卵サンド、あるいはハムチーズサンドを作るわけ
だいたい夜中の3時半、あるいは4時半くらい。
僕は最近サンドイッチを作る。
パンはPASCOの超塾が多い。8枚切り、なければ6枚切り。
なんだっていいのだ。
卵を2個茹でる。14分。ガス台の脇にカットしたバターをふた切れ、小皿の上に置いておく。卵が茹で上がる頃には、やわらかくてパンに塗りやすくなっている。
卵は粗くほぐし、マヨネーズ大さじ3くらいに胡椒を少し。それにマスタードを混ぜる。
パンにはバターと辛子を塗る。
それを2枚のパンにたっぷり挟み、おしまい。
ラップで包み、皿の下には保冷剤を敷く。
自分で食べるわけじゃない。
後で、僕と交代する妻用だ。
足元にはジャックがいる。
パンの耳を細かく刻んで、放り投げ、キャッチさせて遊ぶ。
だいぶ反応が悪くなって、よく取りこぼす。
まあ、仕方ない。
僕はサンドイッチを作る。
それはジャックが起きてくるのを楽しみにしているからだ。
パンの袋を開けた時の匂い、あるいはバターの溶けた匂い、そのどちらかでジャックが起きてくる。
たまに起きてこない。作り終えた頃に、のそのそ寄ってくる。
あまり遅いとちょっと不安になるけど、起きてくれればいい。
ハムサンドの場合、パンにはマスタードとマヨネーズを塗る。
片側にスライスチーズ、片側にハムを三枚か四枚。真ん中にレタスを数枚挟む。レタスの窪みにマヨネーズを落としておく。
あとは同じ。
僕とジャックは、1枚の食パンを分け合う。
残った卵を少し乗せる時もあれば、ハムとレタスを乗せる場合もある。
ジャックが嬉しそうに尻尾を振り、食べたら寒空の中、懐中電灯を持って外にトイレにいく。
帰ってくると、すぐにジャックは寝床に行き、寝息を立て始める。
僕はお茶を淹れ直して、映画の続きを見る。
このところTVシリーズの『アウトランダー』をずっと見ている。(
すごくたくさん話数がある)
ずいぶん前にスコットランドに行ったことを思い出す。
世界で一番小さいスコッチの蒸留所を訪ねたロケだった。
酒の飲めない僕は、酒蔵に漂う揮発したアルコールだけで頭痛がしたっけ。
もう少しで夜が明ける。
卵の黄身の色で、卵サンドの色は変わる。
当たり前だが、毎回作るときにそう思う。
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