守教 上:帚木蓬生:言葉の力
「守教 上」(050/2020年)
キリスト教が日本にやってきた。ザビエルがやってきてから、まだ450年位しか経っていねいのですね。それまでこの国に無かった概念が、どうやって拡がっていったのか、上巻では徐々に「禁教」が始まるころまでの状況を、九州の筑後の高橋村を舞台に描いています。
この中で、一人の農民の言う事が非常に刺さりました。仏教の念仏は、お経は全く意味が分からない。言葉の意味が不明。もちろん、お坊さんから説明を受ければ理解できるけど、自分の口から発している音声の意味が分からないっていうのは、確かに不思議だ。でも、キリスト教の祈りの言葉は、意味が分かる。自分の発生する事の意味が分かる方が気持ち良いに決まってますよね。
信じるべき内容が受け入れられた、っていう側面もありますが、意味のあることをみんなで唱えるという、新しい興奮。言葉の力を感じることが出来るエンタテインメント性もあったのかな、と。
下巻では、弾圧が始まります。どうやって、守るのでしょうか。
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