イノベーション・オブ・ライフを再読する⑧経験の学校に通う
クレイトン・クリステンセンさん「イノベーション・オブ・ライフ」を再読している。第8講「経験の学校」までを振り返る。
今回取り上げられるのは人事採用論の「経験の学校」。これは名称から想像できる内容で、スムーズに頭に入ってくる。
主に中途採用時、採用候補の肩書きに目を向けると失敗することがあるのはなぜか。著名企業のマーケティング担当だとしても、新規商品のマーケティングを必ずしも成功させられないのはなぜか。
クリステンセンさんは「経験の学校に通っていないからだ」と説く。端的に言えば、あるジョブをこなせるかどうかは、同種の経験をしているかどうかが最も判定しやすいリトマス紙だという。
新規商品の立ち上げを成功させたければ、その人がかつて新規商品を立ち上げた経験があるかを見るべき。「経験の学校」を受講したかが大切になる。
家庭においても、さまざまな「経験の学校」となる機会を作ることが大切である。この点に疑いはないものの、ある経験がその後も汎用性を持ち続けるのかについてはおそらく留保が必要だ。
特に今は変化の激しい時代。学び続けることの大切さが説かれるように、経験の学校の受講歴がひとつでは足りないように思う。
また、採用時には受講歴を「言語化」できるか重視される点と、言語化できることと経験の深さは必ずしもリンクしないことについても、ひとつの批判的な検討点になるような気がしている。
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