私の挑戦:世界標準のデジタルスキル・フレームワークを日本にも
何故挑戦しているのか?
青年海外協力隊(シニア)の任期を終えて帰国した直後からずっと挑戦し続けていることは
世界標準のデジタルスキル・フレームワークを日本にも
です。
世界標準のデジタルスキル・フレームワークとは欧州発のInternational Computer Driving License、ICDLのことです。
デジタルスキルとは、元々パソコンや各種デバイスを「使う」ためのスキルのことを指します。
日本では意味を拡大して使われていますし、「つくる」ためのスキルが重要視されていますね。
DXのために、システムに精通した技術者が必要なのは理解していますし、その方針に異を唱えるわけではありません。大切なことですから。
その一方、システムなどを「使う技術」についての教育・研修は日本で十分に体系的に行われているのでしょうか?
学校で習っているのだろうから大丈夫、とかなり軽視されている気がするのです。「仕事で使っているから大丈夫」と。
いろいろな方のお話を伺うのですが、特に新入社員のOJTを任された方などから
「プログラミングはできるけれど、表計算ソフトでグラフがかけず・・・」とか
「データー分析はできるんだけど、報告書がかけず・・・」、
「メールの送り方がわかってなかった」
「クラウドストレージの共有の仕方をわかっていなかった」
という声がたくさんありました。
もちろんデジタルスキルは、新入社員だけでなく、中堅社員・管理職・経営層の全員が当たり前のように身に着けておくべきものです。
今の時代、
「グラフの作成が苦手なんだよ、君、表計算ソフト得意だろ?やっといて」
は
「文字を書くの苦手なんだよ、君、文字かけるだろ?やっといて」
と同じレベルなのです。
だからこそ、デジタルスキルを身に着ける大切さを、他の国々と同様、日本の社会で再認識してもらいたいのです。
これは、自己評価や曖昧な他者の評価ではなく、実績のある第三者による評価(客観基準)があってはじめて「できる」と判断した方が、採用でも人事評価でも明瞭、公正、平等に評価できます。
ICDL:評価をする第三者(客観基準)
第三者による評価、客観基準を導入するといってもなるべく、自社基準や国内のみで通用する基準ではなく、世界で運用されているもの(グローバルスタンダード)の方がよいでしょう。その条件を満たしているが、International Computer Driving License、ICDLなのです。
ICDLを使ったデジタルスキルの習得と評価は、既にアジアでもスタンダードなのです。
シンガポール・タイ・ベトナム・中国など、政府がICDLを使ったデジタルスキルの習得を推奨していますし、現地の高等教育機関では正課の授業にICDLが採用されています。
(そういう意味で、日本に来ている留学生がICDLの検定試験をうけられないのは、彼らにとって非常にデメリットだとも思っています。これについてもなんとかするべく、留学生が集まるところにアプローチしたいです。)
ICDLを初めて聞いた方が多いでしょう。
ICDLは世界最大規模のデジタルスキルの第三者認定機関(NPO)です。これまでの26年間で、世界で100カ国以上の2万か所以上のテストセンターがあり、合わせて1700万人(実人数)の受験者に7000万回の試験を行っています。
また、民間のNPO団体ではありますが、提供しているフレームワーク(シラバス、教材、検定試験)は、30カ国以上の国の政府・地方自治体・学術団体などから認定(endorsement)を受けています。これも世界で唯一の規模です。先に挙げたシンガポール・タイ・ベトナム・中国もこの中に含まれています。
詳しくは、
『ICDL REFERENCES AND ENDORSEMENTS BROCHURE』を見ていただければ。(全部英語ですが、P6/P7に記載があります)
SDGsの達成について
SDGs4.4の「2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事および起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。」についてもICDLはUNESCOから評価をうけています。
SDGsに取り組む組織にとって、このSDGs4.4は比較的取り組みやすい項目でしょう。
4.4.1の項目を前評価→研修実施→再評価すればよいのですから。その評価もICDLのフレームワークを使えば容易です。
このレポートには、デジタルスキルの領域を一番多くカバーしているのはICDLだとの評価がなされています。
まとめ
私が、ICDLを通して「世界標準のデジタルスキル・フレームワークを日本にも」に挑戦しているのは、
日本がデジタルスキルの面で、世界の潮流に取り残されないように
SDGs4.4の達成
日本を留学先として選んでくれた学生に、デメリットを感じさせない
が主な3点が理由です。