太陽系第三惑星
M77星雲の中心部で高度文明を誇るイリテヨ星では、危険性のある文明が遠くの星で生まれていないか調査研究されていた。
教授:この太陽系第三惑星の管理をしているのは君かい?
学生:ハイ
教授:この惑星の生物は進化し過ぎているとの報告が届いているんだが、どうなんだい?
学生:ええ、核分裂の技術を習得してしまいました。
教授:なんだって!大丈夫なのかい?
学生:ハイ、対策として新型のウィルスを散布しておきましたから。
このウィルスが宿主細胞に侵入すると、ウィルスの遺伝子が宿主細胞の遺伝子に組み込まれます。
この遺伝子は、脳細胞の感情に関わる部分をつかさどる遺伝子で、自分以外を信じられなくなるようになります。
そのため、全ての事に疑心暗鬼になって、敵対心を抑えられなくなるようにしておきました。
効果はてきめんで、戦争を始めた地域が広がっています。
教授:おいおい、それでは強い奴が生き残るじゃないか。
学生:大丈夫です。このウィルスに一度感染すると、戦争に勝った喜びを感じた瞬間にキラーT細胞が暴走し始め、すべての自己細胞を攻撃し始めるように仕込んでおきました。
教授:そうか、かつて巨大化した種に続いて、この種も滅びるのだね。哀れなものだな。しかし、笑いながら死ねるのは、せめての救いだね。
・・続く・・
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しばらくのお休みから復帰2作品目
今年はもう少し頑張っていきたいと思っています。
先ずの目標は、毎週ショートショートnoteへの復帰です。
よろしくお願い致します。