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ポストコロナ時代、地方に住む私が感じるローカル経済の展望。(後編)

 さて、後半です。

 前半は、給料が下がってくるから東京の一極集中がなくなり、ローカル経済圏の競争は激化するのではないかという話をしました。今回は後編ということで、コロナ時代の働き方を現場レベルでフォーカスしてみようと思います。

 もし前半をお読みでない方は、ぜひこちらからご覧ください。


商品力と、その魅力を伝える資料が重要に。

 新規営業に関して、飛び込み営業がほぼ出来ない状況となりました。飛び込みをしようものなら、反射的にウイルス扱いされてしまいます・・・。冗談はさておき、売上を上げなければならない状況ですがが、控えたほうが良いと思います。嫌々やっていた若手の方にとっては嬉しいことなのかもしれませんが、これは新規獲得のハードルが上がることになると思います。

 私も昔は飛び込み営業をよくやっていました。はっきりいって時間効率は悪いのですが、経験的に考えると一定の成果は得られます。自分に武器がないとき、スキルがないときはとにかく一生懸命回ることは、正直アリだと思います。飛び込みがきっかけで後々大事なアカウントに育ったというのは、よくある話です。

 しかし社会全体のテレワーク化が進んでしますと、その手法もいよいよ通用しにくくなります。飛び込み営業はおろか、電話営業でも担当者が不在となりがちです。いまこんな時期なので・・・と、営業を受ける方も断りやすくなりました。加えて企業の体力に不安を覚えている現在の状況では、とりあえずお試しでという機会も減りそうです。よりシビアな選別がされていくと思います。

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 このような状況で新規獲得にあたってはどうすれば良いかと簡単に考えられることは、過不足ない最適な商品提案が何より大事であることは間違いないのですが、それに加えてその魅力をしっかりと伝える資料が大事になるかと思います。

 なかなか担当者に会えないという状況下においては、担当者が決裁者に右から左で渡せる詳細な資料が必要です。担当者が上役に安心して渡せる資料でないと、検討のテーブルすらあがらないと思います。だから的確に資料に落とし込む必要があります。

 とはいえ、資料が多すぎても見る気が起きません。わかりやすい資料作りの編集センスが問われると思います。色使い、レイアウト、フォントのセンスなど資料の雰囲気を良く見せるデザインは、スピード優先の中では軽視されがちではありますが、まず見てもらうためにとても重要です。

 そして最も重要なのは、ただ商品機能を伝えるだけではなくて、その商品を使うことで会社にどう役に立つのか。これまではその行間で考えられていた商品の特性などを出来る限り明文化するべきです。トークでフォローをしていた部分ですね。面倒ですけど、しっかり資料にアウトプットすべきです。資料に落とすのはけっこう大変なのですが、頑張ったほうが成果は上がると思います。

 とにかく、相手に、ん!?とか、おっ!?とか思わせないことには、興味を持ってくれず先に進みません。会いにくい状況で思いを伝えるには、資料にその熱を込めるのが最適だと思います。資料に手を加えることができなければ、メールの本文や添書などに注ぎ込めば良いと思います。

 正直それでもあまり見てくれないと思いますが、なんとなくこの人なら安心できるかなということが伝われば良いと思います。大変かもしれませんがそうやって次の一歩に進む足がかりを探すとことも良いのではないかと思います。

営業ツールに動画を取り入れてみる。会社、個人のポートフォリオにチャレンジする。

 さらにコロナ禍の営業として押し進めて考えてみると、商品説明を動画に落とし込んでも面白いと思います。ネット情報によると、1分間の動画が持つ情報量は、180万言語、原稿用紙4500枚、3,600分のWebページに相当するといわれています。

 今はスマホのおかげで手弁当でも作ることが出来ますのでチャレンジしてみるのもひとつ手かと思います。テンポよく作ることが大事でしょう。奇をてらって変なノリで作るのは個人的には辞めたほうがいいと思いますが…。

