新型コロナと抗体検査~抗体もってれば安心?~

皆さん、こんにちは、ドクターPです。

今回は『新型コロナウイルスと抗体検査』についてのお話です。

診断のためのPCR検査はよく話題になっていますね(以前にPCR検査の感度と特異度のお話をさせて頂きました)。

日本は欧米諸国としてPCR検査数が圧倒的に少ないですが、このPCR検査とは、コロナウイルスのRNAをDNAに変換して増幅させる検査です。

診断には有用ですが、一度回復してしまうと、コロナウイルスの遺伝子が消えてしまうため、PCR検査では免疫をもっているのかどうかを判断できません。

免疫をもっているかどうかを知るためには、抗体検査が必要なんです。

感染者数が増えている欧米諸国では、職場への復帰、移動制限の解除などのために、抗体検査で陽性を確認する『免疫パスポート』を導入するかの議論も行われています。

免疫の有無を確認するためだけでなく、検査に時間がかかり、感染のリスクや手技も煩雑なPCR検査と比較して、感染のリスクや手技に伴う、PCRの問題点を埋めることのできる抗体検査に注目が集まっています。

次々と検査キットが開発されており、希望すれば一部のクリニックで抗体検査ができるようになっています。

抗体を持っていれば安心だから、『ちょっとやってみようかな?』と思ってしまうかもしれませんね。

ですが、やはり検査なので検査の精度が問題となるのですが、それだけでなく、抗体検査は解釈も難しいのです

このことを知らないと単に抗体検査をしたという事実だけが残って、無駄な検査にて終わってしまうかもしれません

抗体検査はPCR検査とは違うため、代わりになりません。抗体検査で診断してはいけないんです。

『どうして?抗体あれば感染しているし、なければ感染していないんでしょ?』

・・・と思うかもしれませんが、そう単純ではないんです。

また、本当に免疫パスポートとして利用できるのでしょうか?

いろいろ疑問がでてくると思いますが、動画でわかりやすく解説します。

お役に立てれば幸甚です。 

ドクターP



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