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ストルバイトを溶解したいからといって、マグネシウムの減らしすぎはあかん理由

結論から言うと、ストルバイト溶解用療法食では「シュウ酸カルシウム結石」(以下 シュウカル)のリスクを上げてしまうことがあります。


以前、以下の療法食の解説をしました。

㋐R社のユリナリーS/Oシリーズは、ストルバイト溶解とシュウカル予防

㋑H社のc/dシリーズは、ストルバイト溶解とシュウカル予防

㋒H社のs/d(猫)は、ストルバイト溶解


㋒のs/dには、リスクがあります。

上記で述べた、シュウカルが形成されるリスクです。


「食事中のマグネシウムを制限しすぎること」やアシドーシスがその原因です。


マグネシウムを制限しすぎることやアシドーシスは骨の融解などにより、高カルシウム血症、高カルシウム尿症を引き起こすおそれがあります。


つまり、ストルバイトの治療のために間違った極端な食事管理をしてしまうことが、「シュウカルのリスクを上げる一因」になります。


ここは手作りであっても、十分注意しておくべきです。


まず、どの結石の治療においても、最も影響が大きいのは尿量です(尿を希釈する)。

(そもそもドライフードが、尿量が減る最大の原因)


シュウカルの形成は、症例によりさまざまな原因が複雑にからんでおり、「特発性」と言われたりもします。


代表的なものに

・脂質代謝異常(高脂血症)
・尿酸性化剤によるアシドーシス
・高脂肪食の給与

などがあります。


<フードのご家庭で注意すべきこと>

一度療法食でストルバイトを溶解した経験があるご家庭では、
再発時に「ご家族の方の判断で療法食を選んで使用するケース」が多いです。


ストルバイトの根本原因は感染症です。


にも関わらず、感染症に対処せずに療法食だけに頼ってしまうなど、
病状を正しく把握せずに食事管理をすることは、シュウカルの形成などのリスクにもなりかねません。

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