 また、少しお金がかかりますが地元のタレントさんを使うのもありだと思いますし、モーショングラフィックスばりばりのカッコいい資料も面白いと思います。とにかく商品の動画を作ることは、営業のクオリティが平均化されますし、効率が上がるように思います。

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 あともうひとつ仕事実績のポートフォリオを作ることも大事だと思います。会社などはすでにホームページなどで挙げられているかもしれませんが、もしなければ早急に作るべきです。取引前には自社のホームページは大体見られています。

 会社のポートフォリオに加えて、自分個人のかかわった仕事実績のポートフォリオを作るのも面白いと思います。今は便利になっておりまして、無料でホームページが作れます。WIXなどが有名ですね。差し支えのない範囲で問題ないと思いますので自分の仕事実績を作り、パスワードつけて限定公開でアップしておけば良いと思います。名刺にリンクのQRコードを入れればもう終わりです。(紙名刺も無くすという話ですから、直リンクもできそうです。)

 実績というのはイチイチ言葉で説明するのは面倒ですが、アップしておくと相手は自分のペースで見ることが出来ます。人間の心理的にもそのような実績があるんだったら、少なくとも一回は見ると思います。

 自分が過去に経験した業務の情報は、意外と仲のいいお客さんでも全ては知らないものです。実績を見える化することは、それがきっかけで、お客さんにとってあなたの新しい一面の発見をすることになり、もしかしたら任せてもらえる仕事が発生するかもしれません。一度作ってしまえば、あとは足していくだけなので作らない手はないと思います。

 特に実績がなくてもパーソナルな情報でも良いと思います。要はきっかけ作りの要素をしっかりと、アウトプットしておくことが大事だと言うことです。営業がしにくくなった分を、このような時間に割く方ことは有効であると私は思います。


地方ほど企業が倒産する。今は耐え忍ぶだけでも有効か。

 前編でも述べたとおり各産業で連鎖的に売上が下がり、もっと倒産することは避けられないかと思います。資本の少ない企業が多い地方は、かなり地殻変動が起こるのではないかと思います。

 政府は無担保ローンを出しておりますが、右肩上がりでない業種はクリティカルな業態変化を図らない限り、お金があったとしても寿命の先延ばしであって、根本的な解決にはなりません。変化をしなければ生き残るのは非常に難しくなってくるかと思います。そういう意味では、今後の取引は与信管理にも注意が必要です。

 とは言うものの各企業のリタイアが進む状況では、とにかくコストを抑えて耐え忍ぶだけでも有効であると考えます。倒産が進むことは一方では競合が少なくなることを意味します。小さい企業の倒産に関しては引き受け手がないことがしばしばありますので、そこが抱えていた顧客を狙うチャンスが生まれます。

 その情報の取り方はいくらでもあると思いますので、こっそりと狙いをつけておくというのは一つの手であると思います。とにかく我慢すれば周りがいなくなる。ただ残った会社は強力な会社ばかりですけどね…。


大事な事はコロナ以前と変わらない。ただやはり大変。

 不安を掻き立てるようなことをいっぱい書いてしまいましたが、いくら商品が良くても東京からの流入に脅威があったとしても、新規取引についてはなんだかんだ時間がかかると思います。いくら相手が有名な企業であっても、信頼を築くには一定の時間がかかります。ローカル単価に折り合いをつけることにも時間がかかりそうな気がしますし…。 

 やはり大事なことは、顧客としっかり向き合い、良いものを最適なタイミングで提供することです。会社都合でモノを売るわけではなく、顧客が喜ぶためにどうすれば良いかを考え、引き続き信頼を勝ち取ることです。この点に関してはコロナ以前と特に変わりはないと思います。

 もし商品においてそのようなものがないのであれば、やはり一生懸命考えないといけないでしょう。場合によっては転職を検討することも必要だと思います。なんとなくではもう通用しないと思っていたほうがいいでしょう。

 今後どうサバイバルするか、考えざるを得なくなりました。マクロでもミクロの観点でも。引き続き毎日が勉強と思い、その学びを情報発信していければと思います。

 最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

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