イノベーション・オブ・ライフを再読する②答えではなく考え方を学ぶ
クレイトン・クリステンセンさんの「イノベーション・オブ・ライフ」を再読している。
18ページまでの振り返り。
第1章では、クリステンセンさんが破壊的イノベーションの理論をインテルや米・国防長官にプレゼンテーションした様子が語られる。そこで重要なのは、クリステンセンさんはあくまで「答え」ではなく「理論」を教えたということだった。
特に国防長官らは、破壊的イノベーションの話を聞いた軍人らが、対ソ戦からテロ対策への転換の必要性に置き換えて理解し、対策を取ったことが語られる。ローエンドの鉄板からハイエンドの鉄筋市場へ破壊的イノベーションが拡大したように、軍事的ローエンドのテロが今後の主流になることを読んでいた。
優れた理論はさまざまな分野で応用が効く。裏を返すと、対症療法的な対策を学ぶよりも、「何が起こるとどうなるのか」をきちんと理解することが大切だというのが序盤の一つの教訓だ。
一方で、これらの話は批判的に検討する必要もある。特にテロ対策については、破壊的イノベーションとテロリズムの共通性に気づいていたはずの米国が、なぜ2001年の同時多発テロを許したのかと考えることもできるだろう。
答えよりも理論を学ぶことは大切だ。しかしその理論を生かすためにはまだ何か必要なものがあるということに、気をつけなくてはならない。
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