質問(22/7/15講義)②

greatminer:
 第7回の12段落と注に関して、誤解や聞き違い・記憶違いであったら申し訳ありませんが、「時計の文字盤のような人為的なものは厳密には不要であり、変化するものとしないものがあればよい」という趣旨のお話があったかと思います。
<私>については、同型の他者であり得るような他の人間の存在が(厳密に必ず必要というわけではないとしても)重要なのかと理解していましたが、<今>については、同型のものは必要ないのでしょうか(時計の文字盤や地球の自転・公転と太陽の関係のようなものは、同じ種類のものが複数現れることを示すものとして必要になるのだろうか、と思っていました)。
そのようなことは、変化するものとしないものがあるということのみで賄われるということでしょうか。
(もし、『哲学探究1』など他の箇所に書かれていましたら、失礼いたしました。)

永井:
「時計の文字盤のような人為的なものは厳密には不要であり、変化するものとしないものがあればよい」のは、変化するものが針で変化しないものが文字盤だからです。これは<私>について同型の他者であり得るような他の人間の存在が必要である(あるいはない)という問題とは関係ありません。「同型の他者」の存在にあたるものは、この今ではない他の今の存在です。変化するものと変化しないものがあれば(この捉え方の中にすでに)この今と他の今が存在しています。

※関連リンク「哲学探究3 第7回」

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