整理整頓!不要なカードのお掃除方法【10/18開催 Domo buddies勉強会】
Domo(ドーモ)管理者の皆さん、このようなDomoのカードはありませんか。
Domo初期にいろいろ試して作った、”練習カード”。
どのダッシュボードにも属していない、”はぐれカード”。
頼まれて作ったものの全く閲覧されない、”一見さんカード”。
ダッシュボード削除などで管理者しか見つけられない、”孤立カード”。
2022年10月開催のDomo buddies勉強会(コミュニティ主催による月次勉強会イベント)は、管理者の役割を持ったbuddiesを対象として行われました。本ブログでは、当日ご登壇されたDomo buddies 成田さんによる「整理整頓!不要なカードのお掃除方法の提案」と題した、カードの管理に関するセッションをご紹介します。なるべくその場のニュアンスを伝えられるように、勉強会の内容の一部分をそのまま、ドーモのコミュニティマネージャーのYuriがお届けします。
1.登壇してくれたbuddies:成田 義浩さん
私、株式会社JR東日本びゅうツーリズム&セールスの成田と申します。Domo歴は丸4年なので、現在5年目に突入しています。Domo buddiesではDomo Hirogaru分科会のサブリーダーをしています。趣味は登山やLINEのスタンプ作りです。
2.Domoの権限のおさらい
まず、データセットやカード、ダッシュボード(ページ)など、Domo内のリソース整理に必要な権限のおさらいです。データセットやカードは所有者、管理者が簡単に削除可能です。ダッシュボードだけは管理者だけが削除できるようになっています。
つまり管理者以外のみなさんはダッシュボードを作るのは簡単ですが、作ったものを削除する際は、都度依頼を上げる必要があるということです。
※参考:権限の確認方法はこちら
3.「DomoStats DataSets and DataFlows App」への挑戦
Domoにはカードやダッシュボードを管理するための「DomoStats DataSets and DataFlows App」(読み:ドーモスタッツ データセッツ アンド データフロウズ アップ)というAppがあります。DomoのApp Storeの中で「DomoStats DataSets and DataFlows App」で検索してみてください。こちらを取り込むと、カードの情報だけでなく、うまくいっていないETLなどのエラー情報まで詳細に可視化できます。
当初は弊社でもこちらを活用しようと思ってみたものの、実際にはかなり情報が多すぎて使いこなせませんでした。そこでもっとシンプルに自分で使いやすいカードを作れないかと考えて生み出したのが、今回ご紹介するカードです。
4.「だんしゃりカード」でお掃除
名付けて「だんしゃりカード」です。勝手ながら私が命名しました。
これは社内のDomoのいらなくなったカードやダッシュボードを削除することを主眼に置いたカードです。今日はこのカードの作り方を料理になぞらえ、トントントン、とご紹介していきます。
4.1 必要な権限(調理資格)
まず、このカードを作るには調理資格ならぬ権限が必要です。DomoStats(読み:ドーモ スタッツ) および Domo Governance Datasets Connector へアクセスできることをご確認ください。管理者権限以外の方はこちらにアクセスできませんので、管理者の方にデータセット作成をいただいてから自社の管理ポリシーに基づいて活用していただきたいなと思います。では、早速詳細の設定方法(レシピ)のご説明です。
4.2 設定方法(レシピ)
❚ まずは、材料の調達①
DomoのAppStoreからDomo Governance Datasets Connector を接続します。次にデータセットを作成していきますが、Details では【Cards and Datasets】を取得します。その中身が下記スライドで黄色で囲ったところです。Card ID、Title、Owner User ID など、Domo のインスタンス内にあるデータセットやカード、ダッシュボードの情報などが取得できる API です。
❚ まずは、材料の調達②
続いてもう一つ。DomoStatsというAppから、Activity Logを取得します。これは管理者権限の方はすでにデータセットとして接続している場合が多いと思いますので、改めて取得する必要はないかもしれません。DomoStatsでは社内のDomoユーザーがどのようにDomoを利用しているか、という活動のログデータを見ることができます。今回はこの中のカードを見る、ダッシュボードを見るといったActionを抽出していきます。
❚ 続いて、下処理(ETL)
さきほどの二つ(の材料)を取得した後のETLがこちらです。
