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【書評/音声コンテンツstand.fm】子育て×読書 第2回「究極の鍛錬」努力について

みなさん、如何お過ごしでしょうか?

今日は、先日収録した第2回目のstand.fm音声コンテンツの「究極の鍛錬」ジョフ・コルヴァン著について、文字起こし的に記事を書いて行きたいと思います。

ジョフ・コルヴァンという人はアメリカの「フォーチュン誌」編集主幹ということで、全米でも比較的知名度の高いジャーナリストの様です。

子育てと絡めての話となりますが、努力とか才能という部分にフォーカスをして音声コンテンツを配信致しました。

天才、才能、凡人、努力という言葉にご興味のある方は多いのではないでしょうか?

日々向き合う、7歳と3歳の娘達と過ごす中でも考える事が多い問いです。才能とは?そもそも才能とは何なのか?天才と凡人を分けているその差とは?分断して思考する意味があるのか?など問いは尽きません。

この書籍のおもしろいところは、豊富なエビデンスを元に如何に鍛錬することが重要かを説いているところにあります。よく聞く言い訳?には遺伝のせいにしたり、人のせいにしたり、劣化する昭和のおっさんにもそんな人も多いと思いますが、実は努力をすることが非常に重要だということがこの書籍から得られる洞察の一つです。

◯モーツアルトも普通の人だった

はい。かの有名モーツアルトですが、実は普通の人?だったと書いてあります。何が普通の人なのか・・・5歳で作曲し、8歳の時に公式の場でピアニスト、ヴァイオリニストとして演奏会に参加し・・・その後、次々に作品を世に生み出すという天才っぷりですが・・・

モーツアルトのお父さんのレオポルト・モーツアルトも有名な作曲家だったそうです。そもそも育った環境が音楽に親しんで育つような状況だったのでモーツアルトも幼いときから音楽を叩き込まれていたんですね・・・

お父さんはどうも教えることに非常に興味を持っていたみたいで、モーツアルトに英才教育を施したみたいです。

モーツアルトの現存する楽譜は執拗に書き直しや、やり直しをしていたようです。たしかに頭の中で組み立てをしていたようですが、現存する楽譜には何度も、何度もやり直した跡が残っていたそうです。

また一部を書いては数ヶ月寝かしておいて・・・時には数年置いてから着手することもあったみたいで・・・

これは何を意味しているのか?

恐らく、粘り強く諦めないで何度も特定の分野に取り組んだことで、その努力が才能へと転換されて天才という人々が後付で称賛する呼ばれ方に変わったのだと思います。結局、他者は結果を見るだけで努力のプロセスなどはあまり気に留めないことが多いですよね。

しかし、その結果にたどり着くまでに相当な血も滲むような努力があったということを忘れないほうが良いですし、そこから示唆が得られそうです。

つまりは・・・天才と呼ばれる人も実は相当な時間の努力をある特定の領域に費やしてきたことがわかるわけです。

◯タイガーウッズの事例
タイガーウッズといえばゴルフ界のスーパースターですが、お父さんのアールさんは相当教えるのが好きみたいです。アールさんがガレージのネットにゴルフボールを打ち込むのを何時間も見ていたそうです。生後7ヶ月の時に既にメタル製のゴルフクラブを渡しているそうで、ガレージのネットにアールさんが打ち込むのを何回も何回も映画のように見て育ったそうです。2歳になるころには、2人で定期的にゴルフ場でプレーしていたそうです。

タイガー・ウッズ曰くですが、誰よりも尊敬する父と競争するためにゴルフをしていたということの様です。

このモーツアルトとタイガー・ウッズの事例からわかることですが、二人共、家族から(特に父)の影響が生後間もないときからあり、しかも何回も何回も練習を繰り返す日々を過ごしたということが共通しています。

◯究極の鍛錬の要素とは?

