 1.694 出塁率.765 長打率.929
OPSトップの春日部共栄キャプテンシー
春日部共栄の新主将かつリードオフマンとして全試合マルチ安打、うち猛打賞が2試合と名将「本多監督」のラストチャレンジに気魄を見せた。
今回のメンバーで最高OPSを記録した、走攻守・三拍子揃う身長180cmの大型ショートだ。石塚2世の呼び声も少なくない。
3番DH 田代寛人(左投左打)
打率.692 OPS 1.542 出塁率.773 長打率.769
埼玉の佐々木麟太郎
100kg超級の巨漢から振り抜く鋭い打球にとどまらず、選球眼も持ち合わせている西武台の新4番打者。
敬遠はないが、8つの四死球を踏まえると、かなりの警戒度が伺える。春日部共栄戦では、相手エースの大野が3打席連続四死球を与えたほど。
対左腕にも打率5割(4-2)と強く、決勝の浦和実業戦で相手先発の石戸に5安打と完全に抑えられたなか、田代は特大の犠牲フライを含む2安打と気を吐いて魅せた。
4番サード 西田瞬(右投右打)
打率.412 OPS 1.15 出塁率.444 長打率.706
言わずと知れた埼玉の右スラッガー
惜しくもセンバツの望みは絶たれたが、この秋も一発が飛び出たり、持ち前の選球眼を発揮したりと打棒は健在。
前述した田代のような大柄のタイプではないものの、パンチ力が魅力の次世代を代表するドラフト候補の1人だ。
5番ライト 垣内凌(右投左打)
打率.538 OPS 1.379 出塁率.533 長打率.846
復活の鍵を握る浦学の強打者
この秋は全試合安打、うちマルチ2回、猛打賞1回と自己キャリアハイを記録した浦和学院が誇る不動の5番だ。
対右腕・左腕(7打数3安打1打点1犠牲フライ)を苦にしないシュアな打撃に定評がある。
6番セカンド 早川大地(右投右打)
打率.583 OPS 1.282 出塁率.615 長打率.667
ガオカを牽引する攻守の要
2年春から狭山ヶ丘の主軸を任され、この秋は不動の4番として仕事をまっとう。チャンスに強く、守っても無失策とそつがないタイプだ。
対右腕・左腕を問わず満遍なく対応し、全試合でマルチ安打を記録している。
定石では不利とされる対右は打率6割超(8-5)、得点圏打率も6割(5-3)で3打点をマーク。まだ公式戦で1度しか三振していない選球眼も卓越している。
7番センター 佐藤隆成(右投左打)
打率.429 OPS 1.143 出塁率.500 長打率.643
春日部共栄の主砲
夏は3番打者としてベスト4進出に大きく貢献し、この秋は不動の4番で結果を残した春日部共栄の中心選手。
全ての試合で対左腕という不利な戦況が続いたなかで、しっかりと4番の仕事を果たせた点は大きい。
8番キャッチャー 野本大智(右投右打)
打率.391 OPS 1.201 出塁率.462 長打率.739
浦実快進撃のキーマン
好リードと強肩のみならず、チーム2位の9安打で埼玉初優勝に貢献した浦和実業に欠かせない扇の要。
対左腕の3人対し、対右腕が9人と不利な打席を強いられたにも関わらず、7安打4打点、二塁打3本に三塁打2本を放ち奮闘している。
関東大会も頭脳に打棒にバズーカと大忙しだ。
9番レフト 内藤竜暉(右投右打)
打率.400 OPS 1.15 出塁率.500 長打率.650
西武台のスピードスター
新リードオフマンとしてチーム2位タイの8安打で埼玉準優勝に貢献した、西武台期待の1年生。盗塁3はチーム最多だ。
チャンスメーカーとして機能しただけにとどまらず、得点圏でも無類の勝負強さを発揮している。
対右腕・左腕に偏らずに順応できるのも、内藤の持ち味だ。
先発 大野泰輝(左腕)
埼玉の鉄腕ドクターK
チーム全4戦で全完投、初陣の先発マウンドから29回連続無失点を記録した埼玉最強左腕の大野泰輝。
自責点は最後の西武台戦9回ワンアウトまで許していない。記録にして32.1回連続自責点0だ。
この西武台戦は9回の逆襲で惜敗したものの、15三振を奪う圧巻のピッチングで最後の最後まで粘りを見せた。
大成長のオール大野
大野に始まり、誰にもマウンドを明け渡すことなく、大野でフィニッシュ。
全試合をすべて1人で投げ抜き、ここまで立派な成績を残して負けたなら、本多監督ラストチャレンジ「無念の終焉」も致し方ない。
大野はこの秋、関東大会大本命の横浜エース左腕「奥村頼人」と双璧レベルまで成長したと評価しても差し支えないだろう。
クローザー 石戸颯汰(左腕)
ユニークすぎる投球フォームで自責点1
前述の大野とは対照的ながら、難敵を相手に自責点1と大健闘の石戸颯汰。大野とは真逆の技巧派で、投球フォームも独特だ。
一見ランディー・ジョンソンを彷彿させる足の上げ方で、同時に体を極端に屈める。そこから大野豊ばりのダイナミックなオーバーハンドで放り込む。
それでいて球速勝負のタイプではない。そのギャップかつ球の出どころの分かり辛さもも相まってか、凡打の山を築けるのが石戸の特徴だ。
19.2回連続無失点
チーム2戦目のvs聖望学園から先発に回り、3試合またぎで無失点記録を伸ばしている。
やはり圧巻は浦学打線を2安打に抑えての完封劇だ。決勝の西武台戦で強打を1失点に封じ込めた点も大きい。そして現在23回連続自責点0を継続中だ。
関東大会初戦は、この勢いに任せた先発が賢明だろう。
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