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ドラマのレビュー_166_宙わたる教室
突き抜けて良作。一人一人にしっかりスポットが当たって、それをただのキャラクターを消費しているだけではないように見えた。多分これには窪田正孝の力が大きくて、ハマる通り越してもうこれ本人だと思う。彼に安心感があるゆえに、ただの茶番にならずしっかりとしたドラマになっているように感じた。ストーリーは王道で都合が良すぎることも多いし、障害に対し愚直さで戦うだけの話だからとてもシンプル。あまりに序盤が地味なので自分の視聴意識が追いつかず最初のほうは何回か最初から見直すくらい地味だった。で、頑張って見るうちにこれは凄い良回と思ったのが6話。定時制高校の存在意義を定時制の「システム」ではなく、「学校に来たいから」という生徒側の「気持ち」として捉えること、さらに6話に出てくる全日制の生徒が抱える問題との対比/成長がブッ刺さった。「課『外』活動」である部活動をやる理由ってもうこれしかないし、このシンプルかつ思いの強い言葉が生徒たちの活動を支えていると分かるうえ、全日制や通信制などと比較したときにそれらを下げることがないのも素晴らしい。定時制高校あるあるネタみたいなものがないのも、小ネタに振り回される感じがなくてこれも好印象。定時制高校の話だからか朝でも昼でも暗い照明にしたり、学校セットの精密さも良い。最終回なんてずっと泣いてた、本当に尊い時間だった。
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