スイーツメモリー(胡麻団子)
大阪の家庭には、タコ焼き器が必ずあると聞く。週末は、ウィークエンド・シトロンならぬ、ウィークエンドたこ焼きや。(ほんまかいな) タコ焼き器を店で見るたびに、(買おうかなぁ、でも、買っても一度くらいしか使わないかもなぁ)と迷っていた。
キッチン家電には、魅力的なものがたくさんある。たこ焼き器ほしいなぁ、たこ焼きの匂いでたまらないあろうなぁ。熱々のたこ焼き囲むって、幸せ家族の象徴みたいだしなぁ… 友人たちに「たこ焼き器っていい?」と聞くと皆、「貸してあげようか?」 と言う。それって、普段使ってないって事じゃないの? しかも、世は断捨離、ときめきの魔法、ミニマリストの時代だ。たこ焼き器なくても、暮らせるし…と迷っていた。
何年も放っておいたS薬局のポイントを何気に見たら、随分たまっていることがわかった。商品カタログを見ても、何もほしいものがない。キャラクターのスリッパだの、かわいい密閉容器だの、花柄のブランケットだの、どう考えてもいらないものばかりだ。そんな中にタコ焼き器があった。うーん、ポイントでもらえるなら、使わなくなっても、そんなに悔しくないかもと思い、たこ焼きに交換することにした。たこ焼きはそれなりに美味しくできた。しかし、毎週たこ焼きを食べる習慣のない我が家では、しばらくしまわれたままだった。
ところが最近、この胡麻団子作りで、タコ焼き器が大活躍なのだ。胡麻団子をタコ焼き器でころころ転がしながら焼くと、胡麻の香り香ばしい団子が上手にできる。やったー、嬉しい、嬉しい。
「うち断捨離しました」のTVを見ると、捨てることに葛藤するお年寄りが多い。家の中は足の踏み場がない程、ものだらけ。娘さん(と言っても十分なご年齢)がどんなに片付けようとしても「それは、まだ使えるから。これは〇〇の時、使うから」 いつか使うから、まだ使えるから 、高かったから、と抵抗している。シミがついていようが、流行おくれだろうが、何年も使ってなかろうが、なかなか捨てられない。おかげで家の中は、ぐちゃぐちゃ。番組を見ている私でさえ(捨てろー、捨てろー)と人ごとながら思う。
その反面、究極のミニマリストの部屋は、すっからかんで何もなくて、心も脳内もすっきりしているのだというが、そこまではなぁ。確かに、物に埋まれているよりは、いいけれど、潤いっていうものが欲しいよ。あるミニマリストは、テレビも冷蔵庫も捨てて、しまいには、電気もほとんどつけない暮らし。夜、アパートの部屋に帰って、窓の外の薄明りもあるし、五分くらいすれば目も慣れるのだそうだ。もうそうなると、どれだけ物がなくて暮らせるかのゲームのようだ。こんまりさんは、ときめくものだけで暮らすように言う。心の声に耳を傾けて、ときめくかどうか。
ふーん、なるほどね。タコ焼き器は、美味しい胡麻団子が作れるから、今のところ、ときめいています。ポイント、ためておいてよかった!
〇材料 … 白玉粉 餡、 いりごま ごま油
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