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『THE FIRST SLAM DUNK』を観て、涙が零れた理由を考えた。
先日、映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観てきました。
「……今更?」なんて声が聴こえてくるけど、誤解しないでください。この作品を観るのは、2回目です。
結論から申し上げると、涙が零れました。2回とも同じところで。
昔、尊敬する先輩に言われたことがあります。
「人を感動させたいなら、涙の理由を説明できないといけない」
そんなわけで、今回は涙が零れた理由について考えてみます(ネタバレを気にしないで書くので、ご注意ください)。
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そもそも、涙が零れたのはどこなのか。
それは試合終盤、宮城リョータ最大の見せ場です。
「ドリブルこそ チビの生きる道なんだよ‼」
自らを奮い立たせ、深津&沢北のディフェンスを突破する姿は原作でもかなり胸アツでした。しかし、今まで数え切れないほど読み返しているのに、こんなに感情があふれ出たのは初めて。
……年のせいで涙腺が弱くなった?
まァ、それも否定できませんが、理由は「原作と変更した部分」にあったのではと思います。
【変更①】追加された宮城の回想
宮城の名言が出る直前、映画では回想が追加されています。自分がバスケをすることに肯定的ではなかった「母上様」への、切なすぎる手紙。
場面が試合に戻ると、会場には駆けつけたお母さんがいて、初めて息子に声援を送ります。
「行け‼」
風船って空気を入れないことには割れないでしょう? だんだん膨らませていって、パンパンにしないと割れません。
感情移入も同じ。心の風船をパンパンにしていって、パァン。
今回、この回想が効果的なストロークになっていました。
【変更②】彩子の台詞
突破を狙う宮城に対するマネージャー・彩子の掛け声が変わっていました。
原作では「抜けえ 男だろっ‼」だったのが、映画では「行け‼」に。
おそらく、お母さんの台詞と合わせたのではないでしょうか。同じ言葉を重ねて強調することで、観客の感情をより同調させたかったのだと思います。
風船をパンパンにするための工夫ですね。
【変更③】カットしたリアクション
原作だと宮城はドリブルで抜き去ったあと、デフォルメタッチで「アヤちゃん🧡」とおどけ、彩子に「前見ろ バカモノーッ‼」と怒られるのですが、映画だとその描写が省かれています。
これは、風船の空気を抜かないための工夫ですね。観客の昂ぶりを冷めさせないためにカットしたのでしょう。
ここからボールは赤木に渡り、河田と真っ向勝負。
シュートは阻まれるも、背中を痛めている桜木が「入ってろ‼」とダンク。
……涙、ぽろっ。
僕の風船は割れたのでした。
僕の場合、涙が零れた理由はもうひとつあります。
宮城と息子を重ねて観ていていたからです。
同じ高2、家族を亡くした点も、スポーツに打ち込んでいる点も、プレーできなかった時期がある点も似ています。
人より風船に空気が入った状態で鑑賞したわけです。
……それは涙も出ますよね笑
映画『THE FIRST SLAM DUNK』はロングラン上映中。きのうから小中高生は500円で鑑賞できるようになっています(31日まで)。
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最後に告知です。
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