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クモの鞭毛状の糸の皮芯形態(Riekel et al., 18 Sep 2019)

抄録:強度と靭性を高める皮芯形態は,多くの高分子繊維で知られている.造網性クモの唯一の既知の例は,非晶質表層とポリアラニンモチーフの結晶性ナノドメインで強化されたポリペプチド鎖の芯で構成される大瓶状腺糸(MaS)の腺繊維である.円網の捕獲面積は,放射状で耐荷重性のMaS繊維と,弾性のある鞭毛状の糸のらせんで構成されている.当初は非晶質であると考えられていたが,現在,いくつかの鞭毛状繊維に対して強化ポリグリシンIIナノドメインの存在が確立されている.サブマイクロメートルの横方向の解像度でX線ナノ回折をスキャンすることにより,鞭毛状繊維のナノスケールの不均一性を検索した.ナガコガネグモArgiope bruennichiの鞭毛状の糸は完全に非晶質であることがわかったが,Araneus marmoreusでは,ポリグリシンIIナノドメインと非晶質の芯を含む半結晶性表層を備えた皮芯形態が観察された.

Riekel, C., Burghammer, M., Rosenthal , M. 2019. Skin-core morphology in spider flagelliform silk. Applied Physics Letters, 115(12), 123702(1-4).

https://doi.org/10.1063/1.5110268


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野口 大介(のぐち だいすけ)
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