プロと素人を分けるePubファイルの装飾の重要性
電子書籍を語る中で、表紙やタイトル、章立て、目次、見出しなどの
重要性はよく語られます。
『売れる』
そして多くのファンを作る電子書籍では、これらはとても重要です。
しかし、電子書籍で重要な部分はまだあります。
それは、内装です。
具体的には、ePubファイルの装飾です。
多くの電子書籍出版社や電子書籍プロデューサーは、
このePubファイルについて詳しく語ることはありません。
その理由は以下の2つのどちらか、または両方です。
・ePubファイルのことが実はよくわからない
・ePubファイルにコストをかけると利益が減ってしまう
今回は、この誰も触れることがない
ePubファイルの内装について、くわしく説明します。
なかなか珍しく、面白い話だと思います。
ぜひ読んでみてください。
まず、ePubファイルについて
簡単に説明しておきます。
ePubファイルとは、
世界的に統一された電子ブックフォーマット規格の1つで、
ファイルの拡張子がepubとなっています。
世界的なフォーマットであるにも関わらず、
縦書きやルビのような日本語独自の表現に対応しているところが
ユニークです。
このePubファイルは、Amazon Kindleでの出版に
もっとも優れたファイル形式です。
レイアウト崩れのような不具合がほとんどないため、
期待どおりのレイアウトや装飾で読者に読んでもらうことができます。
Amazon KindleではMicrosoft WordやPDFのような、
広く知られているファイル形式にも対応しています。
しかし、WordやPDFで用意した原稿で出版しても、
目も当てられないほどのレイアウト崩れを起こしてしまうのです。
そのため、これらのファイル形式で出版するのは
現実的ではありません。
一般的な電子書籍の内装
このページを読んでくださっている方なら、
これまでにAmazonで電子書籍を購入し、
読んだことがあるかもしれません。
著名人のものを含め、
ほとんどが黒文字の明朝体のみの内容
だったのではないでしょうか?
そのため、多くの方は電子書籍の内装は
太字や文字の色を変えるぐらいしかできないと考えています。
しかし、ePubファイルの規格では、
意外と高度な装飾に対応しています。
具体的には、以下の画像のようなファイルを作り、
Amazon Kindleでそのままのレイアウトで出版することができます。
ちなみにこの画像は、
弊社の電子書籍の目次です。
あまり表では言えませんが、
なかなかカッコよくできたと自負しています。
そんな私の自己満足はさておき、
このような内装は著者と読者、双方にメリットがあります。
以下では電子書籍に内装を行う効果について説明します。
電子書籍に内装を行う効果
ePubファイルの装飾について説明したとき、
もっとも多くいただく質問が以下のようなものです。
「中身は売れないとわからないから、
こだわったところで意味がないのでは?」
電子書籍を売るという意味では、
あながち間違いではありません。
読者の方がPCやスマホを使ってAmazonのサイトで
電子書籍を検索するとき、タイトルや表紙がもっとも重要です。
読者に響くタイトルや表紙でないと、
手にとってもらうことはできません。
ただ、電子書籍を活用してブランディングや集客を考えているなら、
電子書籍を手にとった上で内容に共感してもらう必要があります。
そのためには、内装は文章と並んで
重要なポイントになります。
具体的には
・精読率の向上
・ブランディング、
・リスト獲得率の向上
という効果があります。
これら3つの電子書籍に内装を行うことにより得られる効果について
くわしく説明します。
精読率の向上
内装による1つ目の効果は、
精読率の向上です。
精読率とは、電子書籍を
最後まで読んでもらえる確率のことです。
せっかく出版した電子書籍を
最後まで読んでもらうことができなければ、
共感してもらうことも見込み客になってもらうこともできません。
また、次回作を
楽しみに待ってもらうこともできないでしょう。
精読率を上げるためには、
文章力が大切なことは言うまでもありません。
しかし、多くの読者は気軽な気持ちで
電子書籍を読んでいるのが現実です。
特にAmazon Unlimitedを利用している方は、
無料で読むこともできます。
そのため、読者の方はほんの少しでも
おもしろくないと感じると、すぐにほかの電子書籍を探してしまうのです。
そのため、読者の方を飽きさせず、
興味をもって最後まで読んでもらう確率を上げるために、
文章に加えて内装でメリハリをつける必要があります。
ブランディング
内装による2つ目の効果は、
ブランディングです。
電子書籍を出版される方のほとんどは、
読者の方に「著者」だというイメージを持ってもらいたいと
考えていることでしょう。
著者とは、その分野で専門的な知識や経験をもっていて、
信頼ができる人物です。
そのためには、表紙やタイトル、文章はもちろん、
内装でも「著者」というイメージの演出が必要です。
より本格的な電子書籍を出版することにより、
ブランディングの効果を高めることができます。
リスト獲得率の向上
内装による3つ目の効果は、
リスト獲得率の向上です。
電子書籍をビジネス活用される方の多くは、
あとがきなどでメールアドレスなどのリストを獲得するしくみを
取り入れられることでしょう。
このような場合も、上記で説明した精読率に加えて
リスト登録率を向上させることもできます。
具体的に説明すると、
文章中の重要な箇所を、テンポよく枠囲みで装飾しておきます。
このように装飾すれば、読者の方の目に止まります。
同じ装飾を2〜3個使うことにより、
読者の方は「この電子書籍は、重要な箇所は枠囲みがされている」
と認識します。
そしてその流れで、あとがきのメルマガ登録にも
同じ枠囲み装飾を行うのです。
読者の方は枠囲みは重要だと認識しているため、
同じ枠囲みがされたメルマガ登録も重要だと感じてくれます。
すべての方が登録してくれるわけではありませんが、
リスト獲得率は明らかに向上します。
それなら、赤字や太字で
同じことをすればよいのではないか?
と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、赤字や太字による強調だと、
メルマガ登録が不自然に目立ってしまいます。
結果として読者の方が警戒してしまい、
登録率はむしろ下がってしまうのです。
さらに、赤字や太字を多用すると、
場合によっては著者のイメージを残ってしまう恐れもあります。
たとえば、女性向けの洗練された
表紙デザインや文章であるにも関わらず、
強調された文字が多く見られると大きな違和感があります。
結果としてメルマガ登録どころが、
最後まで読まれない恐れがあります。
そのため、枠囲みのような装飾により、
著者のイメージを損なうことなく、自然な流れで
メルマガ登録を促すことができるのです。
誰もやっていないので効果絶大
ここまで、電子書籍の内装を行う3つの効果を説明しました。
冒頭でも説明したとおり、このような装飾を行っている電子書籍は、
著名人を含めてほとんど見られません。
ですから、
上記の効果はとても大きなものになります。
結果として、ePubファイルに装飾を行っているだけで
読者の目を大きく引くことができるわけです。
まとめ
ここでは、ほとんどの電子書籍出版社や電子書籍プロデューサーが
触れることがない、ePubファイルの内装についてくわしく説明しました。
電子書籍に内装をすれば、
精読率やリスト獲得率、ブランディング効果が向上する
という3つのメリットがあります。
しかも、Amazonで出版されている電子書籍の
95%以上は内装はほとんど行われていません。
ですから、まだ誰もやっていない内装を行うことにより、
ほかの著者と大きな差をつけて
読者の方に満足していただくことができるでしょう。
そして、その後のメルマガを活用した案内やセールスにも
よい影響を与えることは間違いありません。
そのため、電子書籍を出版されるときは、
ぜひePubファイルに装飾を行うことをお勧めします。