”カードの評価をどのようにするか”という定義は様々な観点があるかと思います。私はActivity LogのVIEWED(読み:ビュー)というレコード数を閲覧数と定義し、それを見ているユーザーのユニーク数を閲覧ユーザー数と定義しています。また、Object IDから最後に誰が見たかということや、最終閲覧日でいつ以降見られてないか、などをみています。
なお、更新頻度はActivity Logのデフォルトが日に2回更新となっておりますので、それに依存したETLとなっています。ご覧いただいている通り、本当にそんなに難しいETLではないかと思います。
さて、ここでワンポイントですが、Activity Log にはこれまでDomoを使用していた全ユーザーのログが含まれています。したがって、昔使っていたものの今利用していない方のログもかなり残っています。これには「People」というデータセットを DomoStats から取得し、現在利用しているユーザーで絞ることで、精度を上げることが可能です。
このActivity Logのビューがどういう瞬間にカウントされるのか、ということに関しても調べましたところ、カード単体ではカードを開いた瞬間です。ダッシュボードに関してはダッシュボードを開いた瞬間にダッシュボード(Page)のビューということでカウントされます。今日は端折ってしまいますが、ダッシュボードで見たものを評価することもできます。
❚ 不要なカードのチェックポイントを定義。
だんしゃりカードでは、不要そうなカードを見つけるところに主眼を置いています。見られている数が少ないほど不要の可能性が高くなります。また見ている人が少ないほど、いらない可能性がある、もしくは自分しか見られないカードかもしれません。最終閲覧日からの日数が長いほど、昔は使われていたものの、今は全然使われていないかもしれません。ダッシュボードに所属してるかどうかによって、そもそも見ることができないカードなのではないか、といった点に気づくことができます。
❚ いざ、調理(HTML表・MEGA表)
先ほどETLで組んだデータセットでカードを作成をしますが、利用するのは単純な表形式です。Beastmodeなどでタイトルをクリックしたら、該当のカードに直接リンクで飛べるようにしていたり、最終閲覧日から今日まで一定日数以上経過している場合はカード上で赤く表示させるといった設定もしています。
下記スライドの右に、実際のカードとクリック後に飛んだ画面を示しています。クリックしてActivity Logを回ってしまうと、その時点で最新閲覧日が更新されてしまいます。
今回のだんしゃりのコツとしては、クリックしたらもうその場でいるかいらないかすぐ判断することです。後でやろうって言うといつまでも片付かなくなってしまいますので、実際使う側の人も意識を変えていく必要があるかと思います。
❚ 隠し味(PDP)
さらにこのカードを社内のDomoユーザに公開してしまうと、全く公開してないカードへのアクセスが可能になってしまいますので、PDP(読み:ピー ディー ピー)で自分で作ったカードしか見られないように設定をしております。
これをやらないと社内が混乱し、公開承認が飛び交ってしまうためPDPでオーナーごとに設定すことをおすすめします。弊社の場合は編集ユーザが非常に少ないのでこういったことが可能ですが、編集ユーザーが多い会社様の場合は何名かグループ等でまとめ、それを管理する人と位置づけた上でPDPを作成するのも良いかと思います。
5.まとめ(いよいよ実食)
まとめますと、だんしゃりカードでまず不要となってる可能性のカードを特定します。その後、カードからジャンプして該当のカード確認します。カードを見た時点でそれを残すべきか、不要なものか判断し、不要であればその場で削除していきます。
これを繰り返すことで、少なくとも放置されていたカードの片付けができ、健全なDomo環境になるんじゃないかなと思います。
以上、「整理整頓、不要なカードのお掃除方法のご提案」でした。
6.Domo buddiesたちの声(アンケートから)
発表を聞いたbuddiesからアンケートで沢山の反響の声を頂きました!
"不要カードやダッシュボードの整理は今まであまり考えてこなかったため、非常に参考になりました。必要なデータ2つも既に取得済みなので、早速弊社環境でも作成してみたいと思います。"
"断捨離はちょうど喫緊の課題でしたのでお話が聞けてよかったです。"
"不要カードの整理方法についてはとっても参考になりました。"
buddiesによる実践事例は他の方にとっても刺激になったようです。ぜひ今後も皆でスキルアップしていきましょう!
さて毎月の勉強会の中では、ここには書ききれない充実したセッションが毎月行われています。是非、皆さんも参加してbuddiesの登壇をリアルタイムできいてみてください。新たな発見や沢山の刺激がもらえますよ!