人生が終わったと思った現場
僕は祖父の代から続く小さな溶接工場のアトツギだ。
仕事は基本工場内での作業がメインだが、お客様の要望であれば機材を持ち込んで出張工事を請けることがある。
ある日、大手企業の工場で設備のメンテナンス工事があり、その溶接部分を担当する出張工事に行くことなった。
設備を止めるということは生産がストップするということ。だから少しでも生産に影響のない土日の工事を求められる。
打ち合わせの時点で
「そんな殺生な。」
というセリフを交えたネゴシエーションにより、金、土、日の3日間の工