見出し画像

フランス代表チームと総選挙『サッカーのスター選手の政治的発言』(産経抄)

少し前の記事

で、勢いを増す極右勢力と戦う(サッカー)フランス代表選手の話題にふれましたが、旧統一教会の実質的な機関紙である世界日報

程ではないにしても、新聞各社の中で最も右である産経新聞が遅ればせながら<産経抄>で(サッカー)フランス代表選手の発言を取り上げています。

<産経抄>サッカーのスター選手の政治的発言
2024/6/25(無料会員記事)

サッカーの欧州選手権がドイツで開催中である。その初戦を控えた記者会見で飛び出したフランス代表の主将、エムバペ選手の発言には驚いた。「過激なグループが権力の座に近づきつつある」。「過激なグループ」が極右政党「国民連合(RN)」を指しているのは明らかだ。

RNは9日に開票された欧州連合(EU)議会選でマクロン大統領率いる与党連合に2倍の差をつけて大勝した。30日と来月7日に投票が行われる下院選でも、世論調査では首位に立っている。アフリカ系移民2世のエムバペ選手の「反移民」を標榜するRNへの危機感が伝わってくる。

政治的な発言で注目されたサッカーのスター選手といえば、元代表選手でアルジェリア移民2世のジダン氏を思い出す。2002年の大統領選で、RNの前身である「国民戦線(FN)」の創立者ジャンマリ・ルペン氏が決選投票に進出すると、シラク大統領への投票を呼びかけ再選に貢献した。「ジダンがルペンに勝った」と言われたほどだ。

もっともルペン氏の娘であるマリーヌ氏が「普通の政党」への変身に努めた結果、RNは経済の低迷と移民の急増にいらだちを募らせる多くの国民の心をつかみつつある。

自国開催だった1998年のサッカーワールドカップで、フランスは初優勝を果たす。立役者となったジダン氏を含め代表のほとんどが外国にルーツを持っており、「多人種統合の象徴」ともてはやされたものだ。

今は「統合」より「分断」が幅をきかせる時代である。RNが第一党となって、マクロン氏がRNから首相を指名せざるを得ない事態が現実味を帯びてきた。政治の混乱が予想されるなか、来月26日に五輪が開幕する。大丈夫だろうか。

サッカー選手だけでなく様々なスポーツのアスリートに賛同の輪が広がりましたが、著名な選手達の発言の甲斐なく、新しい世論調査の結果が発表される度に極右勢力の支持率も予想得票数も伸びており、22年ぶりのコアビタシオン(Cohabitation、今回は中道勢力の大統領と極右勢力の首相が共存する状態)に陥ることが確実視されています。

暗雲立ち込める政治状況が影響したかどうか判りませんが、初戦でエムバペが鼻を骨折する等のトラブルにも見舞われ、フランス代表チームはEURO2024の予選リーグを1位で通過することができませんでした。

世界中が右旋回する中、パリ・オリンピックの開幕が近づいていますが、時節柄、ミュンヘン・オリンピックの開催中に発生したようなテロ事件が再現しないことを祈ります。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?