【大撃沈】チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン(4 Lakes)その⑤総括
レース後
完走メダルを受け取った。コースごとにストラップの色が違うようだ。4Lakes100kmはグレー。そして昨年は富士山をフィーチャーしていたメダルの今年のデザインは、山梨県を型取り富士五湖の形に穴を開けて、周りに桜を散りばめたものだった。これは印象的だ。
タイミングチップを外してもらう。ちゃんと選手が手をついて体を支えながら足を置けるように単管を組んである。さすがだ!しかし、そのわずかな高さに足をあげることもままならない。「ウーッ」と唸りながら足を掛ける。外しながら係の人が「どうでしたか?楽しめましたか?」「はい、もうお腹いっぱいですよ〜」「ワッハッハ、じゃあ来年も、決まりですね!」「うわぁ・・・」
正直来年も宮古島との天秤になるから、「はい、来ます」とは言えなかった。この大撃沈のリベンジをしたいのはヤマヤマなのだが・・・
ここでようやく我に返ると、身体が急に冷えて寒くなってきた。山の気候だけに、夕方日が落ちると気温の低下も早い。とっとと体育館に戻って上着を着ないと。競技場の外へ出ると嫁さんが迎えに来てくれていた。「ワハハハハ、ロボットやな」そのとおり。もう膝が全く上がらないからゼンマイ仕掛けのロボットみたいな動き方しかできない。
豚汁
とにかく寒いから豚汁を呼ばれよう。「ハイハイ、どんどん食べて〜!」おばちゃんたちがせっせと配膳してくれている。ありがたい・・・ありがたい・・・熱い豚汁が疲れた臓腑に沁み渡る・・・
「ほらほら、奥さんも食べて!」「えっ良いんですか?」「良いのよ良いのよ、さぁさぁ!」「えー、ほないただきます」まぁ、余っても困るだろうから良いんだろうけど・・・(その後「無かった」という人のツイートも見かけたので複雑な気分である)
そこから荷物預けの体育館までの移動が一苦労だった。「肩貸したろか?」いや、さすがに恥ずかしいからやめとく。ずいぶん時間をかけてたどり着き、ようやくウィンドブレーカーを着込んで一息つけた。このとき、体育館が全面的に土足OKになっていた理由を深く理解した。もし、入口で靴を脱がなければならなかったら、そこで事切れるランナーたちで死屍累々になっていただろう。
最低限の片付けをして、駐車場へ向かう。これまためちゃくちゃ時間が掛かった。嫁さんは笑いをこらえきれない様子だ。「プププ、ほんまボロボロやなププププ、大丈夫?」大丈夫なわけないやろ。ちくしょー、でも迎えに来てもらわなかったらどうなっていたかと思うと文句は言えない。
救いの駐車場
寒い。さらに身体が冷えて来て歯の根が合わなくなってきた。どうも全身の極度の疲労により、筋肉の発熱機能が停止してしまったようだ。ガタガタと震えながらなんとか車にたどり着いた。ドアを開けてシートに乗り込むのがまた一大事業。手で脚を持ち上げてどうにか座った。助かった・・・
あとはあーだこーだとレース中のことを回想しながら横浜に帰宅したのが20時半と、こんな長いレース後にしては画期的に早い時間に帰り着くことができた。タイムパフォーマンスが良すぎる。しかし、帰宅後にはもちろん、玄関の段差、階段、トイレの前後などあらゆるところで絶叫マシーンと化して過ごすことを余儀なくされた。
生きて(完走して)帰ってこれて、本当によかった・・・(歩いたけどな)←めちゃくちゃ引っかかってるな!
雑記
以降は、今回気づいたことなどを順不同でざっくばらんに列挙してみる。
係の人たちが皆とても愛想がよく、親切だった。素直にいい大会
エイドが豊富で安心感があった
景色が強烈によかった。これは想像を超えていた
気温がちょうどよかった。寒すぎず、暑すぎず
風が強い区間はあったが、極端な向かい風は(偶然?)あまりなかった
スタート時間は早いが、その分終わりも早いので良い
完走率約65%(4Lakes)!こんな厳しいレースは初めて
足にマメができなかった(!!)奇跡か?
股ズレ等もほとんどなかった(ワセリンも何も塗ってないが)
筋肉が(極度の筋肉痛以外)攣ることがなかった
補給はうまく行った。ボトルの水も有効
カロナールは効く、これは、、、良いものだ、、、
両足の激痛は、ほぼ太ももに集中
背中が痛い!これは初めての感覚
肩周りから肘にかけての疲労(足に比べると軽いけど)
指がボロボロ(まぁ、走る前から酷かったから、しゃーない)
etc..(また思い出したら追記するかも)
そんなこんなで、ものすごく辛い目にあったけど、最終的に(曲がりなりにも)100kmを完走できたこと、そして100kmを走ると自分の身体がどうなるかを知ったこと。この二つの大きな収穫を得ることができた。経験こそ、人生の宝だ。←20年前の(モノに執着していた)自分が見たら卒倒するだろう。
普通の人はフルマラソンどころか、10キロ、5キロだって走ろうとはしない。フルマラソンを完走しただけでも、走らない人からは人智を超越した不思議な生き物を見るような目で見られる。それが、100キロともなれば「自転車で走りました」と言っても白目を剥かれるような距離だ。そういった「市井の人たち」からまた一歩、遠いところに旅立ってしまったような気分だ。
でも、それだけに「ウルトラ、走ったことありますよ」という人たちとの繋がりは今後強力に近づいていくんだろうな。でも、次戦の予定は今のところ、無い。
最後にもう一つ言っておきたい。「トレイルは、やりません!」俺はトラ屋なんです、ウルトラ屋でもなけりゃ、トレ屋でもないんですよ、わかってくださいよ・・・
終わり
長文おつきあいいただき、ありがとうございました。次回は6月の五島レポート(予定)で、またお会いしましょう。