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VS サザエさん症候群

 「サザエさん症候群」とは、日曜の夕方頃から翌日の月曜日が憂鬱になる症状で、ちょうど国民的アニメ「サザエさん」の放送時間と重なることから、そう名づけられた。
(もちろん、医学的な病名ではない)
 
 おそらく日本人どころか世界中の人が常日頃経験しているものなのである。

 もちろん、私も絶賛疾患中だ。私の場合、日曜の昼頃から少しずつ憂鬱になり夜にピークに達する。

 週末のラストを晩酌で飾ることもよくあるが、お酒を飲むと一時的には良い気分になり、「明日からも頑張ろう」となるが、しばらくするとサザエさん症候群が重くのしかかることが多い。(それでも晩酌はやめられない)

 そして絶望のまま睡眠に入り、月曜日の朝になっても症候群は抜けきらない、とまあそんな感じで1週間がスタートする。

 ちなみにこのエッセイも月曜日の朝、絶望真っ只中に書いている。

 こんな私でも少しだけ気をつけていることがある。もはや何の説得力も無いが1つでも参考になればと思う。


①月曜日の朝はオフモード

 月曜日は週末明け直後で、頭や心が何かと回っていないことが多い。
 これは仕事に対するモチベーションのみならず、職場での対人関係などにも当てはまる。無理してオフの状態からオンにしようとすると、一時的にはどうにかなるかもしれないが、後々疲れがドッと襲いかかる。

 そのため、月曜日は仕事へのやる気を無理して出さないだけでなく、職場の人とのコミュニケーションも軽い挨拶程度で済ますようにしている。

 万が一、冷たい奴と思われるのが嫌ならば「私月曜日結構弱いんですよねー」と、宣言しておくのもアリだ。


②月曜日は自分にプチご褒美

 月曜日は出勤するだけでも相当偉いと思う。「何をなめたこと言っているんだ!」と言う方がいるかもしれないが、いても私は同じことを言う。月曜日は出勤するだけで偉い。

 体調やメンタルが芳しくない時期にいる人にとっては、この月曜日に会社に行くという行為自体がなかなか厳しいと思う。それができたのだから、もっと自分を労ってもよいはずだ。

 私は月曜日は好きなチョコを買っても良いことにしている。チョコだけに自分を甘やかしている。このような自分へのプチご褒美があれば、「月曜日はしんどいけど、まあとりあえず出勤してみるか」と会社へ行く動機が少し上がるのだ。
(最近、糖分を取り過ぎていないか心配になってきたのでご褒美のやり過ぎには注意)


③仕事が始まれば勝手にエンジンが掛かる

 月曜日はしんどい話をしてきたが、職場に着いたら大小あれど仕事をする。
 そうすると、だんだんとエンジンが掛かってくる。いわゆる「作業興奮」というやつだ。エンジンが掛かるまでの時間には個人差があるが、一旦エンジンが掛かれば、それまで感じていた憂鬱な気分は無くなる。

 私はこの段階で「サザエさん症候群」が収まったと感じる。小さな生まれ変わりのような感覚でもある。エンジンが掛かりやすくなるように私は、

・金曜日の退勤時に翌週やることを付箋に書いて机に貼っておく
・金曜日の退勤時にデスク周りを整理整頓しておく(「綺麗さっぱり」というよりは「整える」というイメージ)
・月曜日の朝はいきなり難しい業務からとりかからない

といった点を意識している。

 いずれにせよ、「どんなに憂鬱でも職場に行きさえすれば、エンジンが掛かり勝手に憂鬱な気分とはお別れできる」、「職場に着けば後はもう一人の自分が何とかしてくれる」ということを頭に入れておくだけでも少しマシになる。


④月曜日は残業しない

 いくらエンジンが掛かってもまだ週の初日である。残り4日もあるわけだから、ここで無理してはいけない。まだできそうと思っていてもセーブしておく方が吉である。

 もし、残業する必要があったとしても、可能ならば他の曜日にした方がよい。経験上、月曜日に無理してしまうと水曜、木曜辺りが結構しんどくなる。
(金曜日は週末を控えているので何とかなる)


⑤週末を特別視しない(すぐにやってくる)

 もしかしたら、これが一番大事かもしれない。
 週末は所詮、週の終わりなので毎週やってくる。5日経てば必ず週末は笑顔で迎えに来てくれるのだ。

 しかし、あまりこの週末を特別視してしまうと、金曜〜日曜はハッピーかもしれないが、その分、サザエさん症候群は重くなる。このギャップは結構きついものがある。

 そのため、週末は「働かなくてラッキー!」くらいの気持ちでいるほうが良い。何度も言うが、週末はすぐにやってくる。毎週やってくる。


 以上が、サザエさん症候群患者の処方箋である。使えるものがあれば試してみてほしい。

 私はこのエッセイを書いていて少し気分がマシになった。後は職場に到着すれば勝手にエンジンが掛かるだろう。もう一人の自分に期待することにする。

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