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カスタマージャーニーマップを作ってみた 〜JR中央線特急あずさ〜
今回もUXデザインに関することを「メモ」程度に。
はじめに
本記事の目的は以下としたいと思います。
■普段は感覚的に捉えている「サービスの体験」を文章化・図式化することで、そのサービス体験一つ一つに何が起きているのか、その時どのように感じるのか、なぜそう感じたのかを考えるため
■色々なサービス、業界の体験を知ることで、ユーザー体験(UX)のケースを増やし、「つまりどういうことなのか」「他のサービスで活かせることはないか」を考えるため
今回は「JR中央線特急あずさ」の乗車体験について書いていきますが、ここでは前提として以下のようにしたいと思います。
●今回の調査はユーザーリサーチを行っていないため、あくまでペルソナは自分自身である。(サービスによってはエクストリームユーザーとして想定される場合もある)
●TO-BEモデルのジャーニーマップ作成をゴールとするのではなく、AS-ISモデルのジャーニーマップ作成をゴールとすることで、現状の体験をしっかりと捉えることを前提とする。
※TO-BEモデル:理想的なUXモデル
※AS-ISモデル:現在のUXモデル
間違っている部分も多々あるかと思います。その際はお気軽にご指摘ください。
それでは進めていきます!
本日考えるケース
本日は2019年3月16日より新たな座席システムを導入した「JR中央線特急あずさ」の乗車体験について書いていきたいと思います。
■東日本旅客鉄道(JR東日本)が主に新宿駅 - 松本駅間を中央本線・篠ノ井線経由で運行する特別急行列車
■2019年3月16日より新たな着席サービスを導入
サービス特徴
今回のカスタマージャーニーマップでもテーマになってくる「新たな着席サービス」の詳細説明を先にしておこうと思います。本ブログは電車の説明記事ではないので、なるべく簡潔に説明していきます!
■before(2019年3月15日以前)
・自由席と指定席があった
■after(2019年3月16日以降)
・普通車全座席が指定可能
・座席上方ランプによる販売状況の表示
<その他>
・「えきねっとチケットレスサービス」開始
スマートフォンや携帯電話から座席指定を受け、駅で指定席特急券を購入せずにそのまま乗車可能
今回特に注目するべき点は、特急あずさに新たに導入された「座席上方ランプによる販売状況の表示」機能です。各座席の上に小さな信号機のような、赤緑黄色のランプがついており、そのランプの色によって、各座席の利用状況がわかるシステムになっています。
後ほど詳細の説明をしたいと思います!
ペルソナの設定
これから特急あずさ乗車体験を追っていく上でペルソナを設定したいと思います。そもそもサービスを利用して感じる体験というものは人それぞれ違うものです。なので前回のnote同様、ユーザー体験を考える上で、ユーザーモデル=ペルソナと利用文脈を考え、設定していきます。
■利用文脈とは
・ユーザーが製品、サービスを使用する際の状況のこと
・例えば「お腹が空いているか」「お腹がいっぱいか」でサービスの捉え方が変わってきます。
一番最初に説明した通り、今回のペルソナは私自分自身になります。本来はユーザーリサーチをし、ユーザーモデリングをしていく必要がありますが、目的にある通り、自分の体験を整理していきたいと思います。ペルソナは以下となります。
そして利用文脈は以下となります。
私(ペルソナ)がこれまでJR中央線の特急電車を利用する際は、基本的に「とりあえず電車に乗ってしまい、車内で特急券を購入する」スタイルでした。なので電車の時刻も直前まで決めず、ちょうど良い時刻の電車があったら・・・乗るという感じでした。
今回は「座席システムが変わった」ということで、「予約することが前提」と思い、事前に特急券を購入しました。
また利用文脈で「やや難しくなっていることを聞き」とありますが、これは親からの情報やニュースの情報の聞き流しから持った特急あずさに対する印象になります。少し不安な気持ちもありましたが、身構えるほどではありません。
カスタマージャーニーマップ
今回のブログでも、前提で書いた通り、AS-ISモデルのジャーニマップを作成し、説明を加えていきたいと思います。
▼ジャーニーマップ
今回は、
①座席システムが変わったことを知る
②チケットを事前決済
③電車に乗る
④世間の声を知る
体験
までをジャーニーマップで表現させていただきました。
ということで、上記のカスタマージャーニーマップから特徴的な部分をいくつかピックアップし、説明していければと思います。
▼「ランプの色、戸惑い」の巻
今回の座席システム変更に伴い大きな変化があったのが「座席上方ランプによる販売状況の表示」機能です。
私も実際にこのランプの色を見て戸惑いがおきたのですが、特急あずさでは、以下のようなランプの色分けを行なっています。
●赤:空席です
●黄:まもなく指定席販売済みの区間になります
●緑:指定席販売済みの区間です
この絵を見ただけでも戸惑いを感じた方がいるのではないでしょうか?
