令和の部下指導こそAIに頼れ
「この部下に、どう声をかければいいんだろう...」
マネジメントをしていると、誰もが一度は悩むこの課題。 実は、AIに相談することで、意外なほど良い解決策が見つかったりします。
この記事では、「本を読むようにAIを使ったらいい」という、価値観に近いところをお伝えします。
部下指導の難しさ
フィードバックのタイミング、言い方、強さ加減。
悩みすぎて結局何も言えなかったり、逆に感情的になって後悔したり。
本当に部下指導は難しいですよね。
特に、以下のようなケースで悩むことが多いのではないでしょうか。
「期限は守って欲しいけど、プレッシャーをかけすぎるのも良くない」
「もっと積極的になって欲しいけど、どう伝えれば良いのか」
「他のメンバーと上手くいってないみたいだけど...」
こういった相談ごとは、同じ職層…課長同士や部長同士では、以前はよく行われていました。そして、相談を通じて、だいたいなんとかなる答えが見つかったものです。
しかし、時は令和。
相談をするのはいいが、全員が「どうしたらいいんだろうね…」と途方にくれてしまうことも珍しくありません。
そこにさっと登場するのが、まさに令和の中心人物「対話型のAI」なのは、なんとも複雑な気持ちにはなります。
なぜAIに相談するのか
そんな中で提案したいのが、部下に直接フィードバックする前に、まずAIに相談してみるという方法です。
実は、これはコーチングの基本的な手法そのものなんです。 なぜなら…
自分の考えを整理できる(内省)
客観的な視点が得られる(メタ視点)
建設的な代替案を考えられる(選択肢の拡大)
まさにコーチングに期待する効果そのものですよね。
この時、AIは会話や文章作成に強いものがおすすめです。
私が、今(2024年11月現在)、色々な会社におススメしているのは「Claude」ですね。
基本的な、短時間の利用なら無料なのが何より素晴らしい笑
具体的な使い方
実際の対話例を見てみましょう。
ケース1:期限を守れない部下への指導
まず、AIにこう相談します。
「私は日本の、○○業で働いている課長です。私の部署は○○部で、××を仕事にしています。新入社員の部下が、期限を守れません。すでに3回ほど遅れていて、今回も遅れそうです。叱りたい気持ちもありますが、萎縮させたくもありません。どのように声をかけるのが良いでしょうか?」
Claudeからは、こんな返答が返ってきました。
この助言を受けて、実際に部下と話してみると、「実は作業の順序が分からず、手戻りが多かった」ということが分かる。
というような流れですね。
ケース2:モチベーションの低い部下への声かけ
こんな相談をしてみました:
「最近、部下の様子がいつもと違います。仕事は最低限こなしていますが、以前のような積極性が見られません。どのように話しかければ良いでしょうか?」
Claudeの返答:
実はこれは、プロのコーチが使う「アウェアネス」「承認」「質問」という3つの技法そのものです。
ケース3:同僚との関係に悩む部下への対応
今度は少し複雑なケースです。AIにこう相談してみました:
「チーム内の他メンバーと、私の部下Aさんとの関係が良くないようです。Aさんは『自分は正しいことをしているだけなのに...』と言い、他メンバーからは『あの人は協調性がない』と言われています。どうアプローチすればいいでしょうか?」
Claudeの返答:
このアドバイスを実践してみると、部下は「自分の正しさを否定されなかった」ことでまずは心を開き、建設的な対話ができました。
AIに相談することの効果
このように、AIに相談することで、以下のような効果が得られます。
1.感情的になりすぎない
一度文字にすることで冷静になれる
客観的な視点が得られる
建設的な選択肢が増える
2.コーチング的アプローチが学べる
質問の仕方
傾聴の姿勢
承認の方法
3.記録として残せる
過去の対応を振り返れる
成功パターンが蓄積できる
自分の成長も実感できる
どうでしょう?もちろん、100%正しい回答が返ってくるわけでもありませんが、それは人間のコーチでも同じです。
これが無料で・いつでも使えるというのですから、いい時代になったと思います。
使う上での注意点
とはいえ、もちろん相手はAI、しょせんは「道具」です。
実際に使うにあたっては、注意すべきことはいくつかあります。
1.AIはあくまでも参考意見
最終的な判断は自分で。それが、部下に伝わる言葉になります。
組織の文化や文脈は自分で補う。あくまでAIは「一般論」です。
緊急時は直接対応を。火傷は、すぐ冷水で冷やさなければならないように。
2.継続的な活用を
1回だけでなく定期的に。AIを使うにも、使う側の慣れが一番必要です。
成功/失敗のパターンを記録。そうすれば、自然とAIなんて要らなくなります。
自分なりの活用方法を確立していきましょう。
さいごに
部下指導に悩むのは、実は良いことです。
それは、あなたが真剣に部下の成長を考えているという証だからです。
とはいえ、それであなたが壊れてしまったら元も子もありません。
なので、楽をするために道具を使いましょう。
その真剣さをより建設的な形にするために、AIという「相談相手」を活用してみてはいかがでしょうか。
そろばんからエクセルへとツールが変わっていったように、Web検索から対話AIへとツールを変えることは、ごく自然のことです。
きっと、あなたのマネジメントに新しい視点と可能性をもたらしてくれるはずです。
参考文献
『コーチング・バイブル 第4版』コーチ・エィ著
『新 コーチングが人を活かす』鈴木義幸著
『この1冊ですべてわかる 新版 コーチングの基本』コーチ・エイ著
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