Canvaの日本オリジナルテンプレートはこうやって作られている!テンプレートデザイナーインタビュー【DODO DESIGN × Canva】
こちらの記事は、すべての人がデザインを自由に楽しむことができるよう支援するデザインプラットフォーム「Canva(キャンバ)」より、DODO DESIGN 代表取締役 堂々穣とデザイナー 渡邉智香子が受けたインタビュー記事になっています。
世界中にユーザーを持つCanvaでは、日本人デザイナーによる「日本オリジナルテンプレート」を急速に増やしており、2021年6月には、日本オリジナルテンプレート数は3,000個を突破し、今もなおその数を伸ばし続けています。通常は、Canvaのデザイナーさまが制作しているテンプレートデザインを、今回、DODO DESIGNがご依頼いただき、新しい日本オリジナル名刺テンプレートと三つ折りパンフレットテンプレート50点を制作させていただきました。
そこで今回は、Canvaテンプレート制作の舞台裏を中心に色々と詳しく語らせていただきました。
▽インタビュー受け手
DODO DESIGN 代表取締役 堂々穣
DODO DESIGN デザイナー 渡邉智香子
個性あふれるクリエイティブを手がけるDODO DESIGNとは、どんな会社?
――DODO DESIGNとは、どんな会社ですか?
堂々:広告デザインの企画・制作会社です。主なデザインの領域は、グラフィックデザイン、パッケージ、Webデザイン、空間デザイン(店舗の内装やファサードなど)があります。最近では、映像制作も手がけています。
――映像制作もですか。幅広い領域のデザインを手がけているのですね。
堂々:デザインの領域は、だんだん拡大していますね。昔はグラフィックデザインだけだったのですが、お客様のニーズが多様化していることもあって、領域を広げてきました。
1つの商品を多角的なプロモーションで販売をしたい会社様が多いので、ニーズに合わせてデザインをしています。ロゴマークとキービジュアルを作ったら、それをウェブや映像、店舗のディスプレイに展開するといった形です。
あと、我々の会社の特徴は、“個性を売っている”というイメージですかね。全社員がデザイナーなのですが、当然みんな個性がバラバラ。タイポグラフィーが得意な人、写真が得意な人、イラストが得意な人など、みんな様々なんですよね。
だから案件ごとに、僕が適任の人に依頼するようにして、社員の個性を最大化することを常に考えています。たぶん、それがデザイナーにとっても一番ストレスが少ないと思っています。
――素敵ですね!今回作っていただいたテンプレートは、まさにそのフィロソフィーが反映されているような、個性的なデザインが多いですね。
堂々:そうですね(笑)Canvaさんの案件は、とても興味深く楽しくやらせていただきました。僕が特段ディレクションをすることはなく、みんなで自由に制作しましたね。
Canvaだけを使って、Canvaテンプレートを制作するという新しい挑戦
――DODO DESIGNさんの作品はデザインスタイルが幅広く、Canvaと合いそうなテイストが多かったので、ぜひご一緒したいと思いこちらからアプローチさせていただきました。最初は、Canvaプラットフォームに慣れていただくために、トライアルで25点デザインを作っていただきましたね!
堂々:そうですね。トライアルとして、インスタグラム投稿テンプレート、メニューテンプレート、ブックカバーテンプレート、ロゴテンプレートを作りました。ちなみに、トライアルで作ったテンプレートの言語は英語でしたね。
――すべてのテンプレートをCanvaだけで制作されたとは驚きです!
堂々:そうです、Canvaのアプリケーションと素材だけで作りました。Canvaだけでデザインを作るというのは、僕たちにとって新しいトライアルでした。でもそれが面白いなと思ったんですよ。
というのも、デザインは大きく分けてIllustratorとPhotoshopで作られているんですよね。だから、どこか画一的になってしまうところがある。
ソフトの操作が上手か下手かによっても、作品の良し悪しが決まってしまうことがあるんです。わかりやすく言うなら、絵の具が決まってしまっているというイメージです。
そこにCanvaという新しいツールが出てきたので、普段とは違ったツールでデザインを作るのも面白いなと思いました。
――Canvaを初めて使った時はどう思いましたか?使いやすかったですか?
渡邉:実際にCanvaを使って制作していて、最初は戸惑ったこともありましたが、使っていくうちに一般の方が使いやすいようにできているなと思いました。至れり尽くせりで、サクサクデザインができるようになっているなと。
あと、今回制作したデザインテンプレートは、使う方の手元で変化して使われるものなので、作っていて面白かったです。私がいつも作っているデザインとは毛色が違っていて新鮮でした。
――トライアルで25点をデザインしたときに意識したことはありますか?
渡邉:デザインテンプレートなので、あまり決め込みすぎたデザインにならないように意識しました。そのために、テキストや素材の配置や大小なども考えながら作りましたね。
ざっくりとデザインの構造を組み立てて、使う方が編集してもいい見え方のままになるように工夫しました。
――トライアルで作っていただいたテンプレートの中で、インスタグラム投稿画像テンプレートが特に人気ですが、どこからインスピレーションを受けて作られたのでしょうか?
