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スイーツメモリー(甘夏チーズケーキ)

夏みかんが苦手だった。果物なのに、酸っぱくて、顔のパーツが真ん中に寄ってしまう。自分から進んで買おうという気にはなれなかったのに、今年はたくさん甘夏を買った。皮をむき、果肉だけにして、はちみつに付け込んだり、鍋でジャムにしたり。皮むき作業は面倒だが、ゆっくり一つずつ袋をむいていくのは、絵本の中の14匹のねずみくんのような、のんびり、のんびり穏やかな時間になるのだ。

年を取ると、前頭葉が委縮して、脳のブレーキが利かなくなるという。よくスーパーのレジや、郵便局の窓口で、キレているおじさんがいる。みんな、前頭葉が委縮しているのだろう。

休日、家族でK市のお千代保稲荷に行くことになった。参道の食べ歩きや、ショッピングが楽しいらしい。どんな店があるか、あらかじめネットで調べ、駐車場は? 経路は? おすすめグルメは?…

いろいろネットで調べつつも、主人は何もしないことに、腹がたってきた。なんで、いつも私なんだ。Nさんのご主人なんか、旅行でもレストランでも、全部手配してくれて、奥さんをホテルや店の前で降ろし、ご主人が駐車場へ車を入れに行く。実家の両親だって、母は車に乗っているだけだった。なんで、うちはいつもこうなんだ。そもそも新婚旅行の時から、「仕事が忙しい」の理由で、私がすべて手配した。その後も、国内外の旅行の飛行機、宿泊先、店、ツアー、全部私が手配した。後ろから歩きながら主人が「今日のホテルはどこ?」と聞いてくるだけ。

きぃーっ!ああ、あの時もこの時も… 女の怒りはポイント制(また出た)
 「どうして、いっつも、私ばっかりに!」と言ったきり、涙がどばぁー。私の前頭葉は委縮して、心臓がバクバク。まだまだ文句が言い足りない、怒りのハンドブレーキを必死で、グイっと引きながら、私は、車の後部座席に座っていても、ハンドブレーキの手を緩めると、あの時も、この時も…と、長年の恨みが噴き出て涙があふれそうだった。(何故か、頭の中のイメージはハンドブレーキのレバーを必死で握っている図) 

なんとか、ブレーキを引ききって、無事、お千代保稲荷で、食べ歩きをし、買い物をどっさりして帰ってきた。もちろん、バケツ一杯の甘夏も買い、上機嫌で帰ってきました。

おうちカフェ 甘夏レアチーズケーキ

〇材料 … クリームチーズ 砂糖 ヨーグルト 生クリーム ゼラチン ビスケット バター 甘夏 


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