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ヴィーガンがノンヴィーガンの友人に知っておいてほしいこと
あなたの身近にヴィーガンの方はいますか?
ヴィーガンの友人と接する時、「これは大丈夫かな…?」「あの発言、まずくなかったかな…?」と心配になることはありませんか?
逆に、ヴィーガンの方の中には、「こういうものをよくプレゼントされるけど、実は困るんだよなぁ…」「こういうシチュエーション、気まずいんだよなぁ…」と悩んでいる方もいるかもしれません。
ここでは、ヴィーガンが友人付き合いの中で困りがちなことや、「こうしてくれるとありがたいな」と思っていることをまとめてみました。もちろん、ヴィーガンと一口にいっても価値観や考え方人それぞれ。ここに載せるものは、あくまでわたし個人の考えにすぎません。もし身近にヴィーガンの友人がいる場合は、「この人はこう言ってるけど、あなたはどう?」と本人に確認するのが一番確実です。この記事は、その際のざっくりした参考程度にしていただければ嬉しいです。
ヴィーガンとの外食
ヴィーガンのお店の探し方
たぶん、一番多くて、しかも一番困る率も高いのが外食。
わたしはヴィーガンのお店探しが生きがいみたいなものなので、自分で探すのがまったく苦ではないのですが、最近は友人が事前に調べておいてくれることもあり、そういう配慮をしてもらえると「歩み寄ってくれているんだなぁ」と感じて嬉しいです。とはいえ、ヴィーガン対応のお店探しってなかなか難しですよね。
そこでまずおすすめなのが「Happy Cow」というアプリ!
Happy Cowは、ヴィーガン御用達の飲食店情報アプリです。世界中のヴィーガンカフェやレストラン、あるいはヴィーガンメニューを扱うお店の情報がかなり網羅されていて、今いる場所から近いお店を地図で検索できるので超便利です。
*サイトから検索もできるぽい。 https://www.happycow.net
あとは、わたしが尊敬しているマクロビマウスさんのブログもおすすめ。特に首都圏周辺のヴィーガン店情報が豊富ですが、一部地方の情報もあり、最新情報をどんどん更新してくださるので、めちゃくちゃ参考にさせていただいています。
(※ ただし、閉店や移転しているお店もあるので、必ず公式HPやSNSで最新情報をチェックしたほうがベター)
*マクロビマウスの日本ベジカフェガイド
わたしもちょこっと紹介してたりするのでご参考にどうぞ。
ヴィーガンメニューのないお店ではどうする?
とはいえ、ヴィーガン対応しているお店を選べないこともありますよね。そういうときのために、ジャンル別にざっくりしたガイドを書いておきます。
まず和食。
味噌汁やそば・うどんをはじめ、和食は出汁を多用するので、ヴィーガン的にはかなり難易度が高いジャンルです。天ぷらも卵を使っているお店が多い。ごはん自体はOKでも、おかずにはかなりの確率で出汁が含まれているんですよね。マクロビオティックや精進料理のお店でない限り、完全に動物性を抜くのはなかなか厳しい印象です。
一方、イタリアンでは、出汁のようなものは使わないので、パスタやピザも「ベーコン(アンチョビ、チーズetc.)抜いてください」とお願いすれば、意外と柔軟に対応してくれるお店も多いです。ペペロンチーノなど、もともとシンプルなメニューならそのままいけることも。
ただ、原材料をチェックすると、シンプルなパスタにもなぜかゼラチンが含まれていたりすることもあるので、事前に調べたり、お店の人に確認したほうが無難です。
インド料理も選択肢のひとつ。肉なしのメニューがあるお店も多いですが、乳製品はOK(ラクト・ベジタリアン)なお店が多く、ヴィーガン対応していないことも結構あります。そのため、やはり事前に調べておくのがおすすめです。
