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イノベーション・オブ・ライフを再読する⑥「ジョブ理論」は人生にも生かせる
クレイトン・クリステンセンさん「イノベーション・オブ・ライフ」を再読している。133ページ、第2部「幸せな関係を築く」第6講「そのミルクシェイクは何のために雇ったのか?」までを振り返る。
前回、「イノベーションのジレンマ」は人生においても発生し得ることを学んだ。今回はクリステンセンさんのもう一つの十八番「ジョブ理論」も、人生に応用できることが明らかにされる。
ジョブ理論は、人は商品を機能や成分、価格でなく、「片付けたい用事(=ジョブ)の解決に役立つのか」で選んでいるのだとするもの。
タイトル通り、あるミルクシェイク店がケーススタディになる。ミルクシェイクの売り上げを増やすのに、どんな改善をすれば良いか?チョコの量を増やすか、もっと、ヘルシーにすべきか。
ジョブ理論のレンズで見ると、そのどちらでもなかった。このミルクシェイクは、朝と夕方に売れた。ヒアリングすると、朝に買う人は出勤のドライブのお供に買っていた。だから片手で飲めて、ねっとりして長時間楽しめて、腹持ちの良いシェイクが良かった。
一方で夕方の客は、子どものおねだりに負けた父親が多かった。こちらは朝の客と反対に、子どもの口でもさっと飲めるシェイクの方がよかった。慌ただしい夕方、子どもの満足をすぐに引き出せるから。
ジョブ理論で見ると、シェイクの売り上げを増やすためにはシェイクそのものより、それを買う客の声に耳を傾ける必要がある。
これは、家族に対しても同じだ。
我々がやりがちな誤りは、パートナーにとってのジョブを解決するより、目に見える家事を片付けたり、「生きていくためにはお金が必要だ」と言い訳して仕事に邁進すること。このとき、ジョブ理論に目を向けずシェイクのチョコレート含有量を倍増させるようなことをパートナーに対してやっている。
パートナーにとって、我々は「伴侶」というプロダクトなのだと考えられる。だから大切なのは相手の声に耳を傾けて、相手にとってのジョブを解決するように貢献することだ。
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