横田檀

ドイツ・デュッセルドルフ在住 | Blumepopo ギター・作詞作曲 |

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知られざる音楽都市、ドイツ・デュッセルドルフを巡る。 ~デュッセルドルフ楽派研究~

ポピュラー音楽の最重要都市はどこかポピュラー音楽の歴史上の重要都市といえばどこの街が挙がるだろうか。 多くの場合、ジャズを産んだアメリカ・ニューオーリンズと、ビートルズやローリング・ストーンズをはじめとする多くの伝説的なバンドが活躍し、ブリティッシュ・インヴェイジョンを引き起こしたイギリス・ロンドンの二都市が上がるのではないだろうか。 これ以外にも想定される答えとしては、ブルースの中心地シカゴや、エルヴィスの拠点であるメンフィス、カントリーのナッシュビル、モータウンやテク

    • ポスト〇〇についての論考 ~[post-]という歴史観の登場にまつわる小史~

      [post-]という接頭辞が音楽ジャンルにおいて初めて広まった例は、私が調べた限りでは1970年代末に興ったpost-punkであるといえそうだ。 では、そのpost-punkの名付けの親は誰かというと、イギリスの音楽雑誌『サウンズ』のライター、ジョン・サヴェージという説(1978年)が有力である。 1978年、サヴェージがpost-punkを名付けたその年、美術批評史、および思想史上でそれがどのような時期であったかを参照すると面白いことが見えてくる。 そのとき世界はま

      • まだ新紙幣に触れたことのない日本人

         僕が日本にいない間に、新紙幣がすっかり浸透し始めているらしい。 こんなふうに知らぬ間に刻々と自分の国が変わっていってしまうのかも知れない。 そう思うと、底知れぬ不安のようなものが込み上げてくる。  日本のニュースについていけなくなったということはない。 ニュースらしいニュースは情報として十分入ってくるし、追えている。 ただ、ニュースというにはくだらなすぎる、世の流れ、流行りのキーワードミームのようなものについていけなくなっている感覚はある。 久しぶりに日本の友達と電

        • 「やっぱり外国住んでたら差別されることとかあるの?」

            僕は2年前からドイツに住んでいる。   たまに日本に帰って、久しぶりに日本人の友人と会うと、「やっぱりヨーロッパに住んでたら人種差別に遭うこととかある?」と聞かれる。 というか、自分もアメリカに行っていた友人に対して同じような質問をしたことがある。 「やっぱりアメリカやと人種差別とかあるん?」  この質問に対する答えは「わからない」だ。  まずそもそも自分はハーフで、他のアジア人に比べると、外見からアジア人と断定することが比較的難しいだろうなと思っているから、ヨーロッ

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        知られざる音楽都市、ドイツ・デュッセルドルフを巡る。 ~デュッセルドルフ楽派研究~

          故郷から1万キロ、異国語の飛び交う歯医者にて

           治療室にいた。これからどんな治療が行われるかわからないまま、施術椅子に座らされていた。  ドイツに移り住んで早1年と少しが経ち、日常会話はほとんど問題なくできるようになった。 生活の中でドイツ語がわからなくて困ることはなくなり、友だちともかなりたくさんのことを話せるようになった。  だから、医者に来るとこんなにも不便することに驚いた。日常の中で使う言葉はわかっても、歯医者で使われる言葉は全然わからないということにそこで初めて気がついた。 「虫歯」や「親知らず」などの基本

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          ピクニックにちょうどいい本とか持ってない

          ピクニックをしようという提案を受けた。 金欠の自分にとってはとてもありがたいプランだ。 各々家で用意したサンドイッチやコーヒーを持ち寄り、芝生の上で談笑する楽しい時間。しかも金がかからない。こんなに素晴らしい提案はない。 シートは彼女が持ってきてくれるらしい。 では、僕は何を持っていけばいいのだろうか。 「僕が持って行った方がいいもんある?」 と尋ねると、彼女は 「じゃあなんかおもしろい本持ってきて」 と答えた。 「私も何か持って行くから、それを交換して読もう」という提

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