リーダーシップとマネジメントの違いとは?それぞれの役割や重要性を事例で解説
こんにちは!
今回は「リーダシップとマネジメントの違いとは?」です。聞いたことあるけど、いまいち理解していない方に向けて、なんとなくわかる!をゴールに説明していきます。
リーダーシップとマネジメント
「リーダーシップ」と「マネジメント」。ビジネスの世界では頻繁に耳にする言葉ですが、この2つの違いとはなにか?似ているようで違います。
リーダーシップとは、人々を魅了し、目標達成に向けて意欲的に人と組織全体を行動させていく力のこと。一方、マネジメントとは、組織の目標達成のために、計画、組織化、指揮、統制を効率的に行う機能を指します。
リーダーシップとマネジメントは、どちらも組織を成功に導く上で重要な役割を果たしますが、その性質や役割は大きく異なります。リーダーシップは、ビジョンを示し、人々に方向性を示す力であるのに対し、マネジメントは、計画を実行し、組織を効率的に運営する力と言えます。
しかし、両者は密接に関連しているため、混同されやすいのも事実です。リーダーがマネジメントを行い、マネージャーがリーダーシップを発揮することもあります。
リーダーシップとマネジメントを区別して理解することは、組織の目標達成、人材育成、そして組織文化の形成において非常に重要です。それぞれの役割と機能を正しく理解することで、より効果的な組織運営が可能になります。
リーダーシップとマネジメントの具体的な違い
リーダーシップとマネジメントの違いを、具体的な側面からいくつか見ていきましょう。
目標設定における違い:リーダーは、将来を見据えたビジョンを創造し、組織全体の目標を定めます。マネージャーは、そのビジョンを実現するための具体的な計画を立て、目標を達成するためのプロセスを管理します。
人材育成における違い:リーダーは、部下のモチベーションを高め、能力開発を支援することで、彼らが自発的に成長できる環境を築きます。マネージャーは、部下に対して適切な指示や指導を行い、業務を効率的に遂行できるようにします。
意思決定における違い:リーダーは、不確実な状況下でも、リスクを恐れずに大胆な意思決定を行います。マネージャーは、データや情報を分析し、論理的な根拠に基づいた意思決定を行います。
組織文化への影響:リーダーは、組織文化を形成し、共有する価値観や行動規範を確立します。マネージャーは、リーダーが築いた組織文化を維持し、組織全体に浸透させる役割を担います。
もう少しケーススタディを用いてみていきましょう。
ケーススタディ:新入社員の育成
あるIT企業に、新入社員のAさんが入社しました。Aさんはプログラミングの基礎知識はあるものの、実務経験はほとんどありません。Aさんの育成を任されたリーダーのBさんとマネージャーのCさんは、それぞれ異なるアプローチでAさんを育成していきます。
リーダーBさんのアプローチ
Bさんは、Aさんに将来のキャリアビジョンを尋ね、Aさんが目指すエンジニア像を共有しました。そして、そのビジョンを実現するために必要なスキルや経験をAさんと一緒に考え、具体的な目標設定を促しました。
Aさんのモチベーションを高めるために、定期的に面談を行い、Aさんの悩みや不安に寄り添いながら、将来のキャリアプランについて話し合いました。
Aさんの成長を促すために、チャレンジできる課題を与え、Aさんが自ら考え、行動できるようにサポートしました。
Aさんが困難に直面した時には、励まし、解決策を一緒に考え、Aさんの成長を促しました。
マネージャーCさんのアプローチ
Cさんは、Aさんに必要なスキルを習得させるための研修計画を作成し、Aさんの業務を細かく指示しました。
Aさんの進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて指導やアドバイスを行いました。
Aさんがミスをした時には、原因を分析し、再発防止策を一緒に考えました。
Aさんが業務を効率的に進められるように、ツールの使い方や業務プロセスを丁寧に教えました。
結果
Bさんのリーダーシップによって、Aさんは高いモチベーションを維持し、自ら学び、成長しようという意欲を高めることができました。
