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【決闘年越しそば】    #毎週ショートショートnote&シロクマ文芸部

来年は巳年
そして今日は大晦日

今年もまた、
うどんの神様とラーメンの神様、
そして蕎麦の神様がステージに立っている。
もはや年末恒例となった「麺1グランプリ」
別名「決闘年越しそば」だ。

日本の麺類の繁栄を祈る
お祭りのようなもので、
うどんの神様とラーメンの神様が結託して、
大晦日に活躍する蕎麦の神様に突っ込みを入れるお決まりの展開。

「蕎麦の神様の野郎が、なんでこんなに重宝されるんだドン。」
「そうだ、世界に愛されている小麦粉を多く使っているのは我々だラー。」

これに、蕎麦の神様はコシの有る口調で、

「お二人の言われることは、確かにごもっとも。でもね、この年の瀬に、世間様が私を選ぶのですから仕方のないことでございますソバ。」

耳障りのいい喉越し、いや、いい喉声だ。

この季節には出演依頼も無く、
観客席に座っていたソーメンの神様が呟いた。

「いいねぇ、皆さん熱くなれて。私なんかこの季節には忘れられたままだソー。」

隣で冷やし中華の神様が頷いた。

(411文字)


さようなら辰年
いらっしゃい巳年
画像は我が家の干支送り
 
2024年
スキをして下さった皆さん、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
 
 
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