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日本人のコロナ死亡率が低いのはBCGが関係している?
皆さん、こんにちは。ドクターPです。
本日は、『日本人のコロナ死亡率が低いのはBCGが関係している?』というテーマですが、皆さんはどうお考えになりますか?
『どうせまたデマでしょ。』と多くの方は思ったのではないでしょうか?
ネットニュースであっという間に広まったこの情報の発信者は、オーストラリア在住の日本人の方で、医療者ではなく、旅行代理店やコンサルなどを仕事にしている方のようです。
その方が3月末にブログで『イタリア、フランス、スペイン、アメリカなど、コロナウイルスの爆発的に感染が広まった国々では、BCGの予防接種が行われていなかったり義務付けられていなかったりした』ということに注目して発信したのが始まりです。
感染率や死亡率の低い国と高い国があるのは、皆さんも御存知の通りです。欧米諸国と比較しても日本の死亡者率は少ないですよね。
こうした国による差は、コロナウイルスの『型』の問題や、人種の問題(遺伝子型や免疫状態)、その国の衛生状況、国民の健康状態、感染対策(医療設備)などなど。たまたまの偶然でなんの法則性はないかもしれませんし、複数の要因が絡んでいるのかもしれません。
その原因がもしかするとBCGワクチンかもしれないと発信者は考えたのですね。
でも、今までもたくさん偽情報が出回っていましたからね。『アオサがコロナに効くらしい』、『お湯を飲むといいらしい』、『ウイルスをブロックする飴』などなど。
人々の不安に付け込んで、この機を逃すまいと商売をする人はたくさんいます。
また、今回もどうせ・・と考えるのは人間の心理としてはそう働くと思いますが、このBCG効果に関しては、そうした信憑性のないデマとは違って、オーストラリアやオランダで検証実験が行われているのです。
『え?どうして?』と思ったことでしょう。
それは、今回の情報がただのデマと違う部分があり、検証するに値すると研究者たちが思ったからです。
その部分は、BCGワクチンの『オフターゲット効果』と呼ばれるものです。
これは一体どんな効果でしょうか?
『信憑性のない情報』と、『にわかには信じがたい真実』の境界は時に非常に難しく、あいまいなものです。
安易にデマを信じてしまってもいけないし、逆に真実をエビデンスがないという理由で切り捨ててしまってもいけませんね。
そのあたりを解説しています。
お役に立てれば幸甚です。ドクターP