【第16回】ゆるゆるM&Aセミナー:ざっくり財務・事業計画分析③B/S
日本一ゆるゆるなM&Aセミナーです。気楽に読んでください。
今日は、IM受けた際のB/Sについて説明します。
・・・・実際のIMでは直近年度のプロフォーマB/Sしか開示してくれないことも多いので、そういうときの対処法も説明します。
✔ポイントとなる指標は「運転資本」
➡ 売掛金・棚卸資産・買掛金
✔運転資本の回転率をチェックせよ
➡ 売掛金:何か月分の売上?棚卸資産・買掛金:何か月分の売上原価?
✔事業計画のB/Sがなければ買い手が自分で予想するしかない
➡ 必要なのは運転資本だけ!
■プロフォーマB/S
まずは一般的な会社財務分析をしましょう。例えば…
✔自己資本比率
✔資産・負債の内容
➡️ 特に、現預金と有利子負債の状況
✔固定資産の内容
ただし、まだDDではないので、それほど深堀りはできないです。
では、M&Aを進める上で、IM段階では何をチェックするのでしょうか?
■運転資本の回転率
この段階では、事業の規模によって増減する運転資本に注目しましょう。
運転資本とは、ざっくり言うと売掛金・棚卸資産・買掛金です
特に、それぞれ、売上高もしくは売上原価に対し何か月分の売掛金・棚卸資産・買掛金を抱えておく必要があるのか(回転率もしくは回転月数)がポイントです。
プロフォーマB/Sが過去数年分開示されているのであれば、過去の回転率の平均を把握しておきましょう。
特に、棚卸資産(実務では在庫と表現します)については、事業運営上必要最低限の保有すべき在庫レベル(例えば、仕入れや生産に手番がかかるのである程度保有しておく必要があるなど)を把握する必要があります。
在庫回転数が増加している場合、売れない在庫を抱えている可能性があり要注意です。(将来の評価減の可能性を秘めているということになります)
■事業計画のB/Sチェック項目
事業計画、つまり将来のB/Sが開示されている場合は、やはり運転資本(回転率)の推移を確認することが必要です。
売掛金や買掛金は、顧客や仕入れ先との取引基本契約における取引条件(つまり、何か月後に支払うか)によって決まるので、回転数は大きく変わることはないのが通常です。将来大きく変わるようであれば、理由を確認する必要があります。
棚卸資産の回転数が将来減っていく(売れるという想定)場合、在庫が売れることで減るのか?事業場必要最低レベルを割っていないか?など確認が必要です。
■事業計画のB/Sが開示されない場合
自分で予想するしかないです。がんばって予想しましょう。
といっても、難しいこと考えるほどの情報は持ち合わせていないので、ざっくりと、以下の方針で割り切るしかないです。
✔運転資本について
➡ 回転率が直近数年の平均値が維持されるとして、
事業計画に連動し計算する
✔それ以外は、ここでは見ない
■てことは・・・運転資本だけ見ておけばいいということ?
ざっくりいうならば、YESです!!
なぜか?
それは、次回に説明するキャッシュフローを試算するために必要な項目だからです。
(もちろん、それ以外の項目も開示されていれば要確認ですが、開示されていなければDDにてしっかり確認することになります。)
■まとめ
ということで、B/Sの分析について説明しました。
ポイントは、
✔ポイントとなる指標は「運転資本」
✔運転資本の回転率をチェックせよ
✔事業計画のB/Sがなければ買い手が自分で予想するしかない
➡ 特に、運転資本!
ということで、運転資本を理解できたということで、次回はキャッシュフローへ移ろうと思います。次回もお楽しみに☆