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言葉の話 『二の〇〇』
今回は私の好きな言葉の話!
前回は約1ヶ月前に「存外意外案外」の話をしました。
今回も似た言葉の話の違いについて書いていきたいと思います。
【二の舞・二の足・二の轍】
この三つを比較したいと思います。
※ネットで調べながらなので内容が誤っていた場合はコメントでご指摘ください。
【二の舞を演じる】
誤用として「二の舞になる」と言いますが、正しくは「演じる」だそうです。
雅楽などの古楽(古い曲)の種類で二人舞。
安摩(あま)という舞を見た答舞として咲面(えみめん)の老爺と腫面(はれめん)の老婆が真似て滑稽に舞うこと。
とあります。
そこから転じて現代では「人のことを真似て失敗すること」という意味として使われます。
「それでは二の舞だ」
と言うことも多いですが、正しくは
「それでは二の舞を演じるだけだ」
となるようです。
【二の足を踏む】
ここで言う「二の足」とは「2歩目」のこと。
つまり何かしたい、しようとする1歩目は出ているのに、何かに躊躇いや迷いが生まれて2歩目が出ずに足踏みしてる状態。
そこから「躊躇いや迷いから思い切って実行できないこと」といった意味になります。
例としては「外食をする」と決めたものの「何を食べようか」「いくらくらいにしようか」と迷い躊躇いで動き出せない時に
「外食と決めたけど何が食べたいかわからず二の足を踏む」
となります。
また侍の鞘を腰につなぐ金属の事を「一の足」「二の足」というらしく、侍が鞘から刀を抜くのを躊躇ったことから来ている、という説もあるそうです。
【二の轍を踏む】
轍(てつ)はわだちのことで、前の人が作った轍の上を行くことから「前の人と同じ失敗を繰り返す」という意味になります。
こちらは「同じ轍を踏む」とも言います。
二の舞と違うのは言葉の出自だけ。
意味としてはほとんど同じになっています。
そのため特別な使い分けはなく場面に合わせて好きに使いましょう。
うん。
日本語面白い!
知らないと大切な場面で恥ずかしい思いをすることもあるので、ぜひ適切に使い分けてビシッとキメてやってください。