Cさんのマネジメントによって、Aさんは必要なスキルを効率的に習得し、短期間で業務に貢献できるようになりました。
考察
リーダーシップ:人と組織を動かし変革を推し進める
ケーススタディにおけるリーダーBさんは、まさにこの機能を体現しています。
変革:Aさんの現状に満足せず、将来のビジョンを共有することで、Aさん自身の中に「なりたいエンジニア像」を明確化し、現状からの変革を促しました。
人を動かす:Aさんのモチベーションを高め、自ら学び、成長しようという意欲を引き出すことで、Aさんを「動かし」ました。
組織を動かす:Aさんの成長を促すチャレンジな課題を与え、Aさんが組織に貢献できる人材へと育成することで、将来的に「組織を動かす」原動力となる人材を育成しました。
マネジメント:定められた戦略やルールに基づき効率的に組織を運営する
マネージャーCさんは、まさにこの機能を担っています。
定められた戦略:Aさんを即戦力として育成するという、おそらく組織全体で定められた戦略に基づき、研修計画を作成し、業務を効率的に進めるための指導を行いました。
ルール:企業や部署内で定められたルールやプロセスをAさんに教え、組織の一員としてスムーズに業務を遂行できるようにしました。
効率的な組織運営:Aさんが短期間で業務に貢献できるよう、必要なスキルを効率的に習得させ、組織全体の生産性向上に貢献しました。
両面での連携が重要
ケーススタディでは、リーダーシップとマネジメントがそれぞれ独立して機能しているように見えますが、実際には両者は密接に連携しています。
リーダーが変革を起こすためには、マネージャーがその変革を組織に浸透させ、効率的に実行していく必要があります。
マネージャーが組織を運営していくためには、リーダーが示すビジョンや方向性を理解し、共有する必要があります。
リーダーシップとマネジメントは、車の両輪のようなものです。どちらか一方だけでは、組織はうまく前進できません。両者がバランス良く機能することで、組織は目標を達成し、成長を続けることができます。
リーダー型マネージャーの需要
昨今、リーダーとマネージャーを明確に分けずに、リーダーシップを発揮するマネージャー、いわゆる「リーダー型マネージャー」が一役で担うケースは、現代のビジネスシーンではむしろ一般的になりつつあります。
従来のマネージャー像は、指示命令に従って業務を管理・監督することが中心でした。しかし、変化の激しい現代においては、マネージャーにも、
変化を察知し、対応する力
メンバーを鼓舞し、自ら考え行動させる力
新しい価値を創造する力
といった、リーダーシップ的要素が求められるようになっています。
リーダー型マネージャーを端的に言えば、
ビジョンを共有し、メンバーを巻き込む
メンバーの自主性を尊重し、成長を支援する
変化に柔軟に対応し、チームを導く
といったリーダーシップを発揮しながら、
目標達成のための計画を立て、実行する
資源を効率的に配分し、業務を管理する
メンバーのパフォーマンスを評価し、改善を促す
といったマネジメント業務もこなします。一方で、リーダー型マネージャーの責任範囲や業務量が増えてしまうことで、マネージャーが疲弊してしまうという課題も企業としては考えていかなくてはなりません。
まとめ:より良い組織運営のために
リーダー型マネージャーとして一役で担うケースもありますが、リーダーとマネージャーがそれぞれの役割を理解し、互いに協力し合うことが重要です。
リーダーは、マネージャーにビジョンを明確に伝え、組織運営を任せる。
マネージャーは、リーダーのビジョンを理解し、組織全体に浸透させる。
そして、状況に応じてリーダーシップとマネジメントを使い分ける柔軟性も必要です。
新しい挑戦が必要な時は、リーダーシップを発揮して変革を促す。
安定した運営が必要な時は、マネジメントによって効率性を追求する。
このように、リーダーシップとマネジメントを効果的に活用することで、組織はより力強く成長することができ、結果的により良い組織運営に繋がっていきます。
以上「リーダシップとマネジメントの違いとは?」でした。