大人になったあなたに見てほしい
今までそんな風に思ったことはなかったのに、
一度気がついたら止まらなくなる。
後ろ姿もフウちゃんに似ていた。
35歳独身女性メイが仕事に恋に人生に迷いながらも
進んでいく小説
「大人になったら」著 畑野智美
こちらを今回は紹介していきます。
主人公のメイは17歳の誕生日に告白されて付き合ったフウちゃんとは、
10年付き合った。
そのまま結婚すると思っていたメイ。
20代の頃に思い描いていた将来とは全く違う35歳。
自分のすべてをかけて守ると決め、「命」となずけてくれた父は、
大学の卒業式の日に愛人のものへ行ってしまった。
母もそれから3年と2か月後に、乳がんでなくなってしまった。
母の一周忌が終わって、すぐの誕生日にフウちゃんと別れ、
わたしを自分の「命」と同等に考えてくれる人は、
この世界にひとりもいなくなってしまった。
35歳になっても今までと変わらぬ日々が、
過ぎていくと思っていたメイだが、少しづつ生活が変化していく。
仕事では、落ち続けていた店長検定に合格し、
今まではなにも思わなかったお店の常連さん、羽鳥先生を意識するようになる。
35歳という年齢になり、結婚のこと、子供のことを
否応なりに考えさせられてしまう。
周りやこの先の自分の将来、結婚しないならこういう人生なのかと。
とても純粋なメイだからこそ、仕事に恋に真剣に向き合う
その姿にとても感じるものがあった。
仕事も自分がいいと思ったらそれがいい。
恋もその人がいいと思ったならそれがいい。
とても芯のしっかりしたメイになりたいと私は単純に思った。
37歳、独り身の私にはとても共感できるところも多かった。
飲食店勤務なのも共感がとてもできたところなのだと思うが、
年齢や性別、何も関係なく、自分の感じるいいと思ったものを
純粋に愛するということは、
人生において一番必要なことなのではないだろうか。
わたしは男の人に頼りがいを求めない。
自分ひとりで引っ越しも終えられたし、
だいたいのことはどうにかなる。
それでも、わたしの人生には、彼が必要だと感じる。
そう思える相手に、わたしも出会いたい。
Written by なおこ
アラフォー女