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スイーツメモリー(ベリーベリータルト)

「ベリーベリーのタルト」と言うだけで、赤毛のアンに出てくるデザートのようだ。木綿のワンピースに、白いエプロンつけた女の子が、籠を持って、ベリーを摘みに行く絵が浮かぶ。並べるだけで、心が弾む。

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赤毛のアンは、始終お喋りをして、夢見がちで、何にでも名前を付けている。コロナでどこへも行けなかった春、私たちは近所の公園の奥にこっそり集まって、リコーダーを吹いていた。赤毛のアンのお菓子を作ったからには、アンになったつもりで、いろいろなものに名前をつけなくてはいけない(いけないことないけれど)

というわけで(ここから、アンです)

「夜の女王のトンネル」
公園に向かう遊歩道の一部がトンネルになっていて、よく音が反響するの。通る時は誰だって「ア~~ ア~~ アッハッハッハッァ~♪」と、モーツァルトの「夜の女王のアリア」を歌いたくなるにきまってるわ。ね、そう思わない?(実際には、側溝に泥があって、虫がいそうな場所だけれど、そこは見ないことにして)

「秘密の花園」
公園の奥に、人が滅多に来ない場所に、花壇があるの。別に秘密でも何でもないのだけれど、私たちは、秘密ってことにしたわ。そのほうがぞくぞくして素敵でしょ。樹木に囲まれて、ほとんど人がやって来ないの。ちょうど、ウグイスが鳴く季節で、私たちが、リコーダーを吹くと、なんとまあ、一緒に歌いだすのよ! 信じられる? ウグイスはリコーダーが好きなのね。

秘密の花園

そういえば、三百年程前に出版された「小鳥愛好家の楽しみ」という本は、小鳥に歌を教えるための楽譜集だったそうよ。当時の人はフラジオレット(小さなリコーダーのような笛)で、小鳥に曲を教えたんですって。3か月かけて教えて、王様や貴族に高い値段で買ってもらったそうよ。小鳥がリコーダーのメロディを歌うなんて、なんて素敵なことかしら!私もやってみようかしら。

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「パストラーレ」
秘密の花園でリコーダーを吹く様子は、緑が美しく、まるでロココの田園絵画の羊飼いのようだったわ。(誰も言ってくれないから、自分たちで言うけれど) だから、私たちは、その集まりを、「パストラーレ」(牧歌)と呼びことにたの。「今度の金曜日は、夜の女王のトンネルを抜けて、秘密の花園でパストラーレよ」って。

(ここから、ふと我に返る)

傍から見たら、マスクに帽子姿で、椅子や大きな荷物を持って、ぞろぞろ公園の奥へ消えていく、私達の怪しい集団は、何かの秘密結社に見えていたかもしれなかったかなぁ。

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〇材料 …(タルト生地)バター 砂糖 卵 薄力粉
     クリームチーズ ヨーグルト 砂糖 生クリーム ゼラチン 
     イチゴ ブルーベリー

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