渡邉:アディダスやナイキなどのスポーツブランドの広告デザインを意識して作りました。最近はパワフルなデザインが流行りだなと思っていたので、そこからインスピレーションを受けました。使う方が「スポーツだな」とすぐわかるように意識して作っています。
堂々:そうですね。日本にあるデザイン会社って、時代に流されずに自分たちのスタイルを追求していく会社もあると思うのですが、僕たちの会社は時代に合わせてトレンドを追うところが特徴なんです。
毎年トレンドに合わせてデザインを変えていて、時代に合ったフォントの設定だったり、カラーリングだったり、ビジュアルの構築だったりを心がけています。ファッションのように、トレンドに合わせてデザインを毎年変えているんです。
だから先ほど渡邉が述べた通り、みんなが好きそうなスポーツデザインを取り込んで、デザインテンプレートにアウトプットしました。
――なるほど。私も初めて見たときは、海外で見るようなおしゃれなデザインが多いなと思いました!
堂々:そういうおしゃれなデザイン、みんな好きなんですよ。よくインスタやピンタレストで「こんなデザインいいね〜」とよく共有し合っています。
街で見かけたデザインもそうですね。とにかく、今っぽいデザインをみんなで共有しながら仕事をしています。
テンプレート制作で一番苦労したのは、フォント選び?
――今回、新しく名刺と三つ折りパンフレットテンプレート50点制作していただきました。トライアルで作っていただいたものよりもビジネス寄りだったかと思いますが、特に苦労されたことはありますか?
渡邉:フォント選びには苦戦しましたね。最初の25点を作った時は、英語メインのテンプレートだったということもあって、アルファベットだと雰囲気が作りやすかったんです。でも、今回は日本語がメインで、Canvaに私たちがよく使うフォントがないときには、フォント選びが難しいなと思いました。
フォントでデザインの印象が変わると思うので、様々なフォントを試して見え方を確認する作業に時間がかかりました。
――確かに、フォントを変えるだけでデザインの雰囲気がガラリと変わってしまいますね。デザインといえば、今回のテンプレートは他では見かけないようなユニークなデザインが素敵だなと思ったのですが、あえて定番のシンプルな名刺デザインを選ばなかった理由はありますか?
渡邉:使いやすさは意識しつつ、Canvaにあったら可愛いなと思うようなデザインを考えながら作りました。普通すぎるデザインよりも、幅広いバリエーションがあったほうが使う方が見ていて楽しいんじゃないかなと思ったんです。
今見返してみても結構癖ありますよね?(笑)みんながそれぞれ好きな世界観で、デザインを作っていたのかなと思います。
――みんなと言いますと、具体的に何人くらいで50点を制作されたのでしょうか?渡邉:全社員なので、十数人で作りました!みんな総動員で、Canvaの使い方を覚えて作りました。「こんな使い方ができるよ」と共有しながら、みんなで分担して2週間くらいで作り上げましたね。
――名刺やパンフレットのような複雑なデザインも、すべてCanva上で作れてしまうのですね。
渡邉:そうですね。どんなデザインでも作れるベースがCanvaには備わっていたので、それを使わせてもらって作りました。
堂々:素材もCanvaにあるものを使っただけです。そういう意味で考えると、Canvaの素材の数はすごいですよね。素材を常に開発して追加しているとは驚きです。
デザインが難しいものではなく、もっと手軽で楽しいものになってほしい
――最後に、Canvaユーザーに一言お願いします!
渡邉:Canvaは仕事だけでなく、友達の誕生日会などプライベートな場面でも気軽に使えるところがいいなと思うので、楽しんで使ってみてほしいなと思います。
そして、デザインが難しいものにならずに、手軽で楽しいものだとCanvaを通して感じてもらえたらいいなと思います。
――確かに「デザインの壁」ってありますね。私なんかはデザイン初心者なので、最初はデザインに対して「できない」という気持ちが大きかったのを覚えています。
渡邉:デザインに対して、堅いや難しいという印象を持っている方も多いですよね。でも意外と感覚でできちゃうんだな、というのをCanvaで感じてもらえたらいいですね。
堂々:うんうん。そう言われれば、デザインって壁があるんですね。自分たちは当たり前のようにやっているから気づかないけれど、壁があると感じている人がいれば、Canvaさんはその壁を取っ払ってくれるツールだと思います。みんなが使って、デザインを通して盛り上がれるのはいいかもしれません。
あとは、Canvaを使うきっかけがもっと増えるといいですよね。入り口というか。デザインに触れるきっかけがもっと増えていくといいなと思います。デザインって簡単だなと思ってもらえればいいですよね。Canvaだと、無料で使えますし!
――デザインに触れるきっかけ、もっと作っていきたいです!本日はお時間いただきありがとうございました。
堂々・渡邉:ありがとうございました!
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DODO DESIGNについて詳しく知りたい方は、ぜひInstagramもご覧ください。@dododesign.jp
普段何気なく使っているテンプレートですが、制作したデザイナーさんたちが込めた想いやこだわりを知ることで、テンプレート編集がもっと楽しくもっと思い入れのあるものになれば嬉しいです。
特に、今回DODO DESIGNが制作したテンプレートは、これまでCanvaにありそうでなかった、新しいテイストのテンプレートになりました。
ぜひこの記事をきっかけに、新しい日本オリジナルテンプレートも使って、デザインを楽しんでくださいね!