イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル ENGLISH SPRINGER SPANIEL:近世以前 イギリス

画像1 この犬は、そこ知れぬスタミナを持つガンドッグで高い作業能力を誇っている。得意なのは、森の下生えの中に潜む鳥を驚かせて飛び立たせるフラッシングだ。その際、鳥がバネ(スプリング)ではじかれたように見えるところから、「 スプリンガー」の名が付いたという説がある。 フラッシングだけでなく、撃ち落とされた鳥のレトリービング(回収)もお手のものだ。一般に「スパニエル」は ラテン語のイベリア半島の古名「ヒスパニア」が語源だとされており、 このタイプの犬はスペインで発達してきたと推断されている。
画像2 従前、 名前に含まれる「スパニエル」の語の使い方が曖昧だったこともあり、この犬の起源を解明するのは容易ではないが、おそらくはあらゆる実用スパニエルのルーツになる犬だと考えられている。 歴史を紐とくと、10世紀に成文化された「ウェールズ法」にイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルについての言及がある。16世紀以降の絵画には、この犬に酷似した犬がしばしば描かれている。 ルーベンスの『最後の晩餐』 の”誘惑に負けて骨を食べてしまった犬”は (デフォルメされているが)この犬にそっくりだ。

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