ストレス潰瘍予防に胃薬は有効なの?
今回のテーマは『ストレス潰瘍に胃薬は有効?』についてです。
胃薬には、いくつもの種類があって、代表的なものは、プロトンポンプ阻害薬、ヒスタミンH2受容体拮抗薬、胃粘膜保護薬などです。
各胃薬の作用機徐や有害事象との関連については、以前の動画でも解説していますので、宜しければご参考ください
胃薬の中でも最も胃酸を抑える効果あり、強力なPPI(プロトンポンプ阻害薬)の有害事象には、誤嚥性肺炎、偽膜性腸炎、他にも、骨折、慢性腎障害、栄養障害(鉄、ビタミンB12、Ca、Mgなど)、認知症などのリスクが上がると考えられています。
認知症のリスクになりえると聞くとびっくりしませんか?
胃薬は適切に使用すればとてもよい薬なのですが、症状が改善した後も、漫然と胃薬の処方が継続されている人は、たくさんいます。
なかには『たくさんクスリを飲むと胃があれるから』という理由で処方されていることもあり、適正に使用されていない代表的な薬剤の一つであり、ポリファーマシーの要因薬剤の一つに挙げられます。
そんな胃薬ですが、胃薬の適応となる疾患にはいくつもあり、特に重症疾患の多い集中治療室では、ストレス潰瘍の予防目的に胃薬が投与されることが多く、標準治療となっています。
そもそもストレス潰瘍とは一体どういった潰瘍をさす用語なのでしょうか?
会社に行くと、胃がきりきりするってやつでしょうか?
また、潰瘍が悪化すると消化管出血を起こすこともありますが、胃薬には、ストレス潰瘍による消化管出血の予防効果はあるのでしょうか?あるとすれば、それはどのくらいの効果で、有害事象と比較して有益といえるのでしょうか?
研究論文をもとに解説します。
お役に立てれば幸甚です。ドクターP
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