タイムマシンに乗って、4歳の僕に教えてあげたい。
きょうは、ちょっとした試みをしてみようと思います。
4歳のころに見ていた番組を、44歳の僕が見たらどんな感想を抱くのか?
時は1980年、タイムマシンに乗ったつもりで遡りましょう。
今回、見てみたい番組はこちら(↓)。
男児なら誰もが一度は通るであろう、仮面ライダー。その7作目、スーパー1です。
シルバーを基調としたカラーリング、スズメバチをモチーフにしたというデザイン。両手をかめはめ波のように突き出して、くるっと回す変身ポーズ。
4歳だった僕はこう思っていました。
「かぁっこいいい~」
さあ、40年の歳月は僕をどう変えたのか。さっそく1話を見てみることに。
まずは主題歌。
あーおいそらからやってきてー みどりのちきゅうをすくうものー🎵
お、覚えている。覚えているぞ。4歳の記憶が残っている!
うーみをーやーまをーふーるーさーとをー
いつつのうででまーもーる
いーつつーのあーいーのうーでーで🎵
きっと毎週、口ずさんでいたんだろうなあ。
かめーんらいだーすーぱーわんー🎵
はい、ここでちょっと待てぃ。
主題歌の最後、画面がフリーズするのですが、峠道をバイクで疾走するスーパー1の後ろに気になるものが映り込んでいるではありませんか。
「止まれ」と「速度制限30」の標識。
控えめに言って、台無しです。どうして、このタイミングで止めた? 時速30kmで走るライダーを誰が見たいというのか。
あァ、こういうところに気付いてしまうのが、テレビマンの職業病……。
気を取り直して本編を見ていきます。
冒頭は主人公の沖一也が改造手術を受ける場面。それまでのライダーと違うのは、手術を行なったのは悪の組織ではないんですね。アメリカの国際宇宙開発局。目的は人類の惑星移住計画のためとのことでした。
で、手術はみごと成功。責任者のヘンリー博士が機能を説明していきます。スーパー1には、ファイブハンドが備わっていると。
✋シルバー(スーパー)ハンド:破壊力300tのパンチを放てる
✋レッド(パワー)ハンド:50tの物体を受け止めて投げ返せる
✋ブルー(エレキ)ハンド:3億Vの電流を発生させる
✋グリーン(冷熱)ハンド:左から炎、右から冷凍ガスを発射
✋ゴールド(レーダー)ハンド:半径10kmの情報を入手できる
ここで思ったのは……。
シルバーとレッドの区別、いる? ……ということ。
レッドが炎で、グリーンが冷凍ガスならスッキリするのに。
そして、場面は翌日。
ヘンリー博士が車で帰宅しようとすると、怪しい人物が行く手を阻みます。僕は目を疑いました。
博士が「わしは家族が待ってる家へ帰るところだ。そこをどきたまえ」と流暢な日本語で話すやいなや、目の前の人物を轢き殺そうとしたのです。さらには同乗していた博士の部下が発砲😱
この容赦ない殺意。繰り返しますが、危害を加えているのは博士の方です。
幸い(?)、相手の正体は悪の王国ドグマの怪人で、博士はさらわれてしまいます。スーパー1を引き渡すように脅される博士。しかし、敵の本拠地で顔色の悪い連中に囲まれても、一切ビビりません。すごい胆力です。
断固、要求を拒否する博士に対し、悠長に6時間の猶予を与えて解放するドグマ。博士は自力で研究所へと戻っていくのでした。
そのころ、研究所では一也が特訓をしていました。いつでもスーパー1になれるよう「変身の呼吸」とやらを身につけたいようです。
〇〇の呼吸って、鬼殺隊か。
しかも、特訓の方法がトランポリン、跳び箱、マット運動なんですよ。
体育の授業か。
当たり前ですが、なかなか変身できない一也。そうこうしているうち、研究所はドグマからの襲撃を受けてしまいます。
ヘンリー博士は一也をかくまうため、ある場所に連れ出しました。
「一也、ここにアリゾナの荒野に抜け出せる秘密の通路があるんだ」
秘密という言葉とは裏腹に、隠す気が全く感じられないボタンを押すと、扉が開きました。そして、そこにはスーパー1専用のバイク・Vマシーンが用意してあったのです。
はい、ここでちょっと待てぃ。
めっちゃ日本のナンバープレートなのよ。付いとる、見えとる。
そういうところよ、1980年!
そこから、ひと悶着あってヘンリー博士は死亡、研究所は爆発。一也は爆風で吹っ飛ばされたときに変身できたようで生き残りました。
ナレーションが入ります。
スーパー1は生きていた
あの絶体絶命の危機を乗り越えて
スーパー1は生きていた
スーパー1こそ 仮面ライダースーパー1
スーパーライダーだ
今 悪の王国ドグマ打倒を胸に秘めて
スーパーライダーは疾走を開始した
なんだ「スーパー1こそ 仮面ライダースーパー1」って。
あの爆発でも吹き飛ばなかったVマシーンに乗り、スーパー1はアリゾナの荒野を走っていくのでした。日本のナンバープレートを付けて。
もしもタイムマシンがあって、4歳の僕に会えるなら教えたいです。
君が夢中だったこの番組は、ツッコミどころ満載だよ、と。