【大勢での飲み会のときなどはどうする?】
・費用の問題
ヴィーガンだと、食べられるものが枝豆・ポテト・豆腐・白米くらいしかない…なんてこともよくあります。そうなると、他の人たちと同じ金額を徴収されるのは、ちょっとモヤモヤしがち…。最悪、ヴィーガンオプションがほぼないお店の場合は、費用を少し安くしてもらえると助かります。
・問い合わせの問題
ヴィーガンは、毎回自分ひとりで頭を下げてお願いしたり、お店にいちいち問い合わせたりすることが多いです。なので、ノンヴィーガンの人が代わりに問い合わせてくれたりすると、すごくありがたいです。また、幹事さんにも毎回毎回説明するのに疲れてしまうこともあるので、「〇〇さんはヴィーガンですよ」ってさりげなく伝えてもらえるだけでも、一仕事減って助かります。
【サラダは粉チーズ、ドレッシングに要注意】
「ヴィーガンでもサラダなら大丈夫でしょ!」と思って頼んだら、上に粉チーズがかかっていて食べられなかった…。ドレッシングにも卵や牛乳が入っていてアウト…なんてことも、あるあるです。トッピングでベーコンがのっていることも。
「そのくらい我慢すれば?」と思われるかもしれませんが、ヴィーガンになると味覚や嗅覚がかなり変化して、だんだん体が受け付けなくなることが多いんです。実際、わたしも乳や卵が入っているとすぐ気づきますし、食べた後に胃がもたれて気持ち悪くなってしまいます。
「そんなことで…」と思うかもしれませんが、もしよければ、その不満をどうかお店への要望という形で伝えるほうにエネルギーを使ってもらえたら嬉しいです。
ヴィーガンへのプレゼント
「ヴィーガンへのプレゼントって何をあげたらいいんだろう?」
そう迷う人も結構いるようなので、わたしがこれまでにもらって困ったものを、記憶の限り書いておきます。
・洋菓子はだいたい×、和菓子はだいたい○
定番のプレゼントである洋菓子は、バター・卵・牛乳がふんだんに使われていることが多いので、ほとんど食べられません。とはいえ、プレゼントで洋菓子をいただく機会は本当に多く、わたしも断りきれずに受け取ってしまうことも。あげられるものは他の人に譲るのですが、生菓子などは日持ちしないので、「せっかくいただいたのに申し訳ない…」と思いつつ、自力で食べることになり、実は辛い思いをしています。
一方、和菓子屋さんにいくと、高確率で卵・乳不使用のものが見つかります。厳密に言うと、ヴィーガンは白砂糖も避ける人が多いのですが、和菓子屋さんだと甜菜糖など他の甘味を使っていることもあり、プレゼントには見つけやすいジャンルです。
・パン屋さんの選択肢も
パン屋さんだとベーグルはヴィーガン対応なことが多いです。バゲットやフォカッチャなどシンプルなパンのほか、まれにあんパンなどがいけることもあります。
最近はアレルギー対応で原材料を表示してくれているお店も多いので、確認しやすいのもポイントです。
・ヴィーガンスイーツも今はいろいろ
ちなみに、最近はヴィーガン対応の洋菓子を扱うお店も増えてきました。
アインソフ、松竹園、Marble Vegan、Plant moreなど、選択肢はいろいろありますし、通販も豊富。
プレゼント選びをきっかけに、新しいお店を開拓してみるのも楽しいと思います。
・フルーツ&野菜は嬉しいけれど…
もちろん、フルーツや野菜ならほぼ確実に大丈夫です。しかし、以前、わたし以外のみんなには豪華なケーキが用意されていたのに、わたしだけ生のリンゴを渡されたことがありました。「え、みんながデコレーションケーキ食べてる間、わたしはリンゴをかじってろってこと…?」と、さすがにちょっと疎外感を覚えました。ヴィーガンだからといって、生の野菜やフルーツばかり食べているわけじゃないよ!
