スイーツメモリー(マンゴーケーキ)
南国の果物はカラフルでおおらかだ。南国で思い出深いのは西表島だ。ずーっずっと昔、伝手をたどって、西表島の白浜に、居候した。その頃の私は無知もいい所で「西表」と書いて「いりおもて」と読むことすら知らないままに、行ったのだった。飛行機と船を乗り継いで行き、ようやくそこがイリオモテヤマネコで有名な西表島と知ったのだった。
早速、集会があるとか、一緒について行った。Hという若者がホワイトボードに「夏祭り」らしき文字を書いていた。一人の小学校教員が字が違っていると指摘すると、Hは「夏祭りの相談していて『夏〇り』と書いてあったら 夏祭りのことだってわかるだろう。ちゃんと読め」と言ってのけた。(ええー? 間違えた方が恥ずかしい思いするんじゃなくて、指摘した方が恥かしい思いをするんだ) 最初のカルチャーショック。 そうだよなー、そんな漢字の線の1本や2本、なんくるないさー。
ある日、白浜小学校の校庭で野球大会があった。次々集まってくる車は、大型トラックやトラクター、ブルドーザーで、まるで中古作業車の販売会のようだ。皆、仕事の車で駆けつけてきたのだった。真っ黒に日に焼けた男たちが、やる気満々で、降りてくる。やや遅れて、路線バスも到着。Tが、バットをブンブン振り回しながら降りてきた。女子供の声援を受け、男たちは真剣そのもの。楽しい野球大会だった。夜は、星空の下、堤防の上で宴会。「この豚は今朝、黒島から持ってきて絞めた」(!!)
翌日、Tの運転するバスに乗っていると、バス停で止まるたびに、民宿の親父さんが「こら! 昨日は時間より、早く通っただろ。お客さんが、バスが来ないって困ってたんぞ」と叱られていた。そう、Tは白浜の野球大会に遅れまいと、時刻表無視して、びゅんびゅん飛ばして駆け付けていたのだった。(!!!)
小学校の子供たちの遠足にもついて行った。小さな船に乗って、島の反対側へ行く遠足。砂浜で手つなぎ鬼をして遊んだ。教頭先生が、熱帯魚を釣って「食べるか?」と聞いた。(まさか、冗談でしょ。これは観賞用)と思ったら、子供たちが「ちょうだい、ちょうだい~」と、手を出して、つまんで食べていた。(!!!!)
子供たちは、海の方へ後ずさりしながら「入っていい? 先生、入っていい? あーあ、入っちゃった」 と服を着たまま、海の中へ入ってしまっていた。子供たちは、浜に上がって、走り回って遊んでいるうちに、服はすぐに乾いてしまっていた。 私のふくらはぎを見て「なんでそんな白い?」と聞いてきた。ふくらはぎの、白い人を初めて見たのか?(!!!!!)
その後も、一日にいくつもの(!)で、カルチャーショックを受けながら、楽しい日々を過ごした。
今はグーグルマップで見ても、すっかり島の様子も様変わり。あの頃の、おおらかだった西表島の人たちが懐かしい。
〇材料 … マンゴー ブルーベリー 砂糖 レモン汁 生クリーム ゼラチン 底・マリービスケット、バター)
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