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自分で生み出すこと

振り返ってみると、私は小さい頃から、何かを生み出すことが好きだったんだなと気づく。最初に触れたのはピアノ。3歳から12歳までピアノを習っていたけれど、その頃の私は全然楽譜を読めなかったし、読む気もなかった。先生の手を見ながら覚えて弾いていたけど、クラシック音楽には全く興味がなかった。なんで知らない人が作った曲を弾かなきゃいけないのか、その意味がわからず、ピアノがとても嫌いだった。

でも、高校生になって、親友とアニメに夢中になった時、彼女がピアノでアニメのオープニングを弾くのを見て、心がすごく動かされた。それがきっかけで、アニソンの楽譜をもらって、少しずつ自分で弾けるようになったとき、すごく嬉しくて。アニメのBGMを弾くことで、ピアノがストレスを発散させてくれる大切な存在になった。その後、自分で3曲だけピアノ曲を作り、YouTubeにアップしたこともあった。

だけど、部活の大会や受験、そして引っ越しの際にボロボロになった実家のピアノを処分してしまったから、それからしばらくピアノに触れていなかった。でも、来年にはまた自分でピアノを買って、再びその温かな音を感じながら弾きたいと思っている。

次に夢中になったのは文字を書くこと。文字を書くことで気持ちが整理できるし、発散にもなる。過去に書いた自分の言葉に何度も助けられてきた。
手紙を書いて友達から「感動した」と言われるたび、私はとても嬉しかった。そのことがきっかけで、もっと文字に向き合いたいと思ったのかもしれない。

文字って、誰がどんな思いで書くかによって全然違った印象になる。私が一番感動したのは吉本ばなな先生の文章。彼女が使う言葉に、心が温かくなるような力があった。美しくなくてもいい。私には美しい文字を書くことはできないけれど、自分の言葉を綴りたいと思っている。

社会人になってからは、少しライター業もしていたけれど、書くことって体力を使うから、報酬を得るためのライティングは今はもうしていない。ただ、今は趣味として、のんびりと自分のペースで書くことを楽しんでいる。

そして、最近は織物に夢中になっている。小さい頃、母が編んでくれたポンチョやニットワンピースをよく覚えている。大人になり、愛犬が乾燥肌で犬用の服を買うようになって、SNSで他の飼い主が犬服を手作りしているのを見て、私も作ってみたいと思った。でもその時は、忙しくてその思いを忘れてしまっていた。

シドニーに滞在しているときに、ふと思い出して毛糸を買って、犬用のスタイを編んでみた。最初はうまくいかなかったけれど、なんだか楽しくて、次は犬用の服に挑戦した。まだ完璧じゃないけれど、完成したことが本当に嬉しくて。自分のペースで編んでいけばいいと思いながら、少しずつ形を改善している。売り物じゃないから、気軽に楽しんでいる。いつか自分のセーターも作ってみたいな、そんなことを考えながら編み物をしている。

私は、何かを生み出すことで心が温かくなり、満たされることに気付いた。ピアノ、文字、織物。どれも、私にとって大切なもの。そしてこれからも、少しずつ温かい気持ちを形にしていきたい。

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