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プロローグ〜野球人になった日〜

あの夏の日。
今は物置になっている旧我が家の一室。

祖母の部屋のテレビの前にいた私は
夕日の煌めく甲子園に魅せられた。

汚れたユニフォームを身に纏う
キラキラの野球選手たち。

一時、7点差の逆境は
幼心ながらに逆転は無理だろうと感じた。

ただ、結果は違った。
代表校は大逆転勝利という事実と感動を私に届けてくれた。
あの試合が人生初めて、自分の魂の震えを認識した瞬間だった。

あの日、私は野球人になることを本能的に選んだ。

そこからは早かった。
たまたま、隣に住んでいた人が監督を務める
地元の少年野球チームに見学に行き、即入部した。一生懸命、野球に取り組むうちに、気がついたら自分が野球部の監督として、選手の指導にあたっていた。

私のこれまでの人生を作ったのは
社会的に見たら、無名の選手達が集う
「あの一試合」が始まりだった。

今、ご拝読頂いているあなたにとって

このnoteが

「あの一試合」になれたならば。
「あの瞬間」になれたならば。
「思わず動き出してしまう」
そんな情報になれたならば。

それほど嬉しいことはない。

君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことを、くれぐれも大切にしなくてはいけない。

吉野源三郎「君たちはどう生きるか」より

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