【ポップな休日】〜サーカス編〜
妻「サーカスの割引チケットもらった」
さー…か…す?
馴染みがなさすぎてサーカスに対して心の準備ができてなかった僕はサーカスという単語を一瞬理解できずにいた。
思えば人生でサーカスに行ったことがない。(あるのかもしれないが覚えていない)
まさか自分がサーカスを見にいく日が来ようとは。
ぼく「木下大サーカス?」
妻「ポップサーカス」
知らん。
知らん名前過ぎた。
ポップって響からめちゃくちゃお子様向けか?という疑念を抱いた僕は「ポップサーカス」についてちょっと調べてみた。
ええやん。
思ってた15倍本格的やん。
これは絶対子供たち喜ぶぞー!
ということで、土曜日の休みに行くことにした。
サーカスの日が近づいて来て
だんだん気持ちが高ぶってくる。
仕事中、商談中の雑談でも話題に上げた。
僕「今度の休みにサーカス行ってくるんですよ!!」
お客様の反応のほとんどは
「サーカス?」
だった。わかる。その気持ちは。
だけど調べ上げた情報から心のなかではサーカスモードになっている僕。
僕「サーカスです。けど何か問題でも?」
おぎやはぎメンタルになっていた。
おぎやはぎの漫才の
「おぎです。やはぎです。おぎやはぎですけど何か問題でも?」のツカミを取り入れるほどの強き人になっていた。
だがしかし、この時愚かな僕は「休みの日にサーカスに行く人なんて少ないだろ。」と高を括っており、当日チケット売り場に行けばすんなり入れるだろう。と楽観思考でいた。
それくらいサーカスって人気ないと思っていた。そう、土曜日までは。
チケット取れなかった…。
サーカスを楽しみにしていた娘はその事実を受け入れられず泣き叫ぶ。
「ごめんなー。ごめんなー。」
と謝りながら「明日は絶対チケット取るから!」と約束して帰った。
愚かな父を許してくれ。
(最悪の空気の中とぼとぼと帰るこの一家の様子を
たまたま来ていた知り合いに見られていたことを後にLINEで知った。)
日曜日にリベンジするために予約状況を確認するものの当日券以外の予約可能枠は全て埋まっていた。
やばい。
今日みたいに当日券を買うしか選択肢がない。
これで行けないなんてシャレにならん。ということで思いついた戦略は
「めちゃくちゃ朝早くに行く」
という藤井聡太もびっくりな戦略。
チケット売り場は8時50分に開く。
その30分前までに着いてチケットを買うために並べばいい。ということで僕はアラームをセットして寝た。
翌朝。
ペチペチペチペチペチペチ…!
娘が僕に馬乗りになり、往復ビンタしていた。
僕「痛い痛い痛い!!!」
娘「早くチケット買いに行かないと!」
叩き起こされ、僕は準備をした。
娘は一仕事終えて寝た。
僕は愛娘のため、1人でチケットを買いに行った。
気がつけばチケット売り場が開く1時間前に会場にいた。早すぎる。
僕はチケット売り場に並んだ。
側から見たら完全にサーカスガチ勢である。
少し前まで「サーカス?」って言っていた男なのでガチ勢に見えることに対して少し恥じらいもあった。
道ゆく人達に「サーカスガチ勢おる(笑)」とヒソヒソと話されてそうで。
でも家族のためにパパは鉄のメンタルで頑張りましたよ。俺がみんなを守りますよ!(東京リベンジャーズ風)
そしてチケットゲットォォォオオオ!
昼からの部をゲットして帰った。
勝利報告を家でした後、一時的にヒーローになった僕は、勝利の余韻を感じながら家族を連れてサーカスへ向かった。
そして開演30分前に現地に着くと…長蛇の車の列。
入られへんやんけ!!!!!!
不安になった娘が再びシクシク泣き始める。
「パパは車をなんとかして停めるから、娘ちゃんはママと先に行っておいで!」
と車から降ろした。2人の背中を見送る僕の顔はアルマゲドンのブルースウィルスの顔をしていただろう。
僕と一緒に置いて行かれた次女(1歳)は「え?」って顔してた。
警備員さんたちの華麗なる誘導でなんとかギリギリ娘と合流できた。
テントの中は意外と涼しかった。
ピエロたちの前説で盛り上がった会場。いよいよ本番が始まる。
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控えめにいって、めちゃくちゃよかった。
子供より叫んでた。
「高所作業ーーー!」
「ご安全にーーーー!!」
「フルハーネス付けてーー!!」
人間業とは思えない身のこなし。迫力。
手に汗握る緊張感。
サーカスっておもしれぇええええええ!
長女も次女も集中して見ていた。楽しい思い出として夢に出てくるのかな。
色々ハプニングはあったものの子供達にサーカスを見せられて本当に良かった。
楽しさの余韻を残したままサーカスは終わる。
また観に行きたい。ていうか、入団したい。