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ミュージカル「スリル・ミー」を観てきたんだな


またもや何だかスゴイ舞台を観て参りました。

ミュージカル
「スリル・ミー」

です。

「ミュージカルにする必要あるんか?」問題は、個人的にありますが(日本語のミュージカルは難しいと言うのが持論)、オリジナル版からミュージカルですし、

2003年7月16日にニューヨーク・Abingdon Theatre Arts Complexで初演され、2005年5月26日よりオフ・ブロードウェイにてYork Theatre Companyにより上演、Dramatists Play Serviceから刊行された。

Wikipediaから


日本版も

2011年からほぼ毎年上演されている人気舞台なのです。


更に更に調べてみたら

1924年にアメリカで実際に起きた

レオポルドとローブ事件

を基にしているそうで、

かつ

amazon prime


巨匠ヒッチコック
も映画化しておりました。(写真のジェームズ・スチュアートは犯人でなく、犯人たちに疑惑を抱く大学教授役。)



早速、映画版を観てみましたが、

正直言って、舞台版の方が怖いです。


もう何回も何回も上演されている舞台なので書いちゃうんですが、
ネタバレ的になってしまいますが。

誘拐し殺される被害者が

事実: 16歳の隣人ボビー・フランクス
映画版: 大学の同級生
舞台版: オリジナル版ではyoung boyと書かれていて年齢不明、日本版は小学生(10歳?)

とバラバラなところが興味深い。

韓国版があるらしいのだが、韓国版での被害者の年齢は何歳ぐらいなのだろうか?

そうです。

なぜ日本版は小学生を被害者にしたのか?


殺害方法の残虐性に加えての被害者の年齢…小学生って…。ワタクシはこの時点で、劇場を出ようかとさえ思いました。

ワタクシは児童虐待、児童誘拐、児童殺害など、被害者が児童というだけで怒りが爆発しそうになるんです。耐えられません。


そして、舞台に於いて描かれた世界はそれだけではなかったのです。

舞台は

19歳で逮捕されて34年後のレイが、仮釈放のための審議を受けていて、登場人物は事件当時と現在のレイ、そして事件当時の〈彼〉のみ。
(あとは、ピアニストがいます。ピアノの楽曲が実に素晴らしい。)

刑務所の仮釈放審議会の席で、囚人である"私"は34年前に起こした犯罪の仔細について語り始めた。

"私"の幼馴染にして、ニーチェの信奉者である"彼"は、自らを特別な存在・超人であるとし、犯罪を犯すスリルによって満足を得ていた。"彼"を愛していた"私"は、互いの欲求に全て応えるという血の契約書を取り交わし、"彼"の犯罪に加担するようになる。


Wikipediaのストーリーから


この舞台では現代の日本でも問題になっている

今回は同じ年齢の間でですが、

グルーミング

モラハラ

執着愛

と言ったキーワードが見えてくる。

その上、サイコ殺人犯に見られる

超人思考とでも言うのか、自己正当性主義な思考性。

自分は素晴らしい、自分が正しい。

京アニ事件の犯人にも見られる思考性ですね。


現代起こっている猟奇事件、理由なき殺人事件などに通じる犯人像が、このストーリーではてんこ盛りで描かれているのです。



2023年版では3組の俳優たちにより演じられました。

ワタクシが選んだのは

尾上松也 x 廣瀬友祐

バージョン。


ミュージカル「マギ - バルバッド狂騒曲」
廣瀬友祐さんのファンになって、早速チケットを手に入れたってわけです。どんな内容かも全くチェックもせずに…。いやはやいやはや。幅の広い俳優さんです。

おふたりのインタビュー記事を発見。

その中にこの写真があります。

写真以上に舞台での廣瀬友祐さんのプロポーションには驚愕です。

正に9頭身!

184cmの身長の上、白人系の容貌で、スパダリ感を隠しきれない全身オーラ。

そんな廣瀬友祐さんがSっ気溢れるサイコパスを演じる。思い出すだけで恐ろしい。

大魔王かよ!


そんな彼の上を行くのが、粘着質気味に〈彼〉に執着する〈私〉

演じるのはドラマも積極的に出演するが、元は女形もする歌舞伎役者の尾上松也さん。

だからでしょうか?粘着質気味に愛し執着する様が、四谷怪談・お岩なのか、阿部定事件の阿部定なのか…、ジェンダー論的にはココで女性的と言うと問題がありそうですが、そんな様相さえ感じられる恐ろしさ。

コワイコワイ。

もういろんな意味で

コワイ〜!


まだ地方公演は続く模様。


<公演情報>
ミュージカル『スリル・ミー』

【東京公演】
2023年9月7日(木)~2023年10月3日(火)
会場:東京芸術劇場シアターウエスト

【大阪公演】
2023年10月7日(土)~2023年10月9日(月・祝)
会場:サンケイホールブリーゼ

【福岡公演】
2023年10月11日(水)・12日(木)
会場:キャナルシティ劇場

【名古屋公演】
2023年10月14日(土)・15日(日)
会場:ウインクあいち 大ホール

【群馬公演】
2023年10月21日(土)・22日(日)
会場:高崎芸術劇場 スタジオシアター





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