鍛錬の要素があるそうですが・・・どんなものかと読み進めたんですが・・・特に⑤が・・・印象に残りました。

①しばしば教師の手を借り、実績向上のた特別に考察されている。
②何度も繰り返すことが出来る。
③結果に関し継続的にフィードバックを受けることが出来る。
④チェスやビジネスのように純粋に知的な活動であるが、スポーツのように主に肉体的な活動であるにかかわらず、精神的にとてもつらい。
⑤あまりおもしろくない。

どうですか・・・予想はある程度して居たんですが、つらくて、あまりおもしろくない・・・って鍛錬という言葉が連想する通りではありましたが、アンダース・エリクソンの様な高名な先生が研究したり著者が調べた結果がまさに究極の鍛錬(つらくて、あまりおもしろくない)だとすると、言葉がありませんよね。

言い換えれば・・・

「世の中に近道や楽な方法はない」ということになると思います。

正しい方法でただ、ひたすらに絞った領域に対して努力を重ねる・・・
なんとも厳しい現実ですが、これは当然といえば当然ですよね。

才能があるという言い方は良く聞きますが、そもそもその才能の部分は努力を重ねた結果、尖った部分が才能の芽なわけど、努力もしない人が才能の芽を伸ばすことはなかなか難しいと思わざるを得ません。

◯マルコム・グラッドウェルの1万時間の法則

マルコム・グラッドウェルという人をご存知でしょうか?
「天才」成功する人の法則や「第1感」という書籍がありますが、マルコム・グラッドウェルは何事かを成し遂げるには1万時間の努力を要するという論を展開したことで有名ですね。以下、引用を引いてみたいと思います。

「1万時間の法則」とは、ある分野でスキルを磨いて一流として成功するには、1万時間もの練習・努力・学習が必要だというもの。 エリクソン教授らの研究をもとに、マルコム・グラッドウェル氏が提唱しました。 「天才は1%のひらめきと99%の努力でできている」という言葉もあるように、努力の大切さは誰もが知っています。

1万時間の法則については賛否両論ありますが、ここでは正しい正しくないの話は脇に置いておいて、1万時間もの時間を努力に傾けるマインドセットはどのように育まれるのか?非常に興味があります。

子育てをする親としては子供が何事かを継続的に努力出来る環境を作ることと、励ましや勇気付を継続的に粘り強く行うことが非常に大切だという示唆が得られます.

◯達人と凡人の違いとは

では達人と凡人の違いと何なのか?普通の人が普通に努力したのでは達人にはなれないと思います。一体、達人は何を見ているのでしょうか?

見ているポイントが凡人と違うのでしょうか?そもそも達人と凡人が見ている対象は同じなのか?

マルスク・ガブリエルの意味の場に置いては同じ対象なのかもしれませんが、それでもやはり観ている対象は微妙に一人ひとり違うはずです。

私はこの違いは洞察という言葉に集約されていると思います。

洞察とは・・・先を見通すこと、本質を見抜くこと。

この洞察という言葉に集約されて居るように気が致します。
達人はこの洞察が鋭い人のことを指すと思います。書籍の中にはしかもより少ない情報から予測を立てることが書いてありますが、達人になると少ない情報からも先を見通すことができるんですね。

また、他者が全く気が付かないような微細な点に気づき、もう一つの物事をより多く認識する事が出来る力という記載がありました。

◯ミエリン(myelin)とは・・・

唐突ですが・・・ミエリンとは何なんでしょうか?

ミエリン(髄鞘)は神経細胞の軸索を取り囲んでいる物質であり、絶縁体の役割り(電気線の絶縁体、ビニールテープのようなもの)を果たしています。 ... 神経細胞によって、身体の別々の部分の間で情報が送られます。 ミエリンは電気信号の伝わりを速める ほとんどの神経線維はミエリンと呼ばれる脂肪層で囲まれ、絶縁されています。

ということの様です。

書籍の方には要するにこのミエリンがあると神経細胞やニューロンがより機能するようになるんだそうです。たとえば、プロのピアニストの頭脳を見るとピアニストの能力に関連する脳領域でミエリンの増殖が見えるんだそうです。

