おかしな童話(こうぎょくちゃん)
ポポは、げんきなおとこのこです。空がまっさおな日、おさんぽをしていました。
「ぽぽ ぽぽ ぼくはぽぽ~ そらはあおいよ ぽぽ ぽぽ~~♪」
すると、むこうのほうで あかくてまるいものがころころころころ。 よく見ると りんごのふじちゃん。ふじちゃんは、ぽぽをみつけると、いいました。
「こうぎょくちゃん? なんだ、それー? 」ぽぽは こうぎょくちゃんがなんだかわからなかったけれど、いっしょに、さがしてあげることにしました。あるいていくと、みかんのうんしゅうちゃんたちがいました。うんしゅうちゃんは、いつもいいにおいのおねえさんです。うんしゅうちゃんは、すましたかおでいいました。
しかたないので、またみんなはこうぎょくちゃんをさがして、あるいていきました。すると、大きな木のところで、かきのふゆうくんたちがあそんでいました。ふゆうくんたちは、いつも三人で、石けりをしてあそんでいます。ふゆうくんたちもいいました。
しかたないので、またみんなはこうぎょくちゃんをさがして、あるいていきました。「いたい!」こえがしたので、ぽぽがびっくりして下をみると、あしの下にオニグルミきょうだいくんがいました。「ごめん、ごめん。だいじょうぶ?」おにぐるみ三きょうだいくんは、なまえはいさましいけれど、ちっともおににみえません。でも、けっこういさましいんですよ。「へいき、へいき。だって、おれのからはとってもかたくて、つよいからね」オニグルミきょうだいくんもいいました。
しかたないので、またみんなはこうぎょくちゃんをさがして、あるいていきました。はたけのそばで、おおきなみどりのまるいものが、ひなたぼっこしていました。それは、やさしいとうがんくんでした。とうがんくんは、とっても、のんびりやさんです。みんなが、こうぎょくちゃんをさがしているというと、とうがんくんがいいました。
しかたないので、またみんなはこうぎょくちゃんをさがして、あるいていきました。みつからないので、みんなでこえをあわせてよびました。
「はーい」
あれ?どこかでこえがしたぞ。どこだ?どこだ?
こうぎょくちゃんは、とてもりっぱなアップルパイになっていました。
すごーい! ぱちぱちぱち!
みんなは、はくしゅをしました。こうぎょくちゃん、きれいなあみめのおようふくをきて、おさらのうえで、りっぱになっていました。
ぽぽは、いつか、みんなも、こうぎょくちゃんみたいに、りっぱなおかしになれるのかなぁとおもいました。
(おわり)