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健康心理学?何それオイシイの?

「大学生ですか?」
「大学院生です」
「あっそうなんですね,何勉強してるんですか?」
「健康心理学です」
「あっそうなんですね」
「…」
「…」

みたいなことがよくある。
「大学院生です」と答えた時点でもうすでに,とっつきづらいヤツというラベリングをされ,興味をなくされているのだろう。

ただ質問を投げておいて話を進めないのもバツが悪いのか,社交辞令的に専攻分野を聞いてくれる人はもちろんたくさんいる。
そこで「健康心理学です」なんてあまり聞かない分野を答えようもんなら
相手はただ困るだけである。
「臨床心理とは違うんか?」
「掘り下げてもなんかめんどそうだしやめとくか...」
みたいな。
(”健康”の部分を聞き忘れたかのか「心理学?えっ,人の心よめr(ry」みたいなあるあるテンプレ聞かれることも)

さて,嫌味を言いつつも,今日は本格的な投稿の初回なので自己紹介として自分の専門分野を簡単に紹介していこうと思う。今回は健康心理学の定義と臨床心理学との違いの2つについてまとめる。かなりシンプルにまとめる予定なので,多少の粗は見逃してほしい。


健康心理学の定義

ここでは書籍から定義を引用する。
え?ややこしいのは読みたくない?
そういう人は引用の下にある太字説明を見てほしい。

「専門的健康心理学は心理学から派生した介入活動と定義できる。その目的は各個人の健康に関わる経験や行動を変容させることにあり,関わり方は直接的であったり,他人の健康に影響を与える活動をしている人の経験や行動への働きかけを通してであったりする」(Stone,1987)

「心理的な側面だけでなく,身体的側面や生活習慣などの行動的側面,文化や人間関係などの社会的側面といった様々な要因がいかに健康と疾病に影響するかについて研究する学際的な応用心理学の一領域」(石川,2012)

簡単にまとめてしまうと,
心と行動と環境の視点から健康について考えよう!
という心理学の一分野と表現ができる(と思う)。

「なんか幅広くて曖昧だなあ」
「で結局何研究してんの?」
というヤジが聞こえそうだけど,
正直自分もそう思っている。
これについては最後に話そうと思う。
そしてもう一つ挙がるであろう
「臨床心理学と何が違うの?」という声。
これは今から簡単に説明する。

健康心理学と臨床心理学

健康心理学と臨床心理学は確かに似ているし,領域の多くは被っていると思う。そこで,この界隈でよく耳にする説明が以下の通り。

「臨床心理学は-から0,健康心理学は0もしくは+から+」

簡単に図にするとこんな感じ。

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もちろん健康心理学が-(マイナス)を扱っていないわけではないけど,この説明をよく耳にするので,「健康心理学?何それオイシイの?」な人にはイメージがしやすい説明なんだと思っている。

健康心理学の研究領域については,日本健康心理学会のHPにも書かれている(学会について→学会の目的→研究活動の内容)。

正直,健康心理学ってなんなん?と混乱することはいまだにあるので,
そのたびにこのページ↑を見に行ったりする。解決するかは別として。

自分の中の健康心理学像

この通り健康心理学は幅がめちゃくちゃ広い。修士の時,ある授業で健康心理学の領域の広さを目の当たりにして「健康心理学ってなんだ?」と考え始めた。
先生にも聞いてみた。
すると「俺もわからん」と返ってきた。

結局今もずっと考え続けているし,今後も考え続けると思う。
答えも出るかどうか...。

そのうち論文が出揃い始めたら自分の研究内容も紹介したいと思う。
それまでにはレビューを投稿して,尺度を2つ作って論文化して...
うーーん,1年後かな??


< 文献 >

石川利江(2012)健康心理学の理念 森 和代・石川利江・茂木俊彦  
  (編)よくわかる健康心理学(pp2-3) ミネルヴァ書房
Stone, G. C. (1987). Health Psychology. Chicago: The University of Chicago
  Press.
(本明 寛・内山喜久雄(監訳)(1990).健康心理学 実務教育出版)

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