・おせんべい・おかきは曲者
よくいただく「曲者プレゼント」は、おせんべい(と、おかき)。おせんべいって、実は魚介の出汁が入っていることが多いんです。でも、「これなら食べられると思って買ってきた!」と嬉しそうに渡してくれる方も多く、その場で「実は…」と指摘するのも申し訳なくて・・・。もちろん出汁が入っていないせんべいもあります。わたしもときどき成城石井などで見つけては買っています。
・ゼラチンも要注意
ゼリー類は、たいていゼラチンが使われているため、ヴィーガンだと食べられません。寒天を使ったゼリーだといけるんだけど。台湾風のゼリーとかだといけることがあります。
・はちみつに気をつけて!!
意外と忘れられがちなのが、「ヴィーガンははちみつもNG」ということ。はちみつ入りのものは、食べられない・飲めないので要注意です。特に盲点なのが、ジンジャーティー、レモネード、梅干しなど。「こんなものに入ってるの!?」というものにも、けっこう入っていたりします。
・酒は飲めるよーーワインはヴィーガンワインだと無難
たまに「ヴィーガンってお酒もダメなの?」と聞かれることがありますが、アルコール自体は基本的にOKです。ただ、ワインは製造過程でゼラチンを使うことが多く、普通のワインは実は完全ヴィーガンではありません。でも最近は、コンビニでもヴィーガンワインが買えたりするので、気になる方はそちらがおすすめです。
・その他の食材——基準は人それぞれ
以前、トリュフ塩をいただいたとき、「あげて大丈夫だったか心配になった」と言われたことがあります。(※トリュフは豚が探すから、動物搾取的な観点が気になる人もいる、という話。)わたしはその時初めて「あ、そっか」と気づいたくらいで、正直気にしてはいませんでしたが、気にする人は確かにいそうです。
同じように合鴨農法で作られたお米なども、気にする人は気にするかもしれません。
コンタミ(製造過程で動物性のものが混入すること)についても、気になる人とそうでない人がいますので、このあたりは、本人に直接確認するのが確実です。
・毛皮や動物性の衣服、アクセサリー、バッグ等
高級な革のバッグをいただいたことがあるのですが、どうしても「動物の死体」に見えてしまい、使うことができない…ということもありました。
冬場だとファー付きのコートや革のブーツなどもそうですし、イアリングやピアス、アクセサリー、バッグなど、服以外でもファーを使っているものに注意が必要です。
また、猫のおもちゃにもファーが使われていることがあります。
・化粧品
わたしはあまりコスメに詳しくないのですが、ヴィーガン的に化粧品を選ぶときは、以下の2点をクリアしていることが必須です。
① 動物実験をしていないこと
② 動物由来成分を含まない(ヴィーガン製品である)こと
ただ、この2つって商品ラベルを見ただけではわからないことも多く、なかなか難易度高め…。
最近は、一般の薬局や化粧品売り場でも、「ヴィーガン」「クルエルティーフリー」と表記された商品が増えてきましたが、まだまだ種類は限られているので、わたし自身は最初からヴィーガン専用コスメを調べて通販で買うことが多いです。
動物実験の有無については、JAVA(日本動物実験廃止協会)さんのコスメガイドがとても参考になります。
(→ JAVA コスメガイド)
以下はあくまでわたしのぼやきなので参考程度に。
人と一緒にいるとき、内心思っていることなどを書き連ねてみました。
うちにくるときは、動物性の食品は持ち込まないでほしい・・・
ノンヴィーガンの方がうちに来たとき、もっとも不快だったのは、うちで魚を調理されたことです。まな板や包丁、皿をすべて洗わなくてはならないし、魚が入っていたパックを洗ってゴミに出すのも、正直すごく嫌でした…。それ以降、「わたしの家には動物性の食べ物は持ち込まないでください」とお願いするようにしています。(本当は「魚もやめてほしい」と伝えたのですが、聞いてもらえませんでした…)