このミエリンといういう物質がポイントのようですが、この物質は増殖するのに時間がかかるようです。増殖をさせるには、鍛錬、鍛錬、鍛錬ということになるわけですね。神経線維に何度も何度も信号を送り続ける。ひたすら送り続ける。スポーツや音楽だけではなくビジネスでも重要な運動になります。

◯まずどこへ行きたいかを知る

まさに・・・故クレイトン・クリステンセン教授の自画像・献身・尺度!!
自画像かなと思うような記述がございます。。。

たしかにどこへ行くかの目的地を定めずに出かけても・・・宛のない旅というのも、無目的な読書の話で以前に触れましたが、良い側面もあるので、否定はできません。

ただ、自身がやりたいことを「知る」ということが非常に重要な考え方になることは間違いなさそうです。達人はこの自身がやりたいことを知るということにリソースを割いてあれこ手を出さずにじっくり、コツコツと取り組んでいるという事が分かってきました。

◯ピカソの「アビニヨンの娘たち」

ピカソが生涯2万点もの作品を残したことは有名ですが・・・その2万点のうち我々が知っている作品ってどれくないの数なんでしょうか?

天才ピカソですら、2万点もの作品をアウトプットしまくったと言うことですが、鍛錬を続けた先に人々を魅了する作品を生み出したと理解できそうですよね。

アビニヨンの娘たちとう作品をご存知でしょうか?
究極の鍛錬にも紹介されておりますが、ピカソの作品の中でも非人間的な顔と攻撃的なまでのヌードが描かれており、何かを訴えていることは間違いなさそうです。古代のベリア彫刻、アフリカと南太平洋の原始美術、セザンヌやマティスの絵に描かれていた特定の人物構成などからの影響を強く受けているとされている。

つまり、ピカソですら無から生み出しているわけではなく、既存×既存のフレームでイノベーションを起こしていたことは、ほぼ間違いなさそうです。

絵画という専門分野で何年にもわたり研鑽を積んで熟練してきた芸術家が、時間を掛けて吸収し、育て上げてきた諸要素を見事なまでに新しい形で組み合わせ、洗練した結果として作り上げたものが、ピカソの「アビニヨンの娘たち」なのだ。

これはつまり、イノベーションを起こす源泉の一つに鍛錬(究極の)がファクトとして間違いなく存在することが分かるエピソードではないかと思います。

◯どんな家庭環境が良いのか?

家庭環境は子供にとってとても影響を受けますよね。私の自宅には書籍がたくさんあるので、子供たちも絵本をたくさん読んでいますが、これも環境が与えるたまたまの影響なのかと思っています。

タイガー・ウッズもモーツァルトもお父さんの影響を多分に受けてますよね。毎日お父さんがゴルフの練習をしていれば・・・そりゃ~子供も少しやってみたくなっても不思議なことではないですし、私も興味を持つと思うんです。

書籍の中でも語られていますが、一生懸命支援する親の存在が描かれています。両親は幼いときから両親の専門分野への方向づけを行っていたと書いてありますね。専門分野とは・・・。専門分野を持たない人は。。。という疑問もありますが、一生懸命粘り強く支援することはできますよね。

また両親は子供の家庭教師を選んでいたと書いてありますが・・・家庭教師を選ぶのもそうですが、雇うのもそれなりに収入がない家庭でないと無理な話かもしれませんが、良い師が良い影響を与えることもなんとなく想像できますね。

また、両親が子供の好奇心を促し、子供の質問に丁寧に答えていた、子供を支援するためによく考え抜かれた環境を作り、家族が明確に役割と仕事を持っていたそうです。

これは・・・ハードル高い。子育てしながらビジネスも回し、子供の好奇心を満たす環境設定、アジェンダの設定と質問には真摯に回答するという・・・これが出来るという事は・・・ビジネスの場でも相当リテラシーが高い人の様に感じます。見習わなくては・・・。


はい。今回は、stand.fmの第2回目の収録内容を文字起こし+肉付けをしてお届けしてみました。子育てや人間関係、ビジネスに何らかのヒントが得られれば嬉しく思います。

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