IBM Power10はサムスン電子製
🟩IBMがPower10を発表しました
Power10プロセッサーは10代目Powerアーキテクチャを採用したのIBMのCPUです。7nmプロセス技術を採用し、1チップに180億個のトランジスタを集積しています。前世代のPower9と比較して、エネルギー効率と性能を最大で3倍へ高めました。
14nmプロセスの前世代Power9まで、製造はグローバルファンドリーズ(GF)に委託されていました。しかし、Power10はサムスン電子の7nmプロセスを採用しています。
🟩当初はGFで製造される予定でした
グローバルファウンドリーズ(GF)は、大手CPU企業AMDが2009年に分社化した半導体ファンドリー専業企業です。
IBMのファンドリー事業を引き継いだGF
IBMは半導体の基礎研究に的を絞り、チップ開発はパートナーに任せる方針をとっています。そのため2014年に、ファウンドリー事業をGFに譲渡しました。その際、IBMは譲渡に対して15億ドルを払い、GFがIBMに10年間サーバー用CPUのプロセスを独占提供する契約を締結しました。そのためPower10も当初の計画ではGFで製造する計画でした。
GFは7nmプロセス以降の無期限停止
ところがGFは、2018年に7nmプロセス以降の開発を無期限停止しました。そのためIBMは当初予定していた7nmのCPUの製造をGFから、サムスン電子に変更せざるを得ませんでした。
契約違反は法廷闘争へ
更にGFは2019年にはIBMから譲渡された工場をオンセミへ、ASIC設計部門をマーベル(MRVL)へと次々売却しました。プロセスの開発を辞めただけでなく、IBMに譲渡された資産を切り売りしました。こういった背景により、IBMは契約不履行としてGFを提訴する準備をしています。
🟩まとめ
IBMから見るとGFの戦略は不義理だと思います。GFは非上場企業のなので、こういった決断もできるのでしょう。
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