「赤」が空席で「緑」が予約済み席なのです。
私が特急あずさの車両に乗り、自分の席のところまで歩く中で、
「あれ?人がたくさん乗ってるわりには緑になってるぞ?どういうことだ?」と頭の中がごちゃごちゃになりました。(笑)
やはり、「赤・黄・緑」という色からは信号機のようなものを連想してしまい、「赤=×」「緑=○」などとイメージしてしまいます。
私の仮説ではありますが、特急あずさで緑が予約済みを表現しているのは、「JRのカラー」や「緑の窓口」みたいなところからきているのかな〜と思います。
ぱっと思い出せないのですが、コーポレートカラーでサービスの機能を表現した結果、人間が色から感じる”機能イメージ”と逆転してしまい、混乱を招いてしまうケースって他にもありますよね!(思い出せないw)
<この場面の感情曲線>
・「緑って何を表している?」と戸惑いを感じ気持ちが下がる
▼「どんなに正しいことでも自分が間違ったと考えてしまう」の巻
ジャーニーマップに少し書かせていただいておりますが、今回私(ペルソナ)は席を予約し決済をして乗車したのにも関わらず、その席には外国人観光客が乗車しておりました。
予め新聞等で情報を耳にしていたので、こういった問題が起きる可能性があることは理解しておりました。
ただ、、、自分かーーーいww っていう感じでしたね。
乗車前に5回ほどメールにて座席を確認し(笑)、「よし座るぞ!」と思ったところの出来事だったので驚きでした。が、それと同時に
「自分が間違えている?」
という考えが頭を駆け巡り、しまいには「もしかしたら2列前に空いている座席が自分の席なのかもしれない」とまで考えてしまいました。
どんなに正しいと思っていても、周りの多数の人間が間違った意見を言っているとそれが正しく思えてくる・・・みたいな話をよく聞きますが、まさにそのような感情になってしまいましたね。
ちなみにこの外国人観光客の方が間違えていた理由は「座席上方ランプの色の変化に気づいていなかった」という理由でした。
こういうことです。難しい(笑)
<この場面の感情曲線>
・想定していた問題が自分の目の前で起き、焦った結果気持ちが下がる
・自分が間違えているのではないかという感情に陥り、気持ちが下がる
まとめ
今回も非常に薄くなってしまいました。(笑)
事実の説明と感情の説明が混ざっているため、わかりづらい箇所が多かったかと思いますが、少しでも伝わっていれば幸いです。
ちなみにこの特急あずさについて、2019年3月21日の山梨日日新聞に以下のようなコメント(乗車した人の声)が書かれていましたので、ご紹介程度に。
「車内アナウンスを聞くまで、座席上のランプの意味がわからなかった」
「アナウンスをしばらく流さないと、ほとんどの人が理解できないと思う」
「まだ浸透していないと感じた。自分も自信がない」
やはり慣れ親しんだシステムが大幅に変わるということは、ストレスがかなりかかるようですね。。
ただ座席上のランプなどは慣れてくるととても便利な機能になるかと思います!
(カバンの席取りもなくなるし、声をかけなくて済む可能性も高まる)
<おまけ>今回の体験を抽象化してみると
・コーポレートカラーから感じるイメージと、人間が色から感じる機能イメージは別で考える必要がありそう
<参考文献>
・https://tetsudo-ch.com/3590438.html
・UXデザインの教科書
以上です!ありがとうございました(^-^)