ちなみに、以前アンケートをとった際にも、「(来客に)レンジで肉を温められたのがとても嫌だった」という声がありました。
ヴィーガンのお家にお邪魔するときは、洗い物やゴミ出しもヴィーガン側の負担になるので、動物性の食品は持ち込まないのが無難かと思います。
【ヴィーガンの人が家に来る時はどうする?】
ヴィーガン対応のおもてなしをしてもらえたら、もちろんすごくうれしいです。
でも、それってやっぱりハードルが高いことだと思うので、「こちらでヴィーガンの食事は用意できないから、自分で持ってきてくれる?」と正直に伝えてもらって全然大丈夫です。
実際、わたしの友人も、家に遊びに行くときには毎回「食べ物は自分で持ってきてー!」とはっきり言ってくれるので、こちらとしてもむしろ気が楽です。
ヴィーガンはマイノリティではありますが、人のおもてなしを受ける立場であれば、事前に自分から事情を伝えたり、最低限の配慮をすることも必要だと、わたしは考えています。
それから、人の家におじゃまして、何か用意していただいたときには、それが完全ヴィーガンではなさそうでも、その場ではありがたくいただくことにしています。(※だし汁や牛乳レベルまで。卵や肉・魚など、はっきり固形で動物性のものはさすがに食べられません。)
このスタンスを「生ぬるい」と感じる人もいるかもしれませんが、経験上、せっかく用意してくれたものを断ることで人間関係にヒビが入ってしまうケースを何度か見てきました。
それよりも、長い目で見て関係を続けながら、少しずつヴィーガンの価値観を知ってもらったり、抵抗感や偏見をなくしてもらうほうが、結果的にはプラスになるんじゃないかな、とわたしは思っています。
お肉のにおいがきついお店は避けてもらえるとありがたい・・・
これはヴィーガンでも人によるとは思うのですが、わたしの場合はかなりきついです。感覚的には、タバコの煙が苦手な人が「喫煙席は無理!」って感じるのと似ているかもしれません。
特に、焼肉・焼き鳥・しゃぶしゃぶ系のお店は、においが服や髪にもつきやすく、正直かなりつらいです。
以前、ノンヴィーガンの友人がヴィーガンBBQを企画してくれたときは、お肉のにおいが充満しているBBQ会場ではなく、レンタルスペースを借りてくれて、おかげで久しぶりにBBQを楽しむことができました。ヴィーガンになってからはじめてBBQができたので、すごくうれしかったです。
*ちなみに、ヴィーガンBBQセットは通販で購入しました。
一緒にいるときは、動物性のものを食べないでくれるとうれしい(でも、日本だとなかなか難しいよね・・・)
これもヴィーガンによって考え方はさまざまです。
わたし自身の本音としては、「せめて一緒にいるときくらい、動物性のものは食べないでほしい」と思っています。
ただ、そういう希望を自分から強く伝えることはありません。とはいえ、目の前でお肉を食べている人がいると、どうしても無意識に目で追ってしまったり、会話をしていても上の空になってしまったりして、結局気まずくなってしまうこともあります。
でも、現実には日本だと、ヴィーガン対応のお店はまだまだ少ないです。特に、小さなお子さんがいる家庭だと、行けるお店は限られてしまうし、ファミレスなんかに行けば、ヴィーガンメニューはほとんど皆無。(今のところ、ロイヤルホストのカレーやデニーズのハンバーグくらい。)子育てで手いっぱいの友人に対して、「ヴィーガンのお店にして」なんて言える立場でもありません。
そんなときは、「仕方ない…」と割り切って、自分の感情のスイッチをオフにしています。
こういう状況は、個人ががんばるというより、企業やお店側が改善していくべき課題だと思うので、わたしも地道に意見や要望を届けるようにしています。
このあたりの考え方や許容範囲は、ヴィーガンによってかなり個人差があるので、
もし身近にヴィーガンの人がいたら、「一緒にいるときはどうするのがうれしい?」と本人に直接聞いてみるのが一番確実です。
一緒にいるときは、毛皮製品を身につけないでくれると気が楽だなぁ・・・
これは、意外と気づかれずにやられてしまうことが多い気がします。
わたし自身はエコファーなら気にしません(※ちなみに、エコファーもNGなヴィーガンの方もいます)。なので、わたしもエコファーのコートは愛用しています。
でも、明らかに本革だろうなという服やバッグ、靴を身につけている人と一緒にいると、それがどうしても「動物の死体」にしか見えず、目のやり場に困ってしまいます。そのせいで、会話していても心ここにあらずになってしまうこともあります。
食事の場合は、「ヴィーガン対応のお店が少ない」といった事情もあって、すぐにどうこうできない部分もあると思うのですが、毛皮や革製品は、今ではまったく使わなくても生活に支障はありませんし、むしろ代替品の方が安くて、どこでも手に入る時代になっています。
せっかく会うなら、お互いに気持ちよく過ごしたいので、避けてもらえるとうれしいです。
ヴィーガンへの差別発言・偏見・質問攻めはやめてくれ・・・
ヴィーガンであることを公表していると、時折、「ヴィーガンなのに太ってるね/痩せすぎじゃない?」といった体型に関するコメントや、「ヴィーガンでかっこいい人って見たことない」「ヴィーガンにイケメンっているの?」などの見た目に関する偏見、さらには「ヴィーガンなのに意外と普通だね」といった、ちょっと引っかかる言葉をかけられることがあります。
また、「植物はかわいそうじゃないの?」といった揚げ足を取るような議論をふっかけられたり、ヴィーガンの子育てについてあれこれ口を挟まれたり、過剰に健康を心配されたりすることも少なくありません。
実際、ノンヴィーガンの方が思っている以上に、普段から偏見や差別的な言動にさらされているヴィーガンは少なくありません。私自身、過去には「ヴィーガンは部落差別だ」と叩かれた経験もあります。
また、「ヴィーガンは不健康だから」と決めつけて、無理に肉や魚を勧めてくるといったことは、相手を思っての行動だったとしても、正直かなり辛いものがあります。
一方で、「ヴィーガンの話題に触れて大丈夫かな?」と変に気を遣われすぎるのも、少し寂しく感じることがあります。個人的には、「どうしてヴィーガンになったの?」と素直に興味を持って聞いてもらえるのはうれしいので、気軽に声をかけてもらえたらな、と思っています。
お互いの価値観を尊重し合いながら、気持ちよくコミュニケーションができるとうれしいです。
【種差別的な発言】
日頃、何気なく使ってしまう言葉の中にも、ヴィーガンとしては少し引っかかる表現があります。
例えば、「家畜以下」「動物以下」「人間以下」といった言葉です。
こうした表現には、動物を人間より劣った存在として扱う考え方(=種差別)が含まれており、ヴィーガンの価値観からすると、複雑な気持ちになることがあります。
最近では、イスラエルの防衛大臣がガザの人々を「人間動物」と呼んだ発言が問題になりましたが、特定の存在を動物に例えて差別する意識は、実は日常のあちこちに潜んでいます。たとえば、漫画や映画の中でも「豚野郎」「虫ケラ」といった侮辱のためのセリフに動物が使われることがよくあります。
こうした「動物を貶める表現」が歴史的にどのように差別や虐殺と結びついてきたかについては、チャールズ・パターソンの『永遠の絶滅収容所——動物虐待とホロコースト』という本に詳しく書かれています。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
動物園・水族館、動物カフェなどの話をされるとリアクションに困る・・・
「ヴィーガン=動物好き」というイメージからか、動物園・水族館などの動物の写真を見せられたり、行くことを誘われたりすることがたまにあるのですが、ヴィーガンの考え方は、単に「動物が好き」というより(動物が好きな人も多いですが)、「動物を搾取したくない」という思想に基づいています。
そのため、本来の生息地から切り離され、不自然な環境で暮らすことを強いられている動物園・水族館には、あまりいいイメージを持っていない人がほぼ全員かと思います。
特に、動物カフェなどは、動物たちへの負担が大きく、海外では禁止にされている国も少なくありません。日本ではまだ身近な存在ですが、ヴィーガンにとっては「かわいい癒やしスポット」ではなく、「動物たちを娯楽のために利用している場所」にしか映らないことが多数かと思います。
ただ、動物を飼育すること自体に対する考え方には個人差もあります。
例えば、わたし自身は「ペット」という存在自体は許容しているので、「ペット」という言葉に特に抵抗はありませんが、ヴィーガンの中には「ペット」という呼び方を避け、「伴侶動物」「コンパニオンアニマル」と呼ぶ方もいます。さらに言えば、動物を飼うこと自体を否定的に捉えるヴィーガンもいます。
このように、動物に対する考え方やスタンスはヴィーガンと一口に言っても人それぞれなので、ぜひ「あなたはどう考えてる?」と個別に聞いてもらえるとうれしいです。
*以前、わたしたちの座談会にて動物園の問題も取り扱ったので、ご興味のある方は読んでみてください。
SNSに肉料理の写真が流れてくるのが辛い・・・
ヴィーガンの中には、工場畜産や屠畜の厳しい現実を伝えるドキュメンタリーなどを見てきた人が多く、肉や魚の写真を目にすると、その映像がフラッシュバックしてしまうことがあります。
街中の広告などでも日常的にそうしたビジュアルを目にするため、せめてSNSでは安心して過ごしたいと思う人もいます。リラックスしているときに突然そうした写真が目に入ると、精神的なダメージを受けることがあるのです。
自分の投稿をヴィーガンの人が見ているかもしれないと少し意識してもらえると、とてもありがたいです。
* 以下の記事もご参考に。
動物搾取の映像や写真・作品を見せないでほしい・・・
これもなかなか難しくて。
一緒に映画を見ているときなど、避けられない場合は仕方ないのですが、意図的に動物虐待や搾取の映像・写真を見せられると、とても辛い気持ちになります。
もし事前に見せる内容を準備している場合は、その中に動物の虐待や虐殺が含まれていないか、少し意識してもらえるとありがたいです。
たとえば「性暴力の描写が含まれます」といった注意喚起があるように、「動物への虐待が含まれます」と表示されると助かるな…と感じることもあります。
結局は対話が大事
ヴィーガンとして生きていると、「一緒にいると緊張する」と言われることがあります。それが少し悲しく感じることもありますが、でも、お互いに感じ方や考え方が違うのは当たり前のこと。だからこそ、たとえば「ヴィーガン的にはちょっときつかった…」という場面があったときには、
「どうしてそう思ったの?」
「どの部分が問題だと感じた?」
といった形で、対話を続けてもらえると嬉しいです。
ヴィーガンにとっては当たり前に感じることでも、そうでない人にとっては気づきにくいことがありますし、その逆もあります。価値観の違いは避けられませんが、そこで会話をやめてしまうのではなく、「お互いの考えを知ろう」とする姿勢が大切だと思います。
とはいえ、私自身も環境問題の観点ではプラスチック削減ができていなかったりして、環境活動家の前では「怒られるかも…」と感じることがあります。
どんな立場であっても、誰しもが完璧ではないし、すべての問題に等しく取り組めるわけではない。だからこそ、「そんなのも知らないの?」と批判し合うのではなく、違いを受け止めながら、知識や意見を粘り強く共有していくことが大切なのではないかと思います。
*
ヴィーガンがどのような悩みを抱えているか、また、ノンヴィーガンがヴィーガンのどういったところが理解できないのか、お互いがわかりあうためのコミュニケーションについて丁寧に描かれたおすすめの本です。
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