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恋愛は永遠に私たちのものだ
夜の灯りクリニックのヨルです。
今日は「恋愛は永遠に私たちのものだ」というテーマでお話したいと思います。
前回は「結婚はどこへ消えた?」というタイトルで記事を書いたので、ぜひこちらもご覧下さい。
「結婚はどこへ消えた?」は、文明社会において結婚がどこかへ消えてしまい、私たちはそれを探しに行かなくてはならなくなった、というお話でした。
結婚はなぜ消えてしまったのでしょうか。私たちはいつだって結婚と仲良くしたいと思ってきたのではなかったでしょうか。
「僕はずっと仲良くしたかったのに、君はある日、何も言わずに僕の前から消えてしまった」
こういうこと、ありますよね。
「僕」が「君」を誤解していた時に発生するイベントです。
私たちは「結婚」を誤解していたのかもしれません。しかし、誤解を解きたくても「結婚」はもうどこかへ消えてしまいました。
仕方がないので「結婚」の親友である「恋愛」に理由を聞いてみませんか。現生人類の大半は「恋愛」を仲人として「結婚」を紹介してもらいます。きっと「恋愛」は「結婚」が消えた理由を知っているでしょう。
ところで、「恋愛」は消えていないのでしょうか?
二人は親友ですから「結婚」と一緒に「恋愛」も消えてしまった可能性があります。そうなった場合、私たちは誰を頼ればよいのでしょうか。急に心配になってきました。。。
「恋愛」のドアをノックをしてみます。
「コンコン」
「いるよー」
声が返ってきましたね。安心してドアを開けましょう。
恋愛は永遠に私たちのものです。
恋愛は永遠に私たちのものだ
結婚は消えてしまいましたが、恋愛はいつも私たちの隣にいてくれます。しかし恋愛は優しく微笑んだり、慰めたりしてくれるだけで、大抵は何も教えてくれません。
そもそも、恋愛と結婚、この二人の関係は何でしょうか。
二人は本当に親友?兄弟姉妹?親子?どうなのでしょう。
私たちは恋愛のことをもっとよく知る必要があるようです。
大前提として、文明社会では、結婚は消えても、恋愛は消えないことを確認しましょう。まずは根拠となるデータです。
厚生労働省の出生動向基本調査から、18~34歳の「恋人または婚約者がいる未婚人口割合」を1982年から2021年の長期推移で掲載します。
![](https://assets.st-note.com/img/1693654204971-ZIYRj0fI8V.png?width=1200)
18~34歳の総数で見た場合、恋人がいる男性は20%前半、恋人がいる女性は30%前後と、概ね一定で推移していることが分かります。
年齢別に見ると、2000年前後の20代女性では、恋人がいる割合が増加していますが、これは全体の傾向からみるとむしろ異常値であり、近年はベースラインに回帰していると見ることができるでしょう。
この調査の観察期間である1982年から2021年は、生涯未婚率が上昇した期間とほぼ一致します。前回の記事で掲載した未婚率のグラフを再掲します。
![](https://assets.st-note.com/img/1693656679182-JAIUghAEy3.png?width=1200)
つまり、生涯未婚率が急激に上昇したいずれの年代においても、未婚の恋人が交際している割合には変化はありません。
結婚がどこかへ消えても、恋愛が消えていないことがよく分かります。
このデータから、私たちはたくさんのことを学ぶことができます。
例えば、以下のような誤解があったことです。
・「草食系男子」という虚構
かつて男子が恋愛離れしたという事実はありません。むしろ2000年前後に観察された女性の恋愛意欲の亢進によって、相対的に男性への恋愛期待が高まったことの裏返し表現と見ることができるかもしれません。その場合、2000年前後に「肉食系女子」が出現した、という表現が実情に近いです。
・「恋人」という幻想
現代に生きる私たちは、恋人と恋愛することが人生の大きな目的であると知らず知らず教えられてきませんでしたか。しかし、私たちは年代を問わず、男性は20%前半、女性は30%前後しか「未婚の恋人」と恋愛してきませんでした。一部の恋愛強者だけが「未婚の恋人」との恋愛を独占したという側面もあるでしょう。あるいは、そもそも「未婚の恋人」との恋愛期間が人類の人生のごく一時期しか占めない貴重な時間であった、という側面もあるでしょう。歴史的にみても、人類の生活史の中で「未婚(あるいは未産)の恋人」と恋愛する時間は、線香花火のように儚い炎であったのに違いありません。
恋愛は永遠に私たちのものか?
以上に見てきたように、文明社会において恋愛は消えていませんが、そもそも「未婚の恋人」と恋愛する時間は人類史の中で非常に僅かな時間であったと言うことができます。
「未婚の恋人」との恋愛期間がそれほど限られているにも関わらず、恋愛は永遠に私たちのものだと本当に言えるのでしょうか。
これは私見ですが、人類は絶滅するまで「恋愛」と別れることはないと思います。
そもそも人類は、ほとんどの時間を「未婚の恋人」と恋愛していなかったのです。にも関わらず、私たちは誰もが恋愛というものを非常に大切に思って生活しています。これは、恋愛を経験するためには、必ずしも現実の恋人との恋愛が必要ではないことを示しています。
私たちは、恋愛を経験するとき、自分の内なる「恋愛」と会話をしてきました。会話のテーマは「恋人」や「失恋」であったり、「小説」や「漫画」であったり、「アイドル」や「推しの子」であったりします。私たちはいつも自分の内なる「恋愛」と会話をしてきました。「恋愛」はあなたのノックに対して常にドアを開けてくれませんでしたか?
私たちは「恋愛」と「結婚」の関係について何か勘違いをしてきたのかもしれません。「結婚」はどこかへ消えてしまいました。それでも「恋愛」は何も言わず、あなたに優しく微笑みかけてくれます。
「恋愛」を責めるわけにはいきません。私たちは内なる「恋愛」の声に耳を傾ける必要がありそうです。
次回も「恋愛」と「